太四老編
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31【四つのトビラ】
陰陽殿につながる四つのトビラの前についた
陰陽殿に入ることができるのはこの中で一つだけ…
効率がいいように四つに別れて同時に突き進むことにした
のだけど…
「なんで狂はんのトコだけそないに人がまとまっとんのや!?」
肆のトビラにはサスケくん
参のトビラにはゆやさんとトラさん
弐のトビラにはボンちゃん
壱のトビラには狂と他全員が並んだ
『私は他のトビラでも…』
「翼はオレと一緒じゃなきゃダメ」
『でも…』
ほたるが離してくれず
他でもやいやいとやり取りが行われてる
賑やかだなぁと見ていると
サスケくんがポツリと呟いた
「…どーでもいーけどよ…
時間…なくなるぜ…?」
サスケくんが一番大人に見える…
幸村さんいい仲間をもったね…
▽
結局くじ引きで決めることになった
その方が平和的で速いかも
その結果…
肆のトビラは狂とボンちゃんと私
参のトビラはサスケくんと阿国さん
弐のトビラは灯ちゃんとゆやさん
壱のトビラはほたるとアキラとトラさん
アキラとトラさんは納得いかないみたいでまだ口喧嘩中…
あれはあれで仲良い気がするんだけど…
「ねえちゃん」
「な…なに!?サスケ君」
「ホントにいーのかよ 弐のトビラで
…その…大丈夫なのかよ?」
「…大丈夫よっ」
『私…代わろうか?
肆のトビラなら狂もボンちゃんもいるし…』
「翼まで…大丈夫よ、ありがと」
そういってゆやさんはキズ薬を分けにいった
『とはいっても…ねぇ…』
やっぱりサスケくんも気になるみたい
でも
「心配いらねーよ
あいつはもう一人で大丈夫だろ」
狂がそういうもんだから
大丈夫だろうなって思えた
▽
身支度を整えあとは門へと向かうのみ
「じゃあとにかく
陰陽殿につながる道にぶちあたった人たちは
なんらかの合図をしたあと迷わず進むこと!!
そしてなんとしても信長復活を阻止し
狂の軀をとり返す!!」
「どこが当たりでもうらみっこなしですわね」
「…何が待ってるか楽しみだぜ…」
「誰であろうとすべてを無に帰すのみ」
「…やるしかないわねーてきとーに」
「みんな達者でなっ!!」
「…無事でいろよ…」
「…うん」
『みんな、気をつけてね』
「行くぜ…
また…あとでなーー…」
▽
ゆやと灯の進む
弐のトビラの先では
十二神将のサンテラがクライム・モンスターで羽化したが
灯が“排気光”により元の姿に戻した
そして真の十二神将であるメキラが
サンテラとゆやを石化したが
灯が壬生一族から譲り受けた
本物の“悪魔の眼”により
一瞬で勝負は決まった
そして、現れたシャトラは
死んだはずの椎名望だった
▽
サスケと阿国の進む
参のトビラの先では
サスケのかつての親友である小太郎が
十二神将のマコラとして立ちはだかった
できそこないである小太郎は燃え尽きようとしている命にムチをうち
クライム・モンスターによって全身を強化していた
親友を二度も手にかけられないと
殺されてもいいと思っていたサスケだが
託されたたくさんのできそこない達の命や希望を背負い
闘うことを選択した
サスケと小太郎を過去に引き裂いた原因は
真の十二神将のインダラであることが発覚した
壬生再臨計画で生まれた希少種であるサスケは覚醒し
眼は真紅に輝く
雷を操りインダラを塵と化した
そして幼い頃からの誓いである“友情の証”にずっと一緒にいることを約束し
小太郎は風に流され消え逝った
