村正編
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15【旅立ち】
出発の夜
私はずっと村正様のお隣で、村正様に抱きついたまま
別れへと刻が進むのをただ待っていた
「ゆやさん…これをあなたに…
これは…私の最後の作、護りの小太刀です」
「えっ!?そんな大切なものをどうして私に…」
「ーーこの先…予想もしえないありとあらゆる困難があなたを待ち受けていることでしょう
でも…あなたがくじけずにその困難に立ちむかえるよう…
決して生きる強さを失わないよう…
私のありったけの“念”を込めておきました
必ず…あなたの役に立つ日がくるでしょうから
どうぞもっていてください」
「村正さん…私…
私、必ず…必ず元気な姿で村正さんに会いに戻ってきます!!」
「翼…あなたにはめいっぱい愛情を注いでメンテナンスをした
あなたの愛刀・畢宿を
それとこのお守りを渡します」
『おまもり…?』
村正様は愛刀を私に手渡し
小さな御守りを私の首にかけてくれた
「ええ、翼がどうしようもないほどの気持ちに襲われてしまったら開けてください
しかし、そうならないように祈っています
翼への御守りにもありったけの“念”をこめています
私だと思って連れていってください」
『村正様…大好きッ』
私はただただ涙が溢れそうになるのを堪えて
見られまいと村正様に抱きつくしかできなかった
そして村正様はぽつりぽつりと話を始めた
二つの大罪を犯したというお話
一つは壬生一族を救えなかったこと
もう一つは壬生抹殺のため狂さんを逃がして神風流を伝承したこと…
「そればかりか翼を救うこともできず…
一族を代表して謝らせてください
本当にすみません…」
『どうして?私は村正様にたくさん助けていただいて
数えきれないほどのありがとうを言わなきゃ…
村正様がいなければ私はここにいない…』
「翼を見送ることは何度かしてきましたが
今回は大事な愛娘を嫁がせる気分です
翼…綺麗になりましたね」
『えぇっ…//////村正様…』
村正様が父親ならばそれ以上に幸せなことはない
『私は幸せ者です
大好きな村正様と出逢えて…』
「別れの夜とは本当に…話のつきないものですね」
私はなかなか村正様から離れることができなかった
遠くで狂さんがゆやさんとボンちゃんに
先に行くように伝える声が聞こえた
覚悟はしていたつもりだった
村正様の体が砂のように崩れていっても笑顔で見送ろうと…
でも
『やっぱり嫌です村正様…』
「泣いている翼を残して逝くのは辛いですが…
大丈夫…翼の周りには頼れる戦友がたくさんいるのですから
翼が幸せになることを
笑顔でいることをいつも願っていますよ」
私は、精一杯笑って見せた
涙が流れても知らない振りをして
『ありがとうございます!!
大好きです、村正様!!』
そして最期まで狂さんや私のことを心配し、気遣いながら
サラサラと流れ、夜の星の中へと消えていった
「村正…あの世から見ておけ…
オレの生き様を…
それがオレからの餞別だ…」
そう言って泣き崩れる私を支えてくれた
『狂さ……きょ……きょぅ…狂…』
ゆやさんたちに合流するまで
狂の腕の中で静かに涙を流した
安心する温もり…あのトキと同じ…
私の不注意で狂が怪我をしてしまった
私をかばったせいで…
『ご、ごめんなさい…きょう…ごめんっ』
「こんなもんか擦り傷だ」
『でもっ……んーっ』
歯をくいしばって必死に涙を堪えようとする私に
「お前は滅多に泣かねえ…
たまには素直に甘えとけ」
そう言って私を抱きしめてくれた
_
出発の夜
私はずっと村正様のお隣で、村正様に抱きついたまま
別れへと刻が進むのをただ待っていた
「ゆやさん…これをあなたに…
これは…私の最後の作、護りの小太刀です」
「えっ!?そんな大切なものをどうして私に…」
「ーーこの先…予想もしえないありとあらゆる困難があなたを待ち受けていることでしょう
でも…あなたがくじけずにその困難に立ちむかえるよう…
決して生きる強さを失わないよう…
私のありったけの“念”を込めておきました
必ず…あなたの役に立つ日がくるでしょうから
どうぞもっていてください」
「村正さん…私…
私、必ず…必ず元気な姿で村正さんに会いに戻ってきます!!」
「翼…あなたにはめいっぱい愛情を注いでメンテナンスをした
あなたの愛刀・畢宿を
それとこのお守りを渡します」
『おまもり…?』
村正様は愛刀を私に手渡し
小さな御守りを私の首にかけてくれた
「ええ、翼がどうしようもないほどの気持ちに襲われてしまったら開けてください
しかし、そうならないように祈っています
翼への御守りにもありったけの“念”をこめています
私だと思って連れていってください」
『村正様…大好きッ』
私はただただ涙が溢れそうになるのを堪えて
見られまいと村正様に抱きつくしかできなかった
そして村正様はぽつりぽつりと話を始めた
二つの大罪を犯したというお話
一つは壬生一族を救えなかったこと
もう一つは壬生抹殺のため狂さんを逃がして神風流を伝承したこと…
「そればかりか翼を救うこともできず…
一族を代表して謝らせてください
本当にすみません…」
『どうして?私は村正様にたくさん助けていただいて
数えきれないほどのありがとうを言わなきゃ…
村正様がいなければ私はここにいない…』
「翼を見送ることは何度かしてきましたが
今回は大事な愛娘を嫁がせる気分です
翼…綺麗になりましたね」
『えぇっ…//////村正様…』
村正様が父親ならばそれ以上に幸せなことはない
『私は幸せ者です
大好きな村正様と出逢えて…』
「別れの夜とは本当に…話のつきないものですね」
私はなかなか村正様から離れることができなかった
遠くで狂さんがゆやさんとボンちゃんに
先に行くように伝える声が聞こえた
覚悟はしていたつもりだった
村正様の体が砂のように崩れていっても笑顔で見送ろうと…
でも
『やっぱり嫌です村正様…』
「泣いている翼を残して逝くのは辛いですが…
大丈夫…翼の周りには頼れる戦友がたくさんいるのですから
翼が幸せになることを
笑顔でいることをいつも願っていますよ」
私は、精一杯笑って見せた
涙が流れても知らない振りをして
『ありがとうございます!!
大好きです、村正様!!』
そして最期まで狂さんや私のことを心配し、気遣いながら
サラサラと流れ、夜の星の中へと消えていった
「村正…あの世から見ておけ…
オレの生き様を…
それがオレからの餞別だ…」
そう言って泣き崩れる私を支えてくれた
『狂さ……きょ……きょぅ…狂…』
ゆやさんたちに合流するまで
狂の腕の中で静かに涙を流した
安心する温もり…あのトキと同じ…
私の不注意で狂が怪我をしてしまった
私をかばったせいで…
『ご、ごめんなさい…きょう…ごめんっ』
「こんなもんか擦り傷だ」
『でもっ……んーっ』
歯をくいしばって必死に涙を堪えようとする私に
「お前は滅多に泣かねえ…
たまには素直に甘えとけ」
そう言って私を抱きしめてくれた
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