短編
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「もう限界だ。なんとかしてくれ。」
昼食後に読書をするか、屋上にでも行くか、そんなことを考えながら歩いていたナマエの後ろから何の前ブレもなくかけられた言葉。
言葉の主を確かめるべく振り向いた。
確認するまでもなくそこにいたのは、ドラケンで相変わらず周りに恐怖いだかせる風貌をしている。
「何の話?」
「とぼけんな。マイキーのことに決まってんだろうが。これ以上は機嫌を取りきれねぇ。早いとこなんとかしろ。」
マイキーとは家が近所の幼馴染兼彼氏なのだが、最近どうも機嫌が悪いということで色々な人から、相談という名目で手に負えないと苦情が入っている。
一番の被害者は間違いなく目の前にいるこのドラケンなのだが、彼が言ってきたところみると本当にもう限界なのだろう。
そうは言ってもこっちもどちらかというと機嫌をとってほしいので何ともいえない。
「マイキーがああなのは、お前もわかってて付き合うって決めたんだろ。ならあきらめろ。」
「あきらめろってことは別れるってこと?」
「やめろ。東卍を血の海にする気か。」
事の発端はただの痴話喧嘩のはずだった。
その日の放課後はナマエに付き合ってくれると言っていたが、いつものごとく連絡が取れず暇を持て余していた。
マイキーからの連絡を待ちながら歩き回りすぎてしまい、どこかで休憩をしたいと思いあたりをみまわした。
すると最近、東卍の集会にいくと見かける新顔のタケミチを見つけたのだった。
ナマエ自体は挨拶程度しかしたことがなく、この何とも不思議な感じのする少年とゆっくり話してみたいと思っていた。
「タケミっち!!偶然だね。」
「え?あ、ナマエちゃん。」
声をかけ、近くにのファミレスにでも行こうと、誘うと微妙な顔したタケミチ。
ヒナちゃんのことを考えたのか思ったが、マイキーのことを考えていたらしい。
「いいよ。ほっといてそれに私から誘ったのに、近づくなも何もないでしょ。」
近づくなは言い過ぎだが、東卍では必要以上にナマエにはかかわってはならないと、マイキーの手前の暗黙の了解が存在した。
「マイキーにすっぽかされて暇だし。どうせ会ったことすらわからないよ。」
「まあ、それなら。」
なんとか言いくるめ、ファミレスへの連れ込みに成功したナマエはここぞばかりにタケミチに対し愚痴った。
時折、年上と話している感覚におちいるこの少年との時間は楽しかった。
楽しすぎて彼氏からの連絡気づかなかったのだ。
そろそろ帰ろうかとなり、ファミレスを出たところにいたのは、とても不機嫌な顔をしたマイキーだった。
「起こしにも来ないし、連絡もつかないと思ったら、なに?堂々と浮気?」
「え?なに言ってるの。タケミっちにはヒナちゃんがいるじゃん。それにこっちは学校に来てたことすら知らないんだけど。」
「は。連絡に気づきもしないで言い訳かよ。」
「何それ。そんな言い方なくない?」
元々幼馴染とはいえ、暴走族の総長と付き合っていけてる時点でナマエもなかなかの気の強さなためこうなると止まらない。
おろおろしているタケミチを放置したまま言い合いは1時間にも及んだ。
その後は一切連絡を取らずもう一か月になろうとしている。
いつもはナマエからすぐに折れるが、いくらなんでも勝手すぎると思ったし、それにいわれのない浮気発言がどうしても許せなかった。
「気持ちはわからなくもないが、時々捨てられた子犬みたいな顔してるぞ。何とかしてやれ。」
ドラケンの言葉に思わず笑みがこぼれる。
そうなのだ、人を寄せ付けないような圧倒的なオーラの時もあれば子犬のような時もあり、ずるく手に負えないのがマイキーをいう男なのだ。
「わかったよ。そのうち連絡してみる。」
「お前なぁ。あの時話せばよかったって、後悔することになっても知らないぞ。」
