紅の王編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
41【陰と陽】
翼が先代に連れていかれた
今すぐ助けにいきたいところだが
決して避けては通れない強敵
壬生京四郎
強い信念と真の壬生一族である狂の軀をもつ
この漢を倒さない限り上には進めない
壬生京四郎と狂の闘いが始まった
狂は無明神風流の奥義を放つも
京四郎は意図も簡単に相殺してしまった
「ねえ…狂ーーー
君は様子見なんかしている余裕はないはずだよ…
全力でかかってきなよ…
ツブしてやるから…!!」
息を切らす狂と違い、涼しい顔で京四郎はいい放った
「…君との勝負は四年前に一度ついている…
それに納得できないのであればもう一度ボクの勝利を歴史に刻もう
今度は君の死をもって…!!
もうボクに四年前の あの迷いはない!!
…"約束"を違えたのは君だ…狂
…"約束"したのに
二人で朔夜を守るって"約束"したのに
それなのに…
君に朔夜は斬らせない!!
朔夜の君への想いを無下にしただけじゃなく
命まで狙う君を…
ボクは今ここで斬るーー!!」
▽
四年前ーーー
朔夜は狂に自分を斬るよう懇願した
先代"紅の王"の心の蔵と同調している
未来見の巫女である自分の心臓を斬ることで
先代"紅の王"の命の刻を終わらせることができるかもしれないと…
狂と京四郎が争わなくていいのなら
自分を犠牲にしてでも…
狂は先代"紅の王"を斬ると言った
まだ力のない狂では先代"紅の王"ごと同調している朔夜も斬ることになる
それをさせないため
京四郎は狂と闘った
▽
京四郎は"王"が完全支配する世界で
最強の"力"で完全なる倖せを創りあげるために闘う
狂は強く儚く散っていった壬生一族のために力を振り絞り
真の"紅き眼"になるも
同じく真の"紅き眼"の京四郎の前でなすすべもなく地に伏した
▽
そんな様子を見ていた先代"紅の王"の前に現れた四方堂
《私が"悪"の道に走ったら正義の"鉄槌"を振り降ろし 私を斃してください》
と言った先代"紅の王"とのかつての約束を守るため
草薙剣で先代"紅の王"の胸を貫いた
だがそこに心の臓をはなかった
先代"紅の王"は光の刃を四方堂に刺そうとしたとき
ゆやが庇い一命をとりとめた
狂への強い想いを見せるゆやに
先代"紅の王"はゆやが未来見であると口にした
未来が見えているからこそ不確かなものも信じられるのだと
未来を欲しがる先代"紅の王"は
ゆやの心の臓を同調させた
怒りで体を動かす狂を呆気なく京四郎は貫いた
▽
気絶していた狂は
みんなの声に呼応して立ちあがり
"信念"で自分を突き動かした
そして狂は四神を同時発動し
もう一つの神風を
黄金色の神風を呼び
京四郎に大きなダメージを追わせ
京四郎の紅き眼さえも元に戻っていた
ボロボロになりながらも剣をかわし闘う狂と京四郎
血しぶきをあげながら倒れたのは狂だった
振り向いた京四郎は
京四郎ではなく狂だった
狂は自分の軀に戻っていた
倒れた狂、もとい本来の京四郎の軀に
朔夜と幸村とサスケが駆けつけていた
朔夜いわく、京四郎は
"紅の王"を継ぐと偽り先代から狂の軀を手に入れ
黄金色の神風を発現できるほどの高みへ昇らせるために
自分を犠牲にし、敵として狂の前に立ちはだかった
そして鬼の"血"に惑わされることなく
本当の強さを身につけた狂に軀を返した
すべては先代を斃すために
《狂…君の力になろう》
それは京四郎の命を懸けた狂への約束だった
「…テメェふざけんな!!
こんなことでテメェとオレの勝負がついたとでも思ってんのかよ!!
さっさと起きやがれ!!