残ったのは壬生再臨計画の謎
“真紅の眼”をもつものが
サスケと狂と先代“紅の王”と翼の四人
すべての謎を握っているのはやはり先代“紅の王”だということだ
▽
アキラと紅虎とほたるの進む
壱のトビラの先では
真の十二神将のクビラが待ち構えていた
クビラは変幻術を扱い
一番強く“想う”相手に変幻し
その想う通りの姿・形・性格・強さになる
そうして変幻したのが四年前の最強を謳った鬼眼の狂
闘いを挑んだアキラは壁を、狂への“想い”を越えてみせた
敗北寸前のクビラを見たアンテラは
自身にクライム・モンスターを打ち込んだ
それは真の姿をさらけ出させる効果があり
「死の病」を発症した年齢まで戻ってしまった
上流階級の家柄であるクビラは
アンテラと名乗っていたその娘の杏樹が「死の病」を発症してしまい
すべてを捨ててでも杏樹の命を救うために
ひしぎと取引をしていた
絶対的な勝利を手にしたいアキラは
クビラ親子に命ある限り生き抜くことが命の証としてふさわしいと
戦利品である髪の束を手にした
そこに灯達が現れアンテラは元の姿に戻るが
記憶はなく、ただの子どもに戻ってしまった
創られし者であるクビラは体が崩れるが
一番大切なものは守られたと穏やかに逝った
愛する娘の倖せのために自らの命を燃やし尽くした烈火のサムライは
アキラの心の中に焼き付いた
▽
狂と梵天丸と翼の進む
肆のトビラの先には
圧倒的な存在感で
陰陽殿への入り口がそびえ立っていた
門を開けようとする梵天丸を制したのは
死なずのシンダラと真の十二神将のハイラだった
ハイラは梵天丸に喧嘩を売り
闘いが始まろうとしたとき
陰陽殿への入り口が開き
でてきたのは…
『幸村さん…?』
「やあ みんな 待たせたね…」
「幸村…」
「これはこれはみなさんおそろいで」
「…んだあ?この裏切り者…
今はな!!この梵天丸様個人の華々しい初戦の幕あけなんだ!!
待ちに待った出番なんだ!!
邪魔すんなっ!!」
「あ そーなの ゴメーン 梵ちゃん
でもね ひっこむわけにはいかないんだ」
「あん!?」
「なぜなら
ボク…狂さんを斃しにきたんだから」
「…」
「ごめんね…いろいろ事情があってね
そういうことになっちゃった
…受けてくれるよね?狂さん…?」
「その必要はありません…」
二人の話に割って入ったのはシンダラだった
昔仕えていた主と部下である関係の二人の間には
決して穏やかとは言えない雰囲気が流れていた
そして闘いを待つことのできないハイラが口を挟み
ようやくハイラと梵天丸との闘いが始まった
しりとりをしながら技を出すゲームに苦戦する梵天丸
ことわざで応戦する梵天丸に反撃をくらったハイラ
観客はいまいち盛り上がっていない……
ハイラが変身し、パワーアップした力の差に
地に伏した梵天丸だったが
内に眠る最強の“獣”が目を覚まし
100%の力を出したハイラを一撃で仕留めた
「四聖天・梵天丸は人に非ず…
奴は人を超えた本能の塊…“獣”だってな」
標的を変え霧隠才蔵に走り寄る梵天丸を止めたのは
「お手。」
狂のお手だった
『か、かわいい…ボンちゃん…』
「さっすが狂さんっ♡
やっぱり四聖天は狂さんには逆らえないんだねっ」
▽
狂と幸村の闘いに釘をさしたのはシンダラだった
時人の占いでは
真田幸村は天下をとることなくこの先十余年で死ぬ…と
しかし幸村はその予言を笑い飛ばした
「たとえ一秒後に死ぬとわかっていても…
ボクは己の歩みを止めたりはしない…
…だって つまらないでしょ?