どういう状況だよ。とツッコみたいところだが、愛想つかされるとことがないとも言いきれないので言い返せない。
タケミチだってきっと居心地が悪いだろう。
そのうち連絡とは言ったが、給食を食べるために来るよう奴だ。
今日も給食目当てにいるかもしれないと屋上に向かうことにした。
階段を上る足がいつも以上に重い気がするが、それでも今の決心を無駄にするなと自分の心に鞭を打つ。
そんな時、
「あの!ミョウジ先輩!!」
「ん?」
ナマエが振り返るとそこには確か、以前、委員会で一緒になった後輩が立っていた。
「ちょっとお話があって。今いいですか?」
この後に続くセリフを言わなくても把握できるくらい、後輩から緊張が伝わってくる。
いつものナマエなら相手が勇気を出して伝えてくれる告白を無下にはせずに最後まで相手の話を聞いてから、誠意をもって断るのだが今はそれどころではない。
「ごめんね。後でもいいかな?」
出来るだけ笑顔を意識して、伝えたつもりだがナマエの気持ちは後輩には届かず手首を思いっきり捕まれ、壁に追いやられる。
「いたっ。ちょっと!」
「ずっと見てたんです。憧れなんかじゃなくて、真剣に・・」
痛ってーよ!それが好きな人間に対する態度か!とナマエがキレそうになった瞬間、目の前に迫っていたはずの後輩がどこかへ飛んで行ってしまった。
「え?」
「人の嫁になんか用?勝手に触られると困るんだけど。」
見れば手首がうっすら赤くなってはいるが、胸倉をつかみあげられてる後輩をみるとそれどころではない。
なんてタイミングで現れるんだろう。これではまた浮気云々言われかねないが、とりあえずはのびかけている後輩を救出した方がいいと判断する。
「マイキーもういいよ。やめてあげて。」
「かばうわけ?俺の方が邪魔だった?」
瞬間、イラつきを感じて感情的に言い返しそうなるが、冷静になるため深呼吸しながら返事をする。
「そんなわけないでしょ。委員会が一緒だったのは覚えてるけど、名前もわからないくらいなのに。」
後輩に罪悪感も沸くがあの状態では耳には届いてないだろうと判断する。
それを聞いたマイキーはあっさり後輩を離して屋上に戻っていく。
放置するのは気が引けるが、すぐにどこかへ行くだろう。
そしておそらく二度とかかわってこないと思われる。
マイキーの後を追い屋上につくと、すねたように座り込んでいるのが見えた。
「ありがとう。」
「別に。うるさくて目が覚めただけだし。」
「助かったよ。それとこの間はごめんなさい。」
勇気を出して、謝ってみたものの今度はだんまりだった。
「久しぶりに出かけられるの楽しみだったのにあんなことになっちゃって、ムキになりすぎた。本当にごめんね。」
再度の話かけてみるが、返事がない。
その時ドラケンが言ってたことを思い出した。
手遅れになって後悔ってことか、、さすがに時間あけすぎちゃったっか。
取り返しがつかない状況に涙が出てきそうになるが、ここで泣いてもさらにウザがられ無視されるだけだろうと思い仕方なくナマエは立ち上がる。
「みんなも心配してるよ。元気なところ見せてあげてね。じゃあ行くね。」
心配じゃなくて苦情だけどと心で思いながら出口に向かう。
もしかしてこのまま自然消滅ってやつかな?意地はるんじゃなかったな・・。
本格的に涙出てきそうになり慌てて出入口に向かうが、突然強い力に腕を引かれ目の前が真っ暗になる。
嗅ぎなれた香りがしてマイキーの腕の中にいるんだとわかる。
「好き勝手言っていなくなるなよ。」
不機嫌そうなマイキーな声が上から降ってくる。
「だって・・・!」
「ごめん。言い過ぎたし、俺の方が悪いのもわかってた。ごめん。」
何それ急に素直になんないでよと言いたいが、あふれ出してる涙でもう言葉が出てこない。
「ナマエがさ、俺のこと探してくれるの好きで、連絡しなければまた見つけてくれると思ったんだ。タケミっちにもめっちゃ嫉妬した。泣かせてごめん。」