ちんたら死んだフリなんざしてんじゃねーぞ!!オイ!!」
「き…狂!!まって…」
ドクン
すべてを語るように
京四郎の記憶をみんなに伝えるべく
"紫微垣"が光輝いた
▽
先代"紅の王"の血肉で造られた最高傑作である
壬生京四郎
先代"紅の王"の命により大勢の人を粛清してきた
そして謀反を犯した当代"紅の王"さえも手にかけたとき
その眼には一筋の涙が流れていた
それを見た朔夜は京四郎を連れて壬生から飛び出した
そこで出会ったのが鬼眼の狂だった
その漢は戦友のようであり親友のような存在となった
やがて優しい心を取り戻した京四郎は
人の為に、朔夜の為に生きることを決意した
倖せをつかみ始めた京四郎の前に現れたのは
チンメイだった
朔夜を殺すためにある人物が来ると告げた
命にかえて朔夜を護るため
刺客を斬った
しかし京四郎の眼に映ったものは
刺客ではなく椎名望だった
先代"紅の王"の秘密を知る椎名望を始末するための謀に引っ掛かってしまったのだった
目の前で最愛の京四郎が実の兄を斬り捨てた場面を見た朔夜
それでも京四郎を自由にするため
朔夜は先代"紅の王"と同調している
自分の心の臓を狂に斬るよう懇願した
狂は先代"紅の王"を斃す決意をした
京四郎は真の壬生一族として覚醒していない狂では朔夜を救えないと判断した
朔夜を護るため、朔夜を犠牲にして先代"紅の王"を斬らせないため
狂と闘うことを決意した
朔夜を護るためには
狂を斃し
真の壬生一族である狂の軀を奪い、
覚醒させて先代"紅の王"を斃す
しかし京四郎は狂を斬ることはできず
狂の軀を封印し
朔夜を幸村に任せ
残りの命を人のために使うことを誓ったのだった
▽
京四郎の体は死の病によって崩壊が始まった
それを救ったのは
覚醒した真の壬生一族である狂の血だった
それは京四郎の体の崩壊を止めみんなのキズを治した
「ボ…ボクはなんでーー
…君が助けてくれたのか…?」
狂は京四郎を殴り付け
京四郎は吹き飛んだ
「みんなのため!?
オレを高みにのぼらせるためだあ!?
…何様のつもりだてめえ…
けっきょくてめえは四年前から何一つかわっちゃいねえ…
人のお膳立てする前に一番やらなきゃなんねーことがあるはずなのに
何が【あとは頼む】だ
テメーが一番自分勝手なんだよ!!」
「…勝手なもんか…
先代を斃すこともゆやさんを救い出し
みんなを護ることも
…朔夜を護ることもボクにはできない…
資格もないんだよ…!!
君にしかできないことなんだよ…!!」
「…京四郎さん」
「じゃぁこの女の気持ちはどうなるんだ」
《京を…あの人を自由にしてあげたい…》
「護る資格があるかないかなんて
テメーで勝手に決めつけてんじゃねーよ
その前に この女が誰の側にいたいのか考えろ…!!」
「狂…」
「さ…朔夜が…?
…だってボクは取り返しのつかないことを…」
朔夜は少し驚いたあと
優しく微笑んだ
「…あれから何度か季節が巡って…
桜も何度か咲いて…
そのたび色んなコトを考えて…
悲しんだり
後悔したり
懐かしんだり…
…でもいつも必ず最後に思うのは…
となりに…京四郎がいたらなぁって…」
「さ…朔夜…
ゆ…許してくれるの?このボクを…?
どうしてそんなにやさしいの…?
ボクの手は血で汚れて…
とり返しのつかないことを…」
血に汚れているという京四郎の手を
朔夜は迷いなく握った
「一緒に…
あなたの進む道をついていってもいいですか?」
「…うんっ」
朔夜と京四郎の気持ちはやっと交差することができた
「狂…
君が留めてくれたこの命…
残された時間 必ず朔夜を護るよ
その側で…
…ありがとう狂…」
「…しらねーよ」
狂も柔らかく口許を緩めた
狂と京四郎は和解し
すぐに前のような関係に戻りじゃれあっていた
その様子に気分の和んだ一行だった
が
「…やあ
なかなか楽しい会話だねぇ
聞いていたこっちも楽しくなってしまったよ…」
重苦しく体にまとわりつくような
おぞましい邪気がみんなに絡み付いた
紅の塔の最上階から発したのは先代"紅の王"だった
「…私もまぜてもらおうかなぁ…?
友が多いことはいいことだ
人を信じることも
命懸けの信念も
希望を持つことも
とても倖せなこと
楽しい思い出になる
…ただ一つだけ君達は罪を犯した
神の意に背くという罪を…
だから与えなくてはならない…
罰を
」
先代"紅の王"は自分の血を光に混ぜ
各地に放った
その血は形を変え、命つきることのない兵士になった
対抗できるのは
同じ真の壬生一族の血をもつ者と
妖刀・村正のみ
先代"紅の王"は京四郎を呪縛し光の矢で貫こうとした
それを狂は素手で受け止めた
「…てめぇは
てめぇだけは必ずブッ斃す!!」
「…面白いことを言うね…」
「…狂!!」
先代"紅の王"は不適な笑みを浮かべてゆやを引き寄せた
「きゃあ!!」
「…でもこの未来は私のものだよ?」
「ち…ちがうわ!!私は未来見なんかできな…」
「チンクシャー!!