たった一度の人生思いっきり楽しまないとさ」
そう告げた真田幸村と
かつて猿飛佐助と呼ばれ真田十勇士の長であり親友でもあるシンダラとの闘いが始まった
スキだらけな佐助を切る気のない幸村だったが
“神”(太四老)に魂を売った時から超再生能力を、不死身の体を手にいれたと
貫いた刃の跡はなくなっていた
様々な技に苦戦する幸村だったが
それでも本気で闘うことはなかった
ーーまだ信じている
そんな幸村を蹴り飛ばし佐助は刃を突き立てた
その刃は幸村ではなく
真田十勇士が一人、幸村の影武者である穴山小助だった
そして真田十勇士の根津甚八と由利鎌之助が現れた
幸村の代わりに才蔵と共に闘うも
佐助の前に崩れ落ちた
その様子を見た幸村は本気を出す
佐助の超再生能力をも越える速度をだす“鶺鴒眼”
佐助は地に伏した
幸村は十勇士を侮辱したことへの謝罪を要求するも挑発にのり
佐助を斬ろうとしたとき小助が庇った
佐助は幸村のために壬生一族の配下になったのだと
“この命果てようとも永遠に真田幸村様とともに”ーー
たとえ歩む道が違えどその志は十勇士と同じだ…とーーー
その無器用な“忠義”に応えるため
佐助の後を追うことはなく幸村はその場に留まった
▽
それからみんなが追い付いてきてますます賑やかになった
和やかムードも一変
幸村さんは狂がすべての目的を達成したあと
"紅の王"となり壬生側につくのか
それとも壬生の敵のままなのか尋ねた
もし"紅の王"を継ぎ目障りな存在となるなら
この場で斬るとーーー
狂はこのケンカを買い
死合って死ななければ答えを教えると言い
二人は命懸けで"遊び"始めた
▽
大技対決の末、互角に終わった
かつての「一歩の差」を0に縮めた幸村さん
死んでないからと、出した狂の答えは
「オレは『壬生の地』に先代"紅の王"とのケリをつけるためにやってきた…
"紅の王"の座になんざ興味ねーよ」
その一言で命がけの"遊び"は幕をおろした
▽
灯ちゃんが幸村さん達を治療したお礼に
十勇士のみんなが熊なべをご馳走してくれた
まるまる入ってるくまさん…
ちょっと食べるの勇気いるかも…
「翼♡食べないのかい?」
『くまさん…のお顔を見えるとなかなか…』
「そっかー、じゃぁ食べさせちゃえー♡」
『ぇ、むぐ!』
唐突に口に入れられた熊なべ
荒々しい見た目とはちがい優しく力強い味だった
『鎌之助さん、美味しいです』
「んだべ!翼!ずっぱり食ってけれー」
「はい、あーん♡」
『あむ、ゆきむひゃひゃん』
「なーに?♡」
『自分で食べられますよ?』
「だって餌付けしてるみたいで可愛いんだもの♡」
「翼、今すぐその漢から離れることをおすすめします」
「いいじゃないかー!それよりゆやさん…」
他の話を始めたみんなを見ながら熊なべを食べていると
すぐ隣から視線を感じた
くまさんを撫でてるほたる…
やっぱり食べにくいかも…
そう思ってるとゆやさんが盛大に鍋をひっくり返した
もう手に持ってる分しか残っていない
『ほたるも、一緒に食べよ?無くなっちゃったし』
「いらない…」
『くまさんはきっと食べたくないでしょ、お野菜だから』
「…」
『ほら、先に進むためにも元気つけとかないと』
「あー」
『どーぞ』
ほたるにあーんをしていると
急に周りが静かになった
「ホントにほたるは翼からもらうものしか食べないわね」
「昔、私が持っていった食べ物も目の前で捨てましたしね」
「酒ならまだ飲むけどな」
「『そう?』」
「自覚なしかよ」
「そうなんだー、翼ってばモテモテなんだねー♡
でも、翼はボクのところにお嫁にくるんだよね♡」
ぴく
『へ?』
「どういうことなの?!翼!!」
「どういうことですか?!ちゃんと答えてください!!」
「翼はんと幸村はん…そういう仲やったんか…」
「おい、幸村!お前に翼はやらねぇぞ!!」
