紅の王編
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44【自由に】
狂と先代様の闘いはさらに激しさを増していった
どうすれば…
すると後ろに気配を感じた
それは懐かしくて、
温かくて
「翼…」
『!!
当代、紅の王様……?!』
「翼、久しぶりだね」
『どう、して…』
あの頃と変わらない当代"紅の王"…
その人は優しく私の頭を撫でてから
京四郎さんを起こした
「な…なぜあなたまでもが先代の中に…!?
あなたは あの時ボクの刃でー…」
「…あの時 私は完全に死んでいなかったんだ」
「え!?」
「あの後 先代があの場へやって来て
私の中の真の壬生一族の血肉を吸い取り
私は絶命した
…私は「紅十字」の四守護士の三番目だからね」
「せ…先代が!?」
「私は元より二番目の肉体は崩壊してしまったから
いずれは先代に魂も吸収されてしまうだろうけど
京四郎、お前の体はまだ無事…
先代の"血"が弱まりつつある今なら
私でもお前を先代の中から出し
元の体に戻せるかもしれない」
「そんな…」
「…京四郎
やさしい京四郎…どうか先代を許してやってほしい…
あの人は誰よりも…
誰よりも生きとし生ける者すべての倖せを願っていたんだよ
…君と同じようにーー」
「当代…」
「それから翼…
君の力は先代には吸収されていない」
『やっぱり…そうなんですね』
「この光は…やはり彼が君を助けてくれたんだね」
私が握りしめている
村正様に頂いた御守り
それを見て穏やかに微笑んだ
「君はいろんな人に助けられここまで来たんだね
それが分かっただけでもとても嬉しいよ
君は先代にもとても大事にされていたから」
『先代様が…』
「それってどういう意味」
「…時間がない
さあ…二人とももうお行き…」
紅の王が私達に手をかざしたとき
チンメイが割って入ってきた
「…そうはさせるかよっ!!」
「チンメイ!!キサ…ぐっ!!」
『京四郎さん!!』
「ふざけんな!!なんで京四郎だけ助かるんだ!!そんなコトさせねーぜっ
京四郎だっていずれどう生きたかなんて忘れるんだよ!!
オレのようになっ
だったら一緒に先代の一部になっちまおうぜっ♡
最高のたいくつしのぎだぜっ」
「チンメイ…!!お前
どこまで落ちれば気がすむんだよ…!!」
「…二番目(にいさん)あなたの死に様…
それでいいんですか?」
「はあ?」
「…たとえどう生きたか忘れてしまったとしても
…忘れたいほどつらいことがあったとしても…!!
どう死にゆくかはどう生き抜いたかの証…
最期まで…自分自身にウソをついていいんですか?」
「…どう生き抜いたか…だ…とお!?
忘れちまったさ
どう生きたかなんて…思い出せねえ…
っすべて…すべて…すべてっ」
『チ、チンメイ…』
顔は笑っているのに
彼の声はひどく悲しく聞こえた
「すべて!!
忘れちまっ………」
血の涙を流すチンメイの動きが一瞬止まった
そして京四郎さんに手をかざした
紅の王がしようとしたように
「チ…チンメイ…!?」
「京四郎、てめえは楽になんのは早すぎるんだよ!!
もっともっと現世で苦しんでくるがいい!!」
「…チンメイ!?お前…」
「…京四郎
…お前はあきれるほど純粋でどんくせえから
オレみてーになっちゃあいけねーんだよ…
オレみてーにならねーで…
死ぬまで朔夜を護ってやんな…」
「チンメ…い…いやだーっ!!
ボクだけ生きるなんて…!!
そんなコトできないよ…!!」
「ふざけんなガキか…
お前は俺達二人に生かされるんだ…
だから生きなきゃなんねえ!!
…命の限りな!!」
「さあ、翼もお行き」
『あっ…』
手をかざしかけたその人の手を
私はとっさに握ってしまった
『あの…』
「翼、自由は…みつかったかな?」
『…はい!あなたのお陰で…
かけがえのないものもたくさん見つかったよ…』
「そうか、もう私が気にかける必要もないね」
『あなたにずっと言いたいことがあったの』
「なんだい?」
叶うなら、側にいてほしい
もっとあなたを…
『ありがとう』
「その言葉を最期に聞けて私は幸せだよ
さあ自由な世界に羽ばたいておいで」
『行ってきます』
温かな光とともに私の大切な人は見えなくなった
_
狂と先代様の闘いはさらに激しさを増していった
どうすれば…
すると後ろに気配を感じた
それは懐かしくて、
温かくて
「翼…」
『!!
