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次の日、ツユカミさまがおれの部屋の窓を叩いた
〈夏目 みつけたぞ キュウ太郎だよ
やはり三ノ塚の山に住んでいる〉
用心のために丸い鏡を持ち家を飛び出した
すると同じく外に出ていた翼にバッタリと会ってしまった
『あれ、どうしたの?そんなに急いで』
「キュウ太郎が見つかったみたいなんだ
行方が分からなくなる前に探しに行ってくる」
『探すのなら人手が多い方がいいでしょ
私もつれてって!』
できることなら巻き込みたくはなかったけど
翼の熱意につい了承してしまったことを
後悔することなるとはまだ思いもしなかった
森の中、キュウ太郎を探して歩くがなかなかみつからない
「―いないぞ 本当にこの辺りで見たのか?」
〈ああ、声をかけたら逃げていったが
まだそう遠くへは行っていまい〉
「そうだな 二手に別れるか?」
『探し回るならその方がいいか…』
ぴくっ
『ぁ……』
一瞬翼の肩がはねた
〈何かがくるぞ
やばいのがくる〉
二人(?)して同じ反応なのが気になったが
今はキュウ太郎が優先なので
ニャンコ先生に任せることにした
が
〈まいりました〉
〈まいりました〉
突如現れたムンクの叫びみたいな顔の妖
木陰をつたって気付けば足元にいた
〈夏目、翼、木陰から出ろ
こいつは、強力な力をもつお前らを喰おうとしている〉
「こいつがキュウ太郎?!」
〈そう!あいつ!!〉
『確かに、“参”ってかいてるけど 全然似てない!』
逃げようとしたおれたちを庇うようにニャンコ先生がキュウ太郎に近づくと
手で払われてしまった
『ニャンコ先生!!』
翼が振り向く間にユラリと目の前までやってきた
〈まいりました〉
〈夏目、鏡だ!
日光の反射で目眩ましを〉
「わかった…」
木陰から出ようとした所で妖に捕まって身動きがとれなくなった
「う…あ、頭…痛…はなせ…」
捕まれた手から妖の思念が流れ込んでくる
そのとき、
『貴志くん!!』
翼がおれの腕を掴み、引き寄せられるのを止めてくれた
すると、少しだけ翼の動きが止まった気がした…
しかし、すぐに動き出して
翼は妖の前に腕を突き出した
『貴志くんを、離して』
その言葉に応じるように翼のブレスレットが光輝き
一瞬光の膜のようなものに守られた
おれたちと妖の体が離れたその隙に
元の姿に戻ったニャンコ先生が入り
妖が一気にひるんだ
やれる
ぱんっ
「ススギ」
「ツユカミ」
「名を返そう」
こうして無事に名を返すことができた
が
体力をごっそり奪われ
そのまま意識を失った。
目を覚まして1番に目に飛び込んできたのは
困り顔でおれの顔を覗きこむ翼の顔のアップだった
『貴志くん、よかった起きたんだね』
「え?!翼…?!なんで…」
がばっ!っと起きて状況を確認する…
どうやら意識を失ったおれを介抱してくれていたらしい
膝枕をして……
『急に起きちゃって大丈夫?頭くらくらしない?』
「ああぁあ、うん、大丈夫…
その、、ありがとう…」
『いえぃぇ』
「そ、そうだ!翼は大丈夫か?怪我は?!」
意識を失う前のことを思い出しておれは焦りながら尋ねた
『大丈夫、ニャンコ先生が助けてくれたし私は元気だよ』
「そうか、よかった…」
何もなくて、本当によかった…
少しだけ穏やかな時間が流れる…
すると二人の距離の近さに急激に恥ずかしくなってきた
〈翼に感謝しろよ夏目!〉
「うわぁ!!ニャンコ先生いたのか…」
翼の後ろにもたれていたようで気付かなかった………
〈翼がいなければ夏目は今頃ススギに捕まっておったぞ〉
「そうだ、ありがとな翼
でも、」
『?』
「なんであんな無茶をしたんだ!
もっと危ない目に会ってたかもしれないんだぞ!」
『ごめんなさい…?
でも私は同じ状況になったらきっと同じことをするからね』
「なっ!」
『貴志くんはきっと一人で抱え込んじゃうから
私なら大丈夫だから
少しずつで良い、私を頼って?