「ボンちゃんが決めることじゃないでショー?」
「…」
『覚えてない…』
幸村さんをにらみつけてるみんな…
それでも楽しそうに笑う幸村さん
するとサスケくんが教えてくれた
「気にすることないぜ」
『え?』
「昔翼が来て昼寝してたとき
幸村が嫁に来てほしいなって言ったのに
翼が寝言で返事しただけだから」
「なんだよそれ…」
「非常にイタい人ですね…」
『そんなこともあったんだねー』
「お嫁に来てほしいのはホントだよ♡
でも翼はみんなに愛されてるのが分かったから
とりあえずこの件はすべてのカタがつくまで保留ね」
こんな和やかさがいつまでも続けばいいのに
でも先を急がなくてはいけない
幸村さんたちは一足先に陰陽殿へと入っていった
_
陰陽殿につながる四つのトビラの前についた
陰陽殿に入ることができるのはこの中で一つだけ…
効率がいいように四つに別れて同時に突き進むことにした
のだけど…
「なんで狂はんのトコだけそないに人がまとまっとんのや!?」
肆のトビラにはサスケくん
参のトビラにはゆやさんとトラさん
弐のトビラにはボンちゃん
壱のトビラには狂と他全員が並んだ
『私は他のトビラでも…』
「翼はオレと一緒じゃなきゃダメ」
『でも…』
ほたるが離してくれず
他でもやいやいとやり取りが行われてる
賑やかだなぁと見ていると
サスケくんがポツリと呟いた
「…どーでもいーけどよ…
時間…なくなるぜ…?」
サスケくんが一番大人に見える…
幸村さんいい仲間をもったね…
▽
結局くじ引きで決めることになった
その方が平和的で速いかも
その結果…
肆のトビラは狂とボンちゃんと私
参のトビラはサスケくんと阿国さん
弐のトビラは灯ちゃんとゆやさん
壱のトビラはほたるとアキラとトラさん
アキラとトラさんは納得いかないみたいでまだ口喧嘩中…
あれはあれで仲良い気がするんだけど…
「ねえちゃん」
「な…なに!?サスケ君」
「ホントにいーのかよ 弐のトビラで
…その…大丈夫なのかよ?」
「…大丈夫よっ」
『私…代わろうか?
肆のトビラなら狂もボンちゃんもいるし…』
「翼まで…大丈夫よ、ありがと」
そういってゆやさんはキズ薬を分けにいった
『とはいっても…ねぇ…』
やっぱりサスケくんも気になるみたい
でも
「心配いらねーよ
あいつはもう一人で大丈夫だろ」
狂がそういうもんだから
大丈夫だろうなって思えた
▽
身支度を整えあとは門へと向かうのみ
「じゃあとにかく
陰陽殿につながる道にぶちあたった人たちは
なんらかの合図をしたあと迷わず進むこと!!
そしてなんとしても信長復活を阻止し
狂の軀をとり返す!!」
「どこが当たりでもうらみっこなしですわね」
「…何が待ってるか楽しみだぜ…」
「誰であろうとすべてを無に帰すのみ」
「…やるしかないわねーてきとーに」
「みんな達者でなっ!!」
「…無事でいろよ…」
「…うん」
『みんな、気をつけてね』
「行くぜ…
また…あとでなーー…」
▽
ゆやと灯の進む
弐のトビラの先では
十二神将のサンテラがクライム・モンスターで羽化したが
灯が“排気光”により元の姿に戻した
そして真の十二神将であるメキラが
サンテラとゆやを石化したが
灯が壬生一族から譲り受けた
本物の“悪魔の眼”により
一瞬で勝負は決まった
そして、現れたシャトラは
死んだはずの椎名望だった
▽
サスケと阿国の進む
参のトビラの先では
サスケのかつての親友である小太郎が
十二神将のマコラとして立ちはだかった
できそこないである小太郎は燃え尽きようとしている命にムチをうち
クライム・モンスターによって全身を強化していた
親友を二度も手にかけられないと
殺されてもいいと思っていたサスケだが
託されたたくさんのできそこない達の命や希望を背負い
闘うことを選択した
サスケと小太郎を過去に引き裂いた原因は
