2.不穏
空欄の場合は「雅」となります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「まったく、どいつもこいつもなんなのよ」
先日の同級生といい、今日の立花といい、雅は七松に気があると思われていることにイライラしていた。
何をどう見たらそう見えるのか不思議で仕方ないが、ここで1つの結論にたどり着いた。
「二人して揶揄ってるのよ、きっとそうだわ」
今まで何も言われなかったのに、唐突にこのようなことを言うのだから、二人して自分を揶揄っているのだと。
同級生と立花の仲がいいかと言われるとそうでもないのだが、同級生が立花に弱みでも握られたか、あるいは何か取引をして協力をしているのだとすれば、合点がいった。
「何がきっとそうなんだ?」
「え、そりゃあ。ってうわ」
ヒョコリどこからもなく、現れたのは七松小平太だ。
「そんなに驚いたか?気配を消したつもりはないのだが」
雅が驚いたことに、逆に驚いたのか七松は頭にはてなマークを浮かべる。
「考えごとしてれば、気配なんか気がつかないわよ。」
「そうか、それはスマンな」
「別に謝るようなことじゃないわよ、てか、私に用があって来たんじゃないの?」
なぜ話しかけたのか問えば、七松は思い出したかのように口を開いた。
「今日の夜間忍務でな、お前の後輩と組むことになってるのだが、私はそいつのことをよく知らぬから、雅に教えてもらおうと思ってな。」
「本人に聞けばいいじゃない、そんなの。それに、い組の連中らだったら詳しいんじゃないの?立花とか、久々知とか、尾浜とか、あの辺と交流あるし、あの子。」
「仙蔵と文次郎には、聞いたぞ。あと伊作も」
「じゃあ充分じゃないの?別に癖のあるような子じゃないし」
特に至って普通の後輩だ。
彼らが、どのように評価したがわからないが、そこまで探りを入れるような相手でもないため、雅は七松がなぜ自分に声をかけたのかわからなかった。
「うーん、雅の口から聞きたかったのだが、教えてくれんのか?」
「教えるようなことなんてないわよ。普通だもの。普通。」
雅は素っ気なく答えれば、七松は眉を下げた。
「雅、なぜ苛ついているのだ。私がお前を苛つかせたのか」
七松の言葉にカチンときた雅は怒鳴り声をあげた。
「あの子のことばっか、話さないでよ。アタシのこと揶揄って楽しい?この馬鹿」
「私はお前のことを一度たりとも、揶揄ってなどいないぞ。」
「それが揶揄っているのよ、馬鹿。もういいわ。アタシにしばらく話しかけないで」
「雅‥」
怒鳴り散らしつつも、なぜか今にも泣きそうな雅を見て、七松の心はギュッと締め付けられた。
なぜ急に怒鳴り散らしたのか、泣きそうな顔をしているのかはわからない。
彼女のことを追いかけたかったが、今の状態で彼女を追いかけても、また怒鳴り泣きそうな顔をさせてしまうことは確かだった。
彼女の後ろ姿を見送りにながら、七松は拳をギュッと握った。
先日の同級生といい、今日の立花といい、雅は七松に気があると思われていることにイライラしていた。
何をどう見たらそう見えるのか不思議で仕方ないが、ここで1つの結論にたどり着いた。
「二人して揶揄ってるのよ、きっとそうだわ」
今まで何も言われなかったのに、唐突にこのようなことを言うのだから、二人して自分を揶揄っているのだと。
同級生と立花の仲がいいかと言われるとそうでもないのだが、同級生が立花に弱みでも握られたか、あるいは何か取引をして協力をしているのだとすれば、合点がいった。
「何がきっとそうなんだ?」
「え、そりゃあ。ってうわ」
ヒョコリどこからもなく、現れたのは七松小平太だ。
「そんなに驚いたか?気配を消したつもりはないのだが」
雅が驚いたことに、逆に驚いたのか七松は頭にはてなマークを浮かべる。
「考えごとしてれば、気配なんか気がつかないわよ。」
「そうか、それはスマンな」
「別に謝るようなことじゃないわよ、てか、私に用があって来たんじゃないの?」
なぜ話しかけたのか問えば、七松は思い出したかのように口を開いた。
「今日の夜間忍務でな、お前の後輩と組むことになってるのだが、私はそいつのことをよく知らぬから、雅に教えてもらおうと思ってな。」
「本人に聞けばいいじゃない、そんなの。それに、い組の連中らだったら詳しいんじゃないの?立花とか、久々知とか、尾浜とか、あの辺と交流あるし、あの子。」
「仙蔵と文次郎には、聞いたぞ。あと伊作も」
「じゃあ充分じゃないの?別に癖のあるような子じゃないし」
特に至って普通の後輩だ。
彼らが、どのように評価したがわからないが、そこまで探りを入れるような相手でもないため、雅は七松がなぜ自分に声をかけたのかわからなかった。
「うーん、雅の口から聞きたかったのだが、教えてくれんのか?」
「教えるようなことなんてないわよ。普通だもの。普通。」
雅は素っ気なく答えれば、七松は眉を下げた。
「雅、なぜ苛ついているのだ。私がお前を苛つかせたのか」
七松の言葉にカチンときた雅は怒鳴り声をあげた。
「あの子のことばっか、話さないでよ。アタシのこと揶揄って楽しい?この馬鹿」
「私はお前のことを一度たりとも、揶揄ってなどいないぞ。」
「それが揶揄っているのよ、馬鹿。もういいわ。アタシにしばらく話しかけないで」
「雅‥」
怒鳴り散らしつつも、なぜか今にも泣きそうな雅を見て、七松の心はギュッと締め付けられた。
なぜ急に怒鳴り散らしたのか、泣きそうな顔をしているのかはわからない。
彼女のことを追いかけたかったが、今の状態で彼女を追いかけても、また怒鳴り泣きそうな顔をさせてしまうことは確かだった。
彼女の後ろ姿を見送りにながら、七松は拳をギュッと握った。