当代、紅の王様……?!』
「翼、久しぶりだね」
『どう、して…』
あの頃と変わらない当代"紅の王"…
その人は優しく私の頭を撫でてから
京四郎さんを起こした
「な…なぜあなたまでもが先代の中に…!?
あなたは あの時ボクの刃でー…」
「…あの時 私は完全に死んでいなかったんだ」
「え!?」
「あの後 先代があの場へやって来て
私の中の真の壬生一族の血肉を吸い取り
私は絶命した
…私は「紅十字」の四守護士の三番目だからね」
「せ…先代が!?」
「私は元より二番目の肉体は崩壊してしまったから
いずれは先代に魂も吸収されてしまうだろうけど
京四郎、お前の体はまだ無事…
先代の"血"が弱まりつつある今なら
私でもお前を先代の中から出し
元の体に戻せるかもしれない」
「そんな…」
「…京四郎
やさしい京四郎…どうか先代を許してやってほしい…
あの人は誰よりも…
誰よりも生きとし生ける者すべての倖せを願っていたんだよ
…君と同じようにーー」
「当代…」
「それから翼…
君の力は先代には吸収されていない」
『やっぱり…そうなんですね』
「この光は…やはり彼が君を助けてくれたんだね」
私が握りしめている
村正様に頂いた御守り
それを見て穏やかに微笑んだ
「君はいろんな人に助けられここまで来たんだね
それが分かっただけでもとても嬉しいよ
君は先代にもとても大事にされていたから」
『先代様が…』
「それってどういう意味」
「…時間がない
さあ…二人とももうお行き…」
紅の王が私達に手をかざしたとき
チンメイが割って入ってきた
「…そうはさせるかよっ!!」
「チンメイ!!キサ…ぐっ!!」
『京四郎さん!!』
「ふざけんな!!なんで京四郎だけ助かるんだ!!そんなコトさせねーぜっ
京四郎だっていずれどう生きたかなんて忘れるんだよ!!
オレのようになっ
だったら一緒に先代の一部になっちまおうぜっ♡
最高のたいくつしのぎだぜっ」
「チンメイ…!!お前
どこまで落ちれば気がすむんだよ…!!」
「…二番目(にいさん)あなたの死に様…
それでいいんですか?」
「はあ?」
「…たとえどう生きたか忘れてしまったとしても
…忘れたいほどつらいことがあったとしても…!!
どう死にゆくかはどう生き抜いたかの証…
最期まで…自分自身にウソをついていいんですか?」
「…どう生き抜いたか…だ…とお!?
忘れちまったさ
どう生きたかなんて…思い出せねえ…
っすべて…すべて…すべてっ」
『チ、チンメイ…』
顔は笑っているのに
彼の声はひどく悲しく聞こえた
「すべて!!
忘れちまっ………」
血の涙を流すチンメイの動きが一瞬止まった
そして京四郎さんに手をかざした
紅の王がしようとしたように
「チ…チンメイ…!?」
「京四郎、てめえは楽になんのは早すぎるんだよ!!
もっともっと現世で苦しんでくるがいい!!」
「…チンメイ!?お前…」
「…京四郎
…お前はあきれるほど純粋でどんくせえから
オレみてーになっちゃあいけねーんだよ…
オレみてーにならねーで…
死ぬまで朔夜を護ってやんな…」
「チンメ…い…いやだーっ!!
ボクだけ生きるなんて…!!
そんなコトできないよ…!!」
「ふざけんなガキか…
お前は俺達二人に生かされるんだ…
だから生きなきゃなんねえ!!
…命の限りな!!」
「さあ、翼もお行き」
『あっ…』
手をかざしかけたその人の手を
私はとっさに握ってしまった
『あの…』
「翼、自由は…みつかったかな?」
『…はい!あなたのお陰で…
かけがえのないものもたくさん見つかったよ…』
「そうか、もう私が気にかける必要もないね」
『あなたにずっと言いたいことがあったの』
「なんだい?」
叶うなら、側にいてほしい
もっとあなたを…
『ありがとう』
「その言葉を最期に聞けて私は幸せだよ
さあ自由な世界に羽ばたいておいで」
『行ってきます』
温かな光とともに私の大切な人は見えなくなった
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