真の十二神将のインダラであることが発覚した
壬生再臨計画で生まれた希少種であるサスケは覚醒し
眼は真紅に輝く
雷を操りインダラを塵と化した
そして幼い頃からの誓いである“友情の証”にずっと一緒にいることを約束し
小太郎は風に流され消え逝った
残ったのは壬生再臨計画の謎
“真紅の眼”をもつものが
サスケと狂と先代“紅の王”と翼の四人
すべての謎を握っているのはやはり先代“紅の王”だということだ
▽
アキラと紅虎とほたるの進む
壱のトビラの先では
真の十二神将のクビラが待ち構えていた
クビラは変幻術を扱い
一番強く“想う”相手に変幻し
その想う通りの姿・形・性格・強さになる
そうして変幻したのが四年前の最強を謳った鬼眼の狂
闘いを挑んだアキラは壁を、狂への“想い”を越えてみせた
敗北寸前のクビラを見たアンテラは
自身にクライム・モンスターを打ち込んだ
それは真の姿をさらけ出させる効果があり
「死の病」を発症した年齢まで戻ってしまった
上流階級の家柄であるクビラは
アンテラと名乗っていたその娘の杏樹が「死の病」を発症してしまい
すべてを捨ててでも杏樹の命を救うために
ひしぎと取引をしていた
絶対的な勝利を手にしたいアキラは
クビラ親子に命ある限り生き抜くことが命の証としてふさわしいと
戦利品である髪の束を手にした
そこに灯達が現れアンテラは元の姿に戻るが
記憶はなく、ただの子どもに戻ってしまった
創られし者であるクビラは体が崩れるが
一番大切なものは守られたと穏やかに逝った
愛する娘の倖せのために自らの命を燃やし尽くした烈火のサムライは
アキラの心の中に焼き付いた
▽
狂と梵天丸と翼の進む
肆のトビラの先には
圧倒的な存在感で
陰陽殿への入り口がそびえ立っていた
門を開けようとする梵天丸を制したのは
死なずのシンダラと真の十二神将のハイラだった
ハイラは梵天丸に喧嘩を売り
闘いが始まろうとしたとき
陰陽殿への入り口が開き
でてきたのは…
『幸村さん…?』
「やあ みんな 待たせたね…」
「幸村…」
「これはこれはみなさんおそろいで」
「…んだあ?この裏切り者…
今はな!!この梵天丸様個人の華々しい初戦の幕あけなんだ!!
待ちに待った出番なんだ!!
邪魔すんなっ!!」
「あ そーなの ゴメーン 梵ちゃん
でもね ひっこむわけにはいかないんだ」
「あん!?」
「なぜなら
ボク…狂さんを斃しにきたんだから」
「…」
「ごめんね…いろいろ事情があってね
そういうことになっちゃった
…受けてくれるよね?狂さん…?」
「その必要はありません…」
二人の話に割って入ったのはシンダラだった
昔仕えていた主と部下である関係の二人の間には
決して穏やかとは言えない雰囲気が流れていた
そして闘いを待つことのできないハイラが口を挟み
ようやくハイラと梵天丸との闘いが始まった
しりとりをしながら技を出すゲームに苦戦する梵天丸
ことわざで応戦する梵天丸に反撃をくらったハイラ
観客はいまいち盛り上がっていない……
ハイラが変身し、パワーアップした力の差に
地に伏した梵天丸だったが
内に眠る最強の“獣”が目を覚まし
100%の力を出したハイラを一撃で仕留めた
「四聖天・梵天丸は人に非ず…
奴は人を超えた本能の塊…“獣”だってな」
標的を変え霧隠才蔵に走り寄る梵天丸を止めたのは
「お手。」
狂のお手だった
『か、かわいい…ボンちゃん…』
「さっすが狂さんっ♡
やっぱり四聖天は狂さんには逆らえないんだねっ」
▽
狂と幸村の闘いに釘をさしたのはシンダラだった
時人の占いでは
真田幸村は天下をとることなくこの先十余年で死ぬ…と
しかし幸村はその予言を笑い飛ばした
「たとえ一秒後に死ぬとわかっていても…
ボクは己の歩みを止めたりはしない…
…だって つまらないでしょ?
