村正編
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12【記憶】
相変わらず私は村正様のお布団の隣に座っていると
神妙な面持ちの狂さんが入ってきた
真の無明神風流の伝承の話だろうか
それなら私は外に出ていようかと立ち上がった
「……」
「狂、わかっています
一つ話しておかなければいけませんね」
『?』
「翼、あなたも座りなさい」
『?…はい…』
「村正、テメェ…」
「そうです、翼の記憶を封印したのは私です」
『?!!』
今、何て…
「やっぱりな…」
村正様が私の記憶を…?
『村…正様…?』
「今まで黙っていてすみませんでした翼…
しかし、ああするより他になかったんです」
「何があった…」
「それは、私からは言えません
しかし翼…
あなたは思い出したいですか?
自分の過去を…
どんなに辛くても…
逃げ出さず…
受け止る勇気はありますか?」
真剣な表情の村正様…
理由は分からないけど
きっと私のことを思ってしてくれたことなんだ…
『私は自分のコト…きちんと思い出したいです
私は何者なのか自分と向き合いたい
勇気は、足りないかもしれないけど
みんなが…村正様がいてくださるならきっと…!』
「…わかりました
話しましょう」
震えながら握りしめている手を
村正様が優しく包み込んでくれた
「翼、あなたも壬生一族です
元は壬生に住んでいました
しかし、とても辛いことがあり
全てを閉ざし、生きる気力すら感じられず
心が壊れかけていました…
完全に壊れてしまっては取り返しがつきません
そうなる前に記憶を封印しました
…受け止められるその日まで」
『記憶を封印…』
「ええ…私は翼の記憶の箱に鍵をかけ
外界からの刺激があっても開かないようにしていました
その鍵を…開きます」
『では、記憶が全て元に…?』
「いえ、思い出せるようになったというところでしょうか
まあそれも翼の思い出したいという気持ちに反応して
徐々に効果も薄くなっていたようですが…」
村正様の手が私の頭に優しく触れた…
いつも優しく包み込んでくれる大きな手…
このての感触は覚えがある…
桜の舞う綺麗な場所
川のせせらぎも聞こえて
楽しそうな話し声もする
今よりも少しお若い村正様と
とてもちいさな女の子が、たぶん私…
今も昔も変わらない温かい手…
「これで鍵は開きました
きっと今の翼なら大丈夫でしょう…
たくさんの仲間がいますから」
『村正様…ずっと私を…
守ってくださっていたのですね…
ありがとう…ございます…
またいつか…あの桜を…見に行きましょう…ね…』
村正様の温もりを感じながら
私はしばらくの間眠りについた
_
相変わらず私は村正様のお布団の隣に座っていると
神妙な面持ちの狂さんが入ってきた
真の無明神風流の伝承の話だろうか
それなら私は外に出ていようかと立ち上がった
「……」
「狂、わかっています
一つ話しておかなければいけませんね」
『?』
「翼、あなたも座りなさい」
『?…はい…』
「村正、テメェ…」
「そうです、翼の記憶を封印したのは私です」
『?!!』
今、何て…
「やっぱりな…」
村正様が私の記憶を…?
『村…正様…?』
「今まで黙っていてすみませんでした翼…
しかし、ああするより他になかったんです」
「何があった…」
「それは、私からは言えません
しかし翼…
あなたは思い出したいですか?
自分の過去を…
どんなに辛くても…
逃げ出さず…
受け止る勇気はありますか?」
真剣な表情の村正様…
理由は分からないけど
きっと私のことを思ってしてくれたことなんだ…
『私は自分のコト…きちんと思い出したいです
私は何者なのか自分と向き合いたい
勇気は、足りないかもしれないけど
みんなが…村正様がいてくださるならきっと…!』
「…わかりました
話しましょう」
震えながら握りしめている手を
村正様が優しく包み込んでくれた
「翼、あなたも壬生一族です
元は壬生に住んでいました
しかし、とても辛いことがあり
全てを閉ざし、生きる気力すら感じられず
心が壊れかけていました…
完全に壊れてしまっては取り返しがつきません
そうなる前に記憶を封印しました
…受け止められるその日まで」
『記憶を封印…』
「ええ…私は翼の記憶の箱に鍵をかけ
外界からの刺激があっても開かないようにしていました
その鍵を…開きます」
『では、記憶が全て元に…?』
「いえ、思い出せるようになったというところでしょうか
まあそれも翼の思い出したいという気持ちに反応して
徐々に効果も薄くなっていたようですが…」
村正様の手が私の頭に優しく触れた…
いつも優しく包み込んでくれる大きな手…
このての感触は覚えがある…
桜の舞う綺麗な場所
川のせせらぎも聞こえて
楽しそうな話し声もする
今よりも少しお若い村正様と
とてもちいさな女の子が、たぶん私…
今も昔も変わらない温かい手…
「これで鍵は開きました
きっと今の翼なら大丈夫でしょう…
たくさんの仲間がいますから」
『村正様…ずっと私を…
守ってくださっていたのですね…
ありがとう…ございます…
またいつか…あの桜を…見に行きましょう…ね…』
村正様の温もりを感じながら
私はしばらくの間眠りについた
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