約束して、』
「うっ…」
そう言いながら顔を近付けてくる翼に
自然と顔に熱が集まる気がした
〈そう言えば翼、その腕の物はどこで手に入れたんだ?〉
『これはおばあちゃんがくれたの
あんな風に光ったのは初めてみた』
〈どうやらお前の妖力を引き出して具象化したようだな
お前の祖母はそういった物を作るのに優れていたのだろう〉
『そうなんだね、大事にしなきゃ』
「さぁ、暗くなる前にそろそろ帰ろうか」
『そうだね、無事に名前を返し終えてゆっくりできるね
名前を返す貴志くん、とっても綺麗だったよ』
言い残して森を去っていく翼を
追いかけられずただ、固まってしまった
くそ、ふいうちだ…
_
〈夏目 みつけたぞ キュウ太郎だよ
やはり三ノ塚の山に住んでいる〉
用心のために丸い鏡を持ち家を飛び出した
すると同じく外に出ていた翼にバッタリと会ってしまった
『あれ、どうしたの?そんなに急いで』
「キュウ太郎が見つかったみたいなんだ
行方が分からなくなる前に探しに行ってくる」
『探すのなら人手が多い方がいいでしょ
私もつれてって!』
できることなら巻き込みたくはなかったけど
翼の熱意につい了承してしまったことを
後悔することなるとはまだ思いもしなかった
森の中、キュウ太郎を探して歩くがなかなかみつからない
「―いないぞ 本当にこの辺りで見たのか?」
〈ああ、声をかけたら逃げていったが
まだそう遠くへは行っていまい〉
「そうだな 二手に別れるか?」
『探し回るならその方がいいか…』
ぴくっ
『ぁ……』
一瞬翼の肩がはねた
〈何かがくるぞ
やばいのがくる〉
二人(?)して同じ反応なのが気になったが
今はキュウ太郎が優先なので
ニャンコ先生に任せることにした
が
〈まいりました〉
〈まいりました〉
突如現れたムンクの叫びみたいな顔の妖
木陰をつたって気付けば足元にいた
〈夏目、翼、木陰から出ろ
こいつは、強力な力をもつお前らを喰おうとしている〉
「こいつがキュウ太郎?!」
〈そう!あいつ!!〉
『確かに、“参”ってかいてるけど 全然似てない!』
逃げようとしたおれたちを庇うようにニャンコ先生がキュウ太郎に近づくと
手で払われてしまった
『ニャンコ先生!!』
翼が振り向く間にユラリと目の前までやってきた
〈まいりました〉
〈夏目、鏡だ!
日光の反射で目眩ましを〉
「わかった…」
木陰から出ようとした所で妖に捕まって身動きがとれなくなった
「う…あ、頭…痛…はなせ…」
捕まれた手から妖の思念が流れ込んでくる
そのとき、
『貴志くん!!』
翼がおれの腕を掴み、引き寄せられるのを止めてくれた
すると、少しだけ翼の動きが止まった気がした…
しかし、すぐに動き出して
翼は妖の前に腕を突き出した
『貴志くんを、離して』
その言葉に応じるように翼のブレスレットが光輝き
一瞬光の膜のようなものに守られた
おれたちと妖の体が離れたその隙に
元の姿に戻ったニャンコ先生が入り
妖が一気にひるんだ
やれる
ぱんっ
「ススギ」
「ツユカミ」
「名を返そう」
こうして無事に名を返すことができた
が
体力をごっそり奪われ
そのまま意識を失った。
目を覚まして1番に目に飛び込んできたのは
困り顔でおれの顔を覗きこむ翼の顔のアップだった
『貴志くん、よかった起きたんだね』
「え?!翼…?!なんで…」
がばっ!っと起きて状況を確認する…
どうやら意識を失ったおれを介抱してくれていたらしい
膝枕をして……
『急に起きちゃって大丈夫?頭くらくらしない?』
「ああぁあ、うん、大丈夫…
その、、ありがとう…」
『いえぃぇ』
「そ、そうだ!翼は大丈夫か?怪我は?!」
意識を失う前のことを思い出しておれは焦りながら尋ねた
『大丈夫、ニャンコ先生が助けてくれたし私は元気だよ』
「そうか、よかった…」
何もなくて、本当によかった…
少しだけ穏やかな時間が流れる…
すると二人の距離の近さに急激に恥ずかしくなってきた
〈翼に感謝しろよ夏目!〉
「うわぁ!!ニャンコ先生いたのか…」
翼の後ろにもたれていたようで気付かなかった………
〈翼がいなければ夏目は今頃ススギに捕まっておったぞ〉
「そうだ、ありがとな翼
でも、」
『?』
「なんであんな無茶をしたんだ!
もっと危ない目に会ってたかもしれないんだぞ!」
『ごめんなさい…?
でも私は同じ状況になったらきっと同じことをするからね』
「なっ!」
『貴志くんはきっと一人で抱え込んじゃうから
私なら大丈夫だから
少しずつで良い、私を頼って?
約束して、』
「うっ…」
そう言いながら顔を近付けてくる翼に
自然と顔に熱が集まる気がした
〈そう言えば翼、その腕の物はどこで手に入れたんだ?〉
『これはおばあちゃんがくれたの
あんな風に光ったのは初めてみた』
〈どうやらお前の妖力を引き出して具象化したようだな
お前の祖母はそういった物を作るのに優れていたのだろう〉
『そうなんだね、大事にしなきゃ』
「さぁ、暗くなる前にそろそろ帰ろうか」
『そうだね、無事に名前を返し終えてゆっくりできるね
名前を返す貴志くん、とっても綺麗だったよ』
言い残して森を去っていく翼を
追いかけられずただ、固まってしまった
くそ、ふいうちだ…
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