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中級たちにもう一度詳しく話を聞くと
最近八ツ原の廃寺に新しくお坊さんが引っ越してきて
しょっちゅう八ツ原を払いに来ていたのだという
「お、お前達ねぇ…」
『それならそうと教えてくれたらよかったのに』
「これ、君たち
さっきから森に向かってなにを話しているんだい?」
「『えっ!?』」
まさか、見えていなかったのか…
住職によると
息子さんが敏感な子で、
時々何かを感じ、当てられて体を壊してしまうそうで
でも八ツ原は妖が有名だから
一応気休め程度に、こまめにお清めをしている、と…
〈き、気休め?!〉
〈あのような力を持っていながら見えぬとは!!〉
妖たちは涙ぐんで怯えている…
「ここらの化物はたぶんそんなに悪さをしませんので
ほどほどにしてやってください」
『住むところがなくなっては可哀想なので…』
「ひょっとして、君たちは見えるのかね」
面と向かってそう聞かれると
素直に肯定することはまだ、できそうになかった…
「ーーいや、答えなくていいんだよ
なにか話したいことがあればいつでもおいで
…ひょっとしたら息子とは話が合うかもしれないね」
「……ご住職お名前は?」
「ああ私、姓は田沼と申します」
そこで住職とは別れた
きっと田沼と話してみると約束をして
〈やれやれ
何だかんだ言って妖怪びいきだなお前たちは〉
「別に妖怪だからひいきしたってわけじゃない」
『他の人には見えないかもしれないけど
見えちゃうんだもの
なかったことにはできないよ』
「たぶん…言葉を交わして“知り合い”になったからさ」
「前にさ、子どもの頃の話で、人に化けてた妖の話したの覚えてる?」
『うん、覚えてるよ』
「あの時は子どもで人に化けてまで声をかけてきたことに
ひどく傷ついた気がしていたんだけど
今思うとそれでも会えて良かったと思うんだ」
「…うまくいえないけど最近わかってきたんだ
ふれあわすのが心であるなら同じだよな
人だろうと妖だろうと
ひとりでいるのがさみしくなるのも
最初の一歩が恐いのも。」
_
最近八ツ原の廃寺に新しくお坊さんが引っ越してきて
しょっちゅう八ツ原を払いに来ていたのだという
「お、お前達ねぇ…」
『それならそうと教えてくれたらよかったのに』
「これ、君たち
さっきから森に向かってなにを話しているんだい?」
「『えっ!?』」
まさか、見えていなかったのか…
住職によると
息子さんが敏感な子で、
時々何かを感じ、当てられて体を壊してしまうそうで
でも八ツ原は妖が有名だから
一応気休め程度に、こまめにお清めをしている、と…
〈き、気休め?!〉
〈あのような力を持っていながら見えぬとは!!〉
妖たちは涙ぐんで怯えている…
「ここらの化物はたぶんそんなに悪さをしませんので
ほどほどにしてやってください」
『住むところがなくなっては可哀想なので…』
「ひょっとして、君たちは見えるのかね」
面と向かってそう聞かれると
素直に肯定することはまだ、できそうになかった…
「ーーいや、答えなくていいんだよ
なにか話したいことがあればいつでもおいで
…ひょっとしたら息子とは話が合うかもしれないね」
「……ご住職お名前は?」
「ああ私、姓は田沼と申します」
そこで住職とは別れた
きっと田沼と話してみると約束をして
〈やれやれ
何だかんだ言って妖怪びいきだなお前たちは〉
「別に妖怪だからひいきしたってわけじゃない」
『他の人には見えないかもしれないけど
見えちゃうんだもの
なかったことにはできないよ』
「たぶん…言葉を交わして“知り合い”になったからさ」
「前にさ、子どもの頃の話で、人に化けてた妖の話したの覚えてる?」
『うん、覚えてるよ』
「あの時は子どもで人に化けてまで声をかけてきたことに
ひどく傷ついた気がしていたんだけど
今思うとそれでも会えて良かったと思うんだ」
「…うまくいえないけど最近わかってきたんだ
ふれあわすのが心であるなら同じだよな
人だろうと妖だろうと
ひとりでいるのがさみしくなるのも
最初の一歩が恐いのも。」
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