たった一度の人生思いっきり楽しまないとさ」
そう告げた真田幸村と
かつて猿飛佐助と呼ばれ真田十勇士の長であり親友でもあるシンダラとの闘いが始まった
スキだらけな佐助を切る気のない幸村だったが
“神”(太四老)に魂を売った時から超再生能力を、不死身の体を手にいれたと
貫いた刃の跡はなくなっていた
様々な技に苦戦する幸村だったが
それでも本気で闘うことはなかった
ーーまだ信じている
そんな幸村を蹴り飛ばし佐助は刃を突き立てた
その刃は幸村ではなく
真田十勇士が一人、幸村の影武者である穴山小助だった
そして真田十勇士の根津甚八と由利鎌之助が現れた
幸村の代わりに才蔵と共に闘うも
佐助の前に崩れ落ちた
その様子を見た幸村は本気を出す
佐助の超再生能力をも越える速度をだす“鶺鴒眼”
佐助は地に伏した
幸村は十勇士を侮辱したことへの謝罪を要求するも挑発にのり
佐助を斬ろうとしたとき小助が庇った
佐助は幸村のために壬生一族の配下になったのだと
“この命果てようとも永遠に真田幸村様とともに”ーー
たとえ歩む道が違えどその志は十勇士と同じだ…とーーー
その無器用な“忠義”に応えるため
佐助の後を追うことはなく幸村はその場に留まった
▽
それからみんなが追い付いてきてますます賑やかになった
和やかムードも一変
幸村さんは狂がすべての目的を達成したあと
"紅の王"となり壬生側につくのか
それとも壬生の敵のままなのか尋ねた
もし"紅の王"を継ぎ目障りな存在となるなら
この場で斬るとーーー
狂はこのケンカを買い
死合って死ななければ答えを教えると言い
二人は命懸けで"遊び"始めた
▽
大技対決の末、互角に終わった
かつての「一歩の差」を0に縮めた幸村さん
死んでないからと、出した狂の答えは
「オレは『壬生の地』に先代"紅の王"とのケリをつけるためにやってきた…
"紅の王"の座になんざ興味ねーよ」
その一言で命がけの"遊び"は幕をおろした
▽
灯ちゃんが幸村さん達を治療したお礼に
十勇士のみんなが熊なべをご馳走してくれた
まるまる入ってるくまさん…
ちょっと食べるの勇気いるかも…
「翼♡食べないのかい?」
『くまさん…のお顔を見えるとなかなか…』
「そっかー、じゃぁ食べさせちゃえー♡」
『ぇ、むぐ!』
唐突に口に入れられた熊なべ
荒々しい見た目とはちがい優しく力強い味だった
『鎌之助さん、美味しいです』
「んだべ!翼!ずっぱり食ってけれー」
「はい、あーん♡」
『あむ、ゆきむひゃひゃん』
「なーに?♡」
『自分で食べられますよ?』
「だって餌付けしてるみたいで可愛いんだもの♡」
「翼、今すぐその漢から離れることをおすすめします」
「いいじゃないかー!それよりゆやさん…」
他の話を始めたみんなを見ながら熊なべを食べていると
すぐ隣から視線を感じた
くまさんを撫でてるほたる…
やっぱり食べにくいかも…
そう思ってるとゆやさんが盛大に鍋をひっくり返した
もう手に持ってる分しか残っていない
『ほたるも、一緒に食べよ?無くなっちゃったし』
「いらない…」
『くまさんはきっと食べたくないでしょ、お野菜だから』
「…」
『ほら、先に進むためにも元気つけとかないと』
「あー」
『どーぞ』
ほたるにあーんをしていると
急に周りが静かになった
「ホントにほたるは翼からもらうものしか食べないわね」
「昔、私が持っていった食べ物も目の前で捨てましたしね」
「酒ならまだ飲むけどな」
「『そう?』」
「自覚なしかよ」
「そうなんだー、翼ってばモテモテなんだねー♡
でも、翼はボクのところにお嫁にくるんだよね♡」
ぴく
『へ?』
「どういうことなの?!翼!!」
「どういうことですか?!ちゃんと答えてください!!」
「翼はんと幸村はん…そういう仲やったんか…」
「おい、幸村!お前に翼はやらねぇぞ!!」
「ボンちゃんが決めることじゃないでショー?」
「…」
『覚えてない…』
幸村さんをにらみつけてるみんな…
それでも楽しそうに笑う幸村さん
するとサスケくんが教えてくれた
「気にすることないぜ」
『え?』
「昔翼が来て昼寝してたとき
幸村が嫁に来てほしいなって言ったのに
翼が寝言で返事しただけだから」
「なんだよそれ…」
「非常にイタい人ですね…」
『そんなこともあったんだねー』
「お嫁に来てほしいのはホントだよ♡
でも翼はみんなに愛されてるのが分かったから
とりあえずこの件はすべてのカタがつくまで保留ね」
こんな和やかさがいつまでも続けばいいのに
でも先を急がなくてはいけない
幸村さんたちは一足先に陰陽殿へと入っていった
_