まってろ
すぐに行く」
「…うんっ」
狂の言葉にゆやは涙を止め強い眼差しで見つめ返した
先代"紅の王"は用済みとなった朔夜を苦しませた
そして気を失っている翼を抱え
ゆやを引き寄せつつ、去り際に
動かなくなった壬生一族たちに攻撃を仕掛けた
それを阻止したのは四聖天の3人だった
「ここは私らにまかせなっ!!」
「たとえこの先代の血の兵士達を斃せずとも
ほたる達を護ることくらいならできます!!」
「アキラ!!あんさん何言うとんねん!!
梵はん達はまだしも
あんさんはもう闘える体じゃ…」
「護りたいんです!!
…失いたくないんです…
もう誰一人
壬生で…生まれて初めて見つけた気がするんです
命を懸けて護りたいものを…
だから行ってください!!
あなた方も護りたいもののために…!!
そして悔しいですが、私たちの代わりに翼を救ってきてください…!!」
「元々 狂のサポートは四聖天の役目…
壬生一族と朔夜はオレ達が護る
だから妖刀・村正を持つトラ・幸村・サスケは
狂のために道を開いてやってくれや!!」
「ぼ…梵ちゃん…」
「京四郎 狂を頼むよ!!
助けてやれんのはあんたも同じだ
そして…ゆやちゃんと翼を必ず救っておくれね!!」
「…はいっ!!」
「狂…必ず先代を斃して戻ってきてください
…今はムリですが
…もうあなたの次に強い漢を目指すなんて言いません…
いつか必ずキズを完治させ
今よりはるかに強くなって
あなたを超えてみせます!!
あなたに勝って!!
だから無事に戻ってきてくださいね」
「…面白ェ
首洗ってまってろよ
必ず戻って死合ってやんぜ
だからアキラ おめーも死ぬんじゃねーぞ!!」
「さあ!!行ってこい総大将!!」
「狂!!ゆやちゃんと翼を連れて
全員で生きて帰るんだよ!!」
「…狂さん」
「鬼眼の狂…」
「狂はん!!」
「…行こう 狂…!!」
「…ああ」
大切なものを護るために
生きて帰るために
先代"紅の王"を斃すーー!!
_
翼が先代に連れていかれた
今すぐ助けにいきたいところだが
決して避けては通れない強敵
壬生京四郎
強い信念と真の壬生一族である狂の軀をもつ
この漢を倒さない限り上には進めない
壬生京四郎と狂の闘いが始まった
狂は無明神風流の奥義を放つも
京四郎は意図も簡単に相殺してしまった
「ねえ…狂ーーー
君は様子見なんかしている余裕はないはずだよ…
全力でかかってきなよ…
ツブしてやるから…!!」
息を切らす狂と違い、涼しい顔で京四郎はいい放った
「…君との勝負は四年前に一度ついている…
それに納得できないのであればもう一度ボクの勝利を歴史に刻もう
今度は君の死をもって…!!
もうボクに四年前の あの迷いはない!!
…"約束"を違えたのは君だ…狂
…"約束"したのに
二人で朔夜を守るって"約束"したのに
それなのに…
君に朔夜は斬らせない!!
