夏の予選
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明川戦を念頭に置いて練習をする中
最近暁くんの様子がおかしい…
というか元気がない気がする
栄純くんの投球を見ていると一也に声をかけられた
「翼、降谷知らねーか?」
『暁くん…?ランニングしてるんじゃないの?』
「探してるんだけどいねーんだよ」
『私も探す!』
グラウンドにはいないし、
タイヤ置いてる倉庫にもいない
あれ…扉が開いてる…
トレーニングルームをのぞくと
ベンチプレスの上で寝ていた…
こらこら
『暁くん、起きて!』
体をゆするも起きてくれない
手に触れると少し熱い?
おでこに手を当ててみると…
多分熱はないけどこもってるのかな…
手を離そうとしたとき
勢いよく手を捕まれた
びくっ!!
『暁くん…?』
どうやら無意識みたい
私の手が冷たいからか
自分の頬に押し当てていた
今日は暑いもんね…でも今は練習中だし
『起きて!』
「ん…」
『ねぇ…わっ!』
揺すっていたもうひとつの手も暁くんに捕まれ
もう片方と同じように頬に当てた
私が暁くんの頬を包み込んでる…
寝てるのに力が強くて手を離してくれない
とりあえず大きな声で起こしてみることにした
『おーい、起きてってば!
ちょっとー!おーい!』
「翼ー居たのかー?」
一也の声が聞こえた
丁度いいところに!
動けなかったから助かった…
『こっちー!てか助けてー』
「は?」
トレーニングルームの入り口まできた一也
後ろから呆れた声が掛けられた
「お前何やってんの?」
『一也、動けないんだってばー』
回りこんで私の姿を見た一也はしばらく固まっていた
我ながら情けない格好だもんね…
すると一也は、大きく息を吸った
「起きろ!!」
一也の声に暁くんは目を開けて私をみつめた
何か、気まず…
「ん…翼?…何してるの…?」
『えーっと、とりあえず手、離してくれる?』
「え…
なんか冷たくて気持ちよかった…」
『あの、だから手…』
「何してんだよ!!
てか!お前ランニング終わったんだろーな!」
まだ寝ぼけた様子の暁くんの腕と私の肩を持って
一也がひきはがした
うわー腕に手形がついてる
さすが豪腕投手の握力
そしてやっと暁くんは起き上がった
「終わりました…」
「さっさと来い!
ブルペンで投げ込みするぞ!!」
「いや、今日は蒸し暑いし…
もうちょっと休んでから…」
「暑いに決まってんだろ夏なんだから!!」
『そういえば手も頬も温かかったね…
熱中症気味なのかな…』
「お前…昨日もメシ残してたろ
ちゃんと食わねぇとブッ倒れんぞ」
「…」
「言っとくけど今年の夏はいつもより暑くなるみてーだから
今のうちから覚悟してーー」
『暁くん…
もしかして暑さに慣れてない…?
氷持ってこようか?』
「ん…」
私と一也は顔を見合わせた
北海道からこっちに出てきたばかりの暁くん
本格的な夏の暑さに体がついてきていないみたい
一也とアイコンタクトをとり
少し休ませることにした
『とりあえず熱中症対策に水分取りに行こうね』
覚束無い足取りの彼の手をとりベンチに向かった
この暑さに慣れていけるよう
彼の練習時間を少し考え直すことにした
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