「ひどいよ。浮気なんてするわけないのに。今度出かける時は迎えに来てくれなきゃ、許さないから。」
「はは。それで許してくれるの?なら毎回迎えにいくよ。」
絶対だからね。と鼻ズビっと鳴らしながらいうと、さらにおかしそうにマイキーが笑った。
とりあえず、たい焼きでも買いに行こうと手を差し出すマイキーにほだされ、私までサボりじゃんと思いつつ手を握り返すとまたマイキーの顔がゆがむ。
「これ」
あ、っと気づいた時には遅く、後輩に握られ赤くなってしまった手首を持ち上げられる。
「やっぱり殺しとくんだったな。」
「マイキーがいうと冗談に聞こえないからやめてよ。」
冗談のつもりはないんだけどとさらに聞こえてくる物騒なことを無視して、手をひっぱり今度こそ屋上を出る。
「こんなの大したことないし、マイキーがいてくれたらもう起きないことでしよ?ほら、たい焼き買いに行こ!」
ナマエが笑顔で笑うと少し照れたマイキーが怒ったように「あっそ。」と返してきた。
さらに笑顔になり校舎をでるべく歩いているとドラケンに出会った。
「やっと元に戻ったか。このはた迷惑カップルが」
文句を言いつつもドラケンの顔もどことなく嬉しそうだった。
「というわけで、これからナマエとたいやき買ってデートするから後よろしくね
ケンチン!」
「は?ちょっと待て。お前、学校の後は集合かけるって。」
「うん。でも今日はナマエの日にしたから、全部パース!」
「おい!マイキー!!」
ドラケンの声を背中に浴びながら、マイキーにひっぱられ走る。それでも繋がってる手は優しく包み込まれてる。
「ドラケンめっちゃ怒ってるね。」
「ケンチンだからね。」
とさらに怒りそうなこと言ってのけるマイキーの笑顔が眩しい。
さらにそのあと、バブの後ろに乗ったナマエにヘルメットかぶせながら
「ナマエ、好きだよ。」
と言ってくれたマイキーの笑顔をみて、この先どんなことあってもそばにいると決意を新たにしながら「私も」と返すナマエだった。
昼食後に読書をするか、屋上にでも行くか、そんなことを考えながら歩いていたナマエの後ろから何の前ブレもなくかけられた言葉。
言葉の主を確かめるべく振り向いた。
確認するまでもなくそこにいたのは、ドラケンで相変わらず周りに恐怖いだかせる風貌をしている。
「何の話?」
「とぼけんな。マイキーのことに決まってんだろうが。これ以上は機嫌を取りきれねぇ。早いとこなんとかしろ。」
マイキーとは家が近所の幼馴染兼彼氏なのだが、最近どうも機嫌が悪いということで色々な人から、相談という名目で手に負えないと苦情が入っている。
一番の被害者は間違いなく目の前にいるこのドラケンなのだが、彼が言ってきたところみると本当にもう限界なのだろう。
そうは言ってもこっちもどちらかというと機嫌をとってほしいので何ともいえない。
「マイキーがああなのは、お前もわかってて付き合うって決めたんだろ。ならあきらめろ。」
「あきらめろってことは別れるってこと?」
「やめろ。東卍を血の海にする気か。」
事の発端はただの痴話喧嘩のはずだった。
その日の放課後はナマエに付き合ってくれると言っていたが、いつものごとく連絡が取れず暇を持て余していた。
マイキーからの連絡を待ちながら歩き回りすぎてしまい、どこかで休憩をしたいと思いあたりをみまわした。
すると最近、東卍の集会にいくと見かける新顔のタケミチを見つけたのだった。
ナマエ自体は挨拶程度しかしたことがなく、この何とも不思議な感じのする少年とゆっくり話してみたいと思っていた。
「タケミっち!!偶然だね。」
「え?あ、ナマエちゃん。」
声をかけ、近くにのファミレスにでも行こうと、誘うと微妙な顔したタケミチ。
ヒナちゃんのことを考えたのか思ったが、マイキーのことを考えていたらしい。
「いいよ。ほっといてそれに私から誘ったのに、近づくなも何もないでしょ。」
