地下牢に入れられ、身体を拘束された雅は身動き一つできずにいた。
痛いから緩めて欲しいとお願いしたが、願いは却下されて脱出ができない状況となってしまった。

「しかし、中々麗しい娘だ。殺す前にヤラせてもらうかね。恨むなよお嬢ちゃん」

部下の一人が欲にまみれた顔をして雅に近づく。
衣類は中途半端に脱がされ、女性の大切な部分が見えそうで見えない状況となり、雅の大切な部分へ触れてくる。

雅は逃げようのない状況に絶望し、この結婚を選んだことを後悔していた。
くのたまなら、色を使うなんてお手の物。しかも色の評価は学年の中で一番高かった。
だからこそ自信があったのだが、実際は違う。
見ず知らずの男に触れられ恐怖を感じ、身体が固まり絶望のどん底へいる。
そして助けて欲しいと望んでしまっている。

「怖いんだな、よしよし。もしかしてはじめてなのか。なにすぐに気持ちよくなるから。楽にしてろよ」

目の前に男のモノがあり、グロテスクな姿をしていた。
雅はその姿を見て身体を震わせる。
雅の下半身に自身のモノを挿れようと体勢を変えたときに雅は恐怖に耐えきれず叫んだ。

「助けて、七松くん」

来るはずがない人の名前を呼び、その時はじめて雅は自身が七松小平太という男を愛していたことを、はじめて知った。
しかし、それを知るのにはあまりにも遅かったと痛感する。
同級生や立花が言っていたことも、今になってはじめて理解したのだからだ。

これから男に犯されて自身は死ぬのに、今になって知るなど自身を絶望への奈落に落とすだけなのに、なぜ今になって知ってしまったのか。
激しく後悔し、涙が溢れだせば、突如床から何かが飛び出した。

「ここにいたのか。雅。探したぞ」

屈託のない笑顔を浮かべて出てきたのは、さきほど叫んだ名前の人だった。

「なんだ、コヤツ。殺るぞ」

下半身を露出したまま、男が声を出せば雅を地下牢まで連れてきた男達が応戦をする。
しかし七松の手によって、彼らは呆気なく倒されてしまった。

「‥すごい」
七松が強いというのは知っていたが、彼の強さを知る機会というのはなかった。
雅が知っている七松の姿は、塹壕を掘って自分に会いに来たり、屈託のない笑顔で話したり、バレーに勤しんだりする日常的なことばかりだ。
六年も一緒にいたのに、彼の忍術を見る機会などなかった。
彼の強さに思わず見惚れていれば、七松がクルリとこちらを向いた。

「雅平気か？今、拘束を解くからな」

そう言い七松は雅の拘束を丁寧に優しく解いていくのだった。