約束と課題
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なんかまわりがざわざわしてる
そろそろ練習が始まるのかなって思って
名残惜しいけど翼から離れ
立たせるように翼に手を差し伸べた
『そろそろ練習始まりそうだね
お仕事しに行かなきゃ!
暁くん、キャッチボールしてくれてありがと!!
練習頑張ってね!』
「あ、うん…ありがとう…」
『あぁそれと!
この青道のみんな暁くんの仲間だよ!!
忘れちゃダメだからね!
またキャッチボールしてねー!』
なんで君はほしいコトバくれるんだろう
フワリと微笑み去っていく翼を見て、その言葉で
心に降りつもっていた雪がさらさらと溶けて消えていった
そこからなにかが芽吹くかもしれない
なんだろう・・・このあたたかい気持ち…
練習が始まってランニングしてる間も
こないだの試合のときみたいに空気がピリピリしてる気がする
そして今日はいろいろな人とよく目が合う日だな(睨まれてるよ)
どうしたんだろう…
今日は一段と先輩たちも厳しい気がする
「降谷――!はよしろ――!!」
って・・・
投手陣のメニューで御幸先輩と組むことになったけど
笑いながらも目は笑ってないし
よろしくっていいながら握手した手はすごい力でちょっと痛かった
握力強いんだ…さすがキャッチャー(故意にです)
みんな何かあったのかな?
まぁなんでもいいか
とりあえず今はもっと投げたい!!
▽
暁くんとキャッチボールし終わってマネジの仕事に行こうとすると
倉持先輩と一也に絡まれた
『わっ!』
肩が重い…
すっと横を見ると倉持先輩が私と肩に腕を乗せていた
「翼ちゃん降谷とずいぶん仲良くねぇか?」
『暁くん、ですか?』
「翼!いつのまに名前で…」
『それは、もう仲間だもん!』
「…(あれ?慌てたりしない…どういうことだ?!付き合ってねぇのか!?)」
「…(それはねぇって言ってんだろ!翼はやっぱりかなりにぶい…)」
「…(Σ!いやいやあれはさすがに気付くだろう…)」
「…(いや、翼なら気付かなくてもおかしくない…
それどころか降谷もそこまで意識してなかった可能性も…
この天然たちめ…
そしてお前はその手を離せ)」怒
『どうしたんですか?
ふたりとも見つめ合っちゃって…
なんだか私お邪魔みたい?ってことで私退散しますねーっ』
「ゲッ!みつめ…?!」
「ちょっ、ちが…まて翼!
見つめあ合ってねぇよ!
てか、お前は少し警戒しろよな!!」
『えっ?警戒?いきなりなんで?
ボール飛んできても逃げられる自信はあるよ♪』
「うそだろ…」
「あいつはマジだ…」
その後も今日はみんなとよく眼があうし(俺も降谷みたいに…とか思われてるまなざし)
雰囲気もいつもと違うってかなんか変な気がする
みんなどうしたんだろ?
宿題でもいっぱい出されたのかな?
こちらも天然に勘違いしていた・・・
~おまけ~
練習前に体を動かしていた何人もの人が
降谷が翼を抱きしめていたという事件に衝撃を受けていた
ゴンッ
伊「なぁぁっ!あの1年のヤツよくも!!しめてやる!!」
哲「落ち着け純!素振り中にバットを放すから他の部員に刺さる…
こうゆう時は平常心を…」
亮「哲こそ落ち着きなよ?
ほらホウキ持ってバッターボックス立ったら監督にしばかれるよ?
それよりあの怪物くんは何やってるんだろうねぇ俺の翼に…
練習中に俺の送球がそれて当たっちゃうかもしれないね」ニコニコ
増「うがぁ・・・・・・○口○」
ク「いや、翼の天然さから考えると
そんなに深刻ではないだろう…」ポソッ
「「たしかに…」」
と全員が心の中で呟いた
倉「げっ・・・!」
御「どうした倉持・・・はぁ?!」
倉「あいつらいつの間に?!」
御「あいつの球受けてやるんじゃなかった」怒
倉「なんも考えてないような顔してずいぶんと行動の早い…」
御「いや、でも大丈夫だろう…俺が言うんだから間違いない」
倉「はぁ?何でだよ」
御「翼はありえないくらいの天然でにぶい!」
倉「そういや前にクラスのヤツが翼に付き合ってくれって告ったら
古典的にもどこに行くんですか?って返したらしいなぁ」
御「そんなの序の口だぜ?あいつのにぶさは・・・・
てか、クラスのヤツってどいつだよ…!」
倉「(さーて俺はどう攻めるかな)」
春「なんかざわざわしてるからもう始まったのかと思って急いだけどまだみたいだね」
沢「はぁ助かった…でもいったい何の騒ぎなんだこれ?」
春「何かあったんですか?」
先輩「翼ちゃんが…」
先「今事件があってな―――――…」
沢「なにぃ?!」Σo口o
ドサッ
沢「いてぇ!!」
沢村スタイルのうきわタイヤが足元に落ちた
春「(翼ちゃんが・・・・いつの間に…俺も負けてられない!)」
先輩「いや、でも翼ちゃんのにぶさは・・・」
春「え?翼ちゃんってにぶいんですか?」
先「かなりなぁ…こんなこともあったぞ…」
このあと野球部には降谷事件と
翼の天然っぷりが広まったとか…
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