朔夜の君への想いを無下にしただけじゃなく
命まで狙う君を…
ボクは今ここで斬るーー!!」
▽
四年前ーーー
朔夜は狂に自分を斬るよう懇願した
先代"紅の王"の心の蔵と同調している
未来見の巫女である自分の心臓を斬ることで
先代"紅の王"の命の刻を終わらせることができるかもしれないと…
狂と京四郎が争わなくていいのなら
自分を犠牲にしてでも…
狂は先代"紅の王"を斬ると言った
まだ力のない狂では先代"紅の王"ごと同調している朔夜も斬ることになる
それをさせないため
京四郎は狂と闘った
▽
京四郎は"王"が完全支配する世界で
最強の"力"で完全なる倖せを創りあげるために闘う
狂は強く儚く散っていった壬生一族のために力を振り絞り
真の"紅き眼"になるも
同じく真の"紅き眼"の京四郎の前でなすすべもなく地に伏した
▽
そんな様子を見ていた先代"紅の王"の前に現れた四方堂
《私が"悪"の道に走ったら正義の"鉄槌"を振り降ろし 私を斃してください》
と言った先代"紅の王"とのかつての約束を守るため
草薙剣で先代"紅の王"の胸を貫いた
だがそこに心の臓をはなかった
先代"紅の王"は光の刃を四方堂に刺そうとしたとき
ゆやが庇い一命をとりとめた
狂への強い想いを見せるゆやに
先代"紅の王"はゆやが未来見であると口にした
未来が見えているからこそ不確かなものも信じられるのだと
未来を欲しがる先代"紅の王"は
ゆやの心の臓を同調させた
怒りで体を動かす狂を呆気なく京四郎は貫いた
▽
気絶していた狂は
みんなの声に呼応して立ちあがり
"信念"で自分を突き動かした
そして狂は四神を同時発動し
もう一つの神風を
黄金色の神風を呼び
京四郎に大きなダメージを追わせ
京四郎の紅き眼さえも元に戻っていた
ボロボロになりながらも剣をかわし闘う狂と京四郎
血しぶきをあげながら倒れたのは狂だった
振り向いた京四郎は
京四郎ではなく狂だった
狂は自分の軀に戻っていた
倒れた狂、もとい本来の京四郎の軀に
朔夜と幸村とサスケが駆けつけていた
朔夜いわく、京四郎は
"紅の王"を継ぐと偽り先代から狂の軀を手に入れ
黄金色の神風を発現できるほどの高みへ昇らせるために
自分を犠牲にし、敵として狂の前に立ちはだかった
そして鬼の"血"に惑わされることなく
本当の強さを身につけた狂に軀を返した
すべては先代を斃すために
《狂…君の力になろう》
それは京四郎の命を懸けた狂への約束だった
「…テメェふざけんな!!
こんなことでテメェとオレの勝負がついたとでも思ってんのかよ!!
さっさと起きやがれ!!
ちんたら死んだフリなんざしてんじゃねーぞ!!オイ!!」
「き…狂!!まって…」
ドクン
すべてを語るように
京四郎の記憶をみんなに伝えるべく
"紫微垣"が光輝いた
▽
先代"紅の王"の血肉で造られた最高傑作である
壬生京四郎
先代"紅の王"の命により大勢の人を粛清してきた
そして謀反を犯した当代"紅の王"さえも手にかけたとき
その眼には一筋の涙が流れていた
それを見た朔夜は京四郎を連れて壬生から飛び出した
そこで出会ったのが鬼眼の狂だった
その漢は戦友のようであり親友のような存在となった
やがて優しい心を取り戻した京四郎は
人の為に、朔夜の為に生きることを決意した
倖せをつかみ始めた京四郎の前に現れたのは
チンメイだった
朔夜を殺すためにある人物が来ると告げた
命にかえて朔夜を護るため
刺客を斬った
しかし京四郎の眼に映ったものは
刺客ではなく椎名望だった
先代"紅の王"の秘密を知る椎名望を始末するための謀に引っ掛かってしまったのだった
目の前で最愛の京四郎が実の兄を斬り捨てた場面を見た朔夜
それでも京四郎を自由にするため
朔夜は先代"紅の王"と同調している
自分の心の臓を狂に斬るよう懇願した
狂は先代"紅の王"を斃す決意をした
京四郎は真の壬生一族として覚醒していない狂では朔夜を救えないと判断した
朔夜を護るため、朔夜を犠牲にして先代"紅の王"を斬らせないため
狂と闘うことを決意した
朔夜を護るためには
狂を斃し
真の壬生一族である狂の軀を奪い、
覚醒させて先代"紅の王"を斃す
しかし京四郎は狂を斬ることはできず
狂の軀を封印し
朔夜を幸村に任せ
残りの命を人のために使うことを誓ったのだった
▽
京四郎の体は死の病によって崩壊が始まった
それを救ったのは
覚醒した真の壬生一族である狂の血だった
それは京四郎の体の崩壊を止めみんなのキズを治した
「ボ…ボクはなんでーー
…君が助けてくれたのか…?」
狂は京四郎を殴り付け
京四郎は吹き飛んだ
「みんなのため!?
オレを高みにのぼらせるためだあ!?
…何様のつもりだてめえ…
けっきょくてめえは四年前から何一つかわっちゃいねえ…
人のお膳立てする前に一番やらなきゃなんねーことがあるはずなのに
何が【あとは頼む】だ
テメーが一番自分勝手なんだよ!!」
「…勝手なもんか…
先代を斃すこともゆやさんを救い出し
みんなを護ることも
…朔夜を護ることもボクにはできない…
資格もないんだよ…!!
君にしかできないことなんだよ…!!」
「…京四郎さん」
「じゃぁこの女の気持ちはどうなるんだ」
《京を…あの人を自由にしてあげたい…》
「護る資格があるかないかなんて
テメーで勝手に決めつけてんじゃねーよ
その前に この女が誰の側にいたいのか考えろ…!!」
「狂…」
「さ…朔夜が…?