近づくなは言い過ぎだが、東卍では必要以上にナマエにはかかわってはならないと、マイキーの手前の暗黙の了解が存在した。
「マイキーにすっぽかされて暇だし。どうせ会ったことすらわからないよ。」
「まあ、それなら。」
なんとか言いくるめ、ファミレスへの連れ込みに成功したナマエはここぞばかりにタケミチに対し愚痴った。
時折、年上と話している感覚におちいるこの少年との時間は楽しかった。
楽しすぎて彼氏からの連絡気づかなかったのだ。
そろそろ帰ろうかとなり、ファミレスを出たところにいたのは、とても不機嫌な顔をしたマイキーだった。
「起こしにも来ないし、連絡もつかないと思ったら、なに?堂々と浮気?」
「え?なに言ってるの。タケミっちにはヒナちゃんがいるじゃん。それにこっちは学校に来てたことすら知らないんだけど。」
「は。連絡に気づきもしないで言い訳かよ。」
「何それ。そんな言い方なくない?」
元々幼馴染とはいえ、暴走族の総長と付き合っていけてる時点でナマエもなかなかの気の強さなためこうなると止まらない。
おろおろしているタケミチを放置したまま言い合いは1時間にも及んだ。
その後は一切連絡を取らずもう一か月になろうとしている。
いつもはナマエからすぐに折れるが、いくらなんでも勝手すぎると思ったし、それにいわれのない浮気発言がどうしても許せなかった。
「気持ちはわからなくもないが、時々捨てられた子犬みたいな顔してるぞ。何とかしてやれ。」
ドラケンの言葉に思わず笑みがこぼれる。
そうなのだ、人を寄せ付けないような圧倒的なオーラの時もあれば子犬のような時もあり、ずるく手に負えないのがマイキーをいう男なのだ。
「わかったよ。そのうち連絡してみる。」
「お前なぁ。あの時話せばよかったって、後悔することになっても知らないぞ。」
どういう状況だよ。とツッコみたいところだが、愛想つかされるとことがないとも言いきれないので言い返せない。
タケミチだってきっと居心地が悪いだろう。
そのうち連絡とは言ったが、給食を食べるために来るよう奴だ。
今日も給食目当てにいるかもしれないと屋上に向かうことにした。
階段を上る足がいつも以上に重い気がするが、それでも今の決心を無駄にするなと自分の心に鞭を打つ。
そんな時、
「あの!ミョウジ先輩!!」
「ん?」
ナマエが振り返るとそこには確か、以前、委員会で一緒になった後輩が立っていた。
「ちょっとお話があって。今いいですか?」
この後に続くセリフを言わなくても把握できるくらい、後輩から緊張が伝わってくる。
いつものナマエなら相手が勇気を出して伝えてくれる告白を無下にはせずに最後まで相手の話を聞いてから、誠意をもって断るのだが今はそれどころではない。
「ごめんね。後でもいいかな?」
出来るだけ笑顔を意識して、伝えたつもりだがナマエの気持ちは後輩には届かず手首を思いっきり捕まれ、壁に追いやられる。
「いたっ。ちょっと!」
「ずっと見てたんです。憧れなんかじゃなくて、真剣に・・」
痛ってーよ!それが好きな人間に対する態度か!とナマエがキレそうになった瞬間、目の前に迫っていたはずの後輩がどこかへ飛んで行ってしまった。
「え?」
「人の嫁になんか用?勝手に触られると困るんだけど。」
見れば手首がうっすら赤くなってはいるが、胸倉をつかみあげられてる後輩をみるとそれどころではない。
なんてタイミングで現れるんだろう。これではまた浮気云々言われかねないが、とりあえずはのびかけている後輩を救出した方がいいと判断する。
「マイキーもういいよ。やめてあげて。」
「かばうわけ?俺の方が邪魔だった?」
瞬間、イラつきを感じて感情的に言い返しそうなるが、冷静になるため深呼吸しながら返事をする。
「そんなわけないでしょ。委員会が一緒だったのは覚えてるけど、名前もわからないくらいなのに。」
後輩に罪悪感も沸くがあの状態では耳には届いてないだろうと判断する。
それを聞いたマイキーはあっさり後輩を離して屋上に戻っていく。