…だってボクは取り返しのつかないことを…」
朔夜は少し驚いたあと
優しく微笑んだ
「…あれから何度か季節が巡って…
桜も何度か咲いて…
そのたび色んなコトを考えて…
悲しんだり
後悔したり
懐かしんだり…
…でもいつも必ず最後に思うのは…
となりに…京四郎がいたらなぁって…」
「さ…朔夜…
ゆ…許してくれるの?このボクを…?
どうしてそんなにやさしいの…?
ボクの手は血で汚れて…
とり返しのつかないことを…」
血に汚れているという京四郎の手を
朔夜は迷いなく握った
「一緒に…
あなたの進む道をついていってもいいですか?」
「…うんっ」
朔夜と京四郎の気持ちはやっと交差することができた
「狂…
君が留めてくれたこの命…
残された時間 必ず朔夜を護るよ
その側で…
…ありがとう狂…」
「…しらねーよ」
狂も柔らかく口許を緩めた
狂と京四郎は和解し
すぐに前のような関係に戻りじゃれあっていた
その様子に気分の和んだ一行だった
が
「…やあ
なかなか楽しい会話だねぇ
聞いていたこっちも楽しくなってしまったよ…」
重苦しく体にまとわりつくような
おぞましい邪気がみんなに絡み付いた
紅の塔の最上階から発したのは先代"紅の王"だった
「…私もまぜてもらおうかなぁ…?
友が多いことはいいことだ
人を信じることも
命懸けの信念も
希望を持つことも
とても倖せなこと
楽しい思い出になる
…ただ一つだけ君達は罪を犯した
神の意に背くという罪を…
だから与えなくてはならない…
罰を
」
先代"紅の王"は自分の血を光に混ぜ
各地に放った
その血は形を変え、命つきることのない兵士になった
対抗できるのは
同じ真の壬生一族の血をもつ者と
妖刀・村正のみ
先代"紅の王"は京四郎を呪縛し光の矢で貫こうとした
それを狂は素手で受け止めた
「…てめぇは
てめぇだけは必ずブッ斃す!!」
「…面白いことを言うね…」
「…狂!!」
先代"紅の王"は不適な笑みを浮かべてゆやを引き寄せた
「きゃあ!!」
「…でもこの未来は私のものだよ?」
「ち…ちがうわ!!私は未来見なんかできな…」
「チンクシャー!!
まってろ
すぐに行く」
「…うんっ」
狂の言葉にゆやは涙を止め強い眼差しで見つめ返した
先代"紅の王"は用済みとなった朔夜を苦しませた
そして気を失っている翼を抱え
ゆやを引き寄せつつ、去り際に
動かなくなった壬生一族たちに攻撃を仕掛けた
それを阻止したのは四聖天の3人だった
「ここは私らにまかせなっ!!」
「たとえこの先代の血の兵士達を斃せずとも
ほたる達を護ることくらいならできます!!」
「アキラ!!あんさん何言うとんねん!!
梵はん達はまだしも
あんさんはもう闘える体じゃ…」
「護りたいんです!!
…失いたくないんです…
もう誰一人
壬生で…生まれて初めて見つけた気がするんです
命を懸けて護りたいものを…
だから行ってください!!
あなた方も護りたいもののために…!!
そして悔しいですが、私たちの代わりに翼を救ってきてください…!!」
「元々 狂のサポートは四聖天の役目…
壬生一族と朔夜はオレ達が護る
だから妖刀・村正を持つトラ・幸村・サスケは
狂のために道を開いてやってくれや!!」
「ぼ…梵ちゃん…」
「京四郎 狂を頼むよ!!
助けてやれんのはあんたも同じだ
そして…ゆやちゃんと翼を必ず救っておくれね!!」
「…はいっ!!」
「狂…必ず先代を斃して戻ってきてください
…今はムリですが
…もうあなたの次に強い漢を目指すなんて言いません…
いつか必ずキズを完治させ
今よりはるかに強くなって
あなたを超えてみせます!!
あなたに勝って!!
だから無事に戻ってきてくださいね」
「…面白ェ
首洗ってまってろよ
必ず戻って死合ってやんぜ
だからアキラ おめーも死ぬんじゃねーぞ!!」
「さあ!!行ってこい総大将!!」
「狂!!ゆやちゃんと翼を連れて
全員で生きて帰るんだよ!!」
「…狂さん」
「鬼眼の狂…」
「狂はん!!」
「…行こう 狂…!!」
「…ああ」
大切なものを護るために
生きて帰るために
先代"紅の王"を斃すーー!!
_