放置するのは気が引けるが、すぐにどこかへ行くだろう。
そしておそらく二度とかかわってこないと思われる。
マイキーの後を追い屋上につくと、すねたように座り込んでいるのが見えた。
「ありがとう。」
「別に。うるさくて目が覚めただけだし。」
「助かったよ。それとこの間はごめんなさい。」
勇気を出して、謝ってみたものの今度はだんまりだった。
「久しぶりに出かけられるの楽しみだったのにあんなことになっちゃって、ムキになりすぎた。本当にごめんね。」
再度の話かけてみるが、返事がない。
その時ドラケンが言ってたことを思い出した。
手遅れになって後悔ってことか、、さすがに時間あけすぎちゃったっか。
取り返しがつかない状況に涙が出てきそうになるが、ここで泣いてもさらにウザがられ無視されるだけだろうと思い仕方なくナマエは立ち上がる。
「みんなも心配してるよ。元気なところ見せてあげてね。じゃあ行くね。」
心配じゃなくて苦情だけどと心で思いながら出口に向かう。
もしかしてこのまま自然消滅ってやつかな?意地はるんじゃなかったな・・。
本格的に涙出てきそうになり慌てて出入口に向かうが、突然強い力に腕を引かれ目の前が真っ暗になる。
嗅ぎなれた香りがしてマイキーの腕の中にいるんだとわかる。
「好き勝手言っていなくなるなよ。」
不機嫌そうなマイキーな声が上から降ってくる。
「だって・・・!」
「ごめん。言い過ぎたし、俺の方が悪いのもわかってた。ごめん。」
何それ急に素直になんないでよと言いたいが、あふれ出してる涙でもう言葉が出てこない。
「ナマエがさ、俺のこと探してくれるの好きで、連絡しなければまた見つけてくれると思ったんだ。タケミっちにもめっちゃ嫉妬した。泣かせてごめん。」
「ひどいよ。浮気なんてするわけないのに。今度出かける時は迎えに来てくれなきゃ、許さないから。」
「はは。それで許してくれるの?なら毎回迎えにいくよ。」
絶対だからね。と鼻ズビっと鳴らしながらいうと、さらにおかしそうにマイキーが笑った。
とりあえず、たい焼きでも買いに行こうと手を差し出すマイキーにほだされ、私までサボりじゃんと思いつつ手を握り返すとまたマイキーの顔がゆがむ。
「これ」
あ、っと気づいた時には遅く、後輩に握られ赤くなってしまった手首を持ち上げられる。
「やっぱり殺しとくんだったな。」
「マイキーがいうと冗談に聞こえないからやめてよ。」
冗談のつもりはないんだけどとさらに聞こえてくる物騒なことを無視して、手をひっぱり今度こそ屋上を出る。
「こんなの大したことないし、マイキーがいてくれたらもう起きないことでしよ?ほら、たい焼き買いに行こ!」
ナマエが笑顔で笑うと少し照れたマイキーが怒ったように「あっそ。」と返してきた。
さらに笑顔になり校舎をでるべく歩いているとドラケンに出会った。
「やっと元に戻ったか。このはた迷惑カップルが」
文句を言いつつもドラケンの顔もどことなく嬉しそうだった。
「というわけで、これからナマエとたいやき買ってデートするから後よろしくね
ケンチン!」
「は?ちょっと待て。お前、学校の後は集合かけるって。」
「うん。でも今日はナマエの日にしたから、全部パース!」
「おい!マイキー!!」
ドラケンの声を背中に浴びながら、マイキーにひっぱられ走る。それでも繋がってる手は優しく包み込まれてる。
「ドラケンめっちゃ怒ってるね。」
「ケンチンだからね。」
とさらに怒りそうなこと言ってのけるマイキーの笑顔が眩しい。
さらにそのあと、バブの後ろに乗ったナマエにヘルメットかぶせながら
「ナマエ、好きだよ。」
と言ってくれたマイキーの笑顔をみて、この先どんなことあってもそばにいると決意を新たにしながら「私も」と返すナマエだった。
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