1.ふたりの日常
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翌日の昼休み、学園の中庭にある木陰にいれば、彼は約束を果たしに来た。
「雅、約束覚えてるか」
「当たり前よ、覚えているわ」
昨日の今日だ忘れるわけがない。
彼は嬉しそうに笑えば、話をしたかったことを話していく。
内容は、どれも他愛のないことだ。
体育委員会の後輩たちと鍛錬をした話、中在家長次がボーロを作りすぎた話、善法寺伊作の不運に、潮江文次郎と食満留三郎の喧嘩の内容。
どれも日常的な話だか、彼が楽しく話すため、雅は退屈しなかった。
「まぁ、雅のいない間も学園は平和だったということだ。ついつい私ばかり話してしまったが、雅はどんな実習をしてきたのだ。雅の話も聞きたい」
さぁ次はお前の番だと言わんばかりに目を輝かせ、こちらを見る。
「別に面白い話はないわ。おおむね作戦通りにできたもの」
「その作戦は私は知らん。雅は、そうやってすぐ勿体ぶる」
「勿体ぶっているわけじゃないわよ、ウチらは想定外のことなんて滅多に起こらないし、七松くんたちみたいに波乱万丈な実習じゃないもの」
「波乱万丈かどうかは、聞いてみないとわからないだろう。それに面白くなくともいい。雅から私に話してくれなければ一緒に話していることにならないだろう」
雅が話すことにこだわる七松を見て、雅は観念したのか、実習の内容を掻い摘んで話をしていれば、七松からさきほどまでの笑顔は消えてしまった。
「いつもそんな危ないことをしているのか?」
「いつもって当然じゃない。相手にいかに情報を引き出せるかって、忍にとって大切なことじゃない。今回は城主のお気に入りになって情報を聞き出すだけだし。それに、他のくのいちが手助けもしてくれるから、特別危ないというわけでもないしわよ。」
くのいちを目指す身だというからには、最大限、女であるということを活かす。それは基本的なことであり、雅のモットーでもある。
「戦って相手から情報を聞き出せば、いいだろう?なにもそんな周りくどいことをせずとも。」
「あのね、それは無理なのよ。七松くんじゃないんだから。というか、あの実習の内容なら立花くんや中在家くんだって。戦わずに情報を得る作戦にするわよ。立花くんなら女装も完璧だろうし、同じことするはずだもの。」
七松の同期の名前を出せば、彼が少しムッとした表情になったのが、すぐにわかった。
「雅、私は今、雅のことを話しているのだぞ。長次や仙蔵の話などしていない。それに雅は強いのは私は知っている。文次郎の喧嘩だって買ってでているのではないか。それにお前のその武器は使いこなしているだろう」
七松は雅がもつ鉄扇を指をさせば、雅はひとつため息をつき、自分の武器である鉄扇で、七松の首元ギリギリを狙い打つ。七松は雅の攻撃を避け、鉄扇は七松の後ろにあった木に命中した。
「雅?」
突如自分を攻撃した雅に動揺を隠せずに名前を呼べば、雅は真剣な眼差しで七松を見つめていた。
「私の腕触ってみなさいな。それでも同じことを言えるの?」
七松は雅の腕に触れた。
それは自分の腕と明らかに違ったものだった。
色白で程よい筋肉がついた柔らかく細い腕だ。
「七松くん、男と女じゃ、こんなに違うのよ。これでも真正面からやり合えと?」
真面目な彼女の問いかけに七松は声を出すことができなかった。
「‥なんてね。驚いたかしら」
雅はニコリと微笑み、七松の腕を払い除け、武器である鉄扇を胸元にしまう。
「それじゃあ、お話楽しかったわよ。またね」
雅は七松にそれだけ言い残し、自室へと戻って行くのであった。
「雅、約束覚えてるか」
「当たり前よ、覚えているわ」
昨日の今日だ忘れるわけがない。
彼は嬉しそうに笑えば、話をしたかったことを話していく。
内容は、どれも他愛のないことだ。
体育委員会の後輩たちと鍛錬をした話、中在家長次がボーロを作りすぎた話、善法寺伊作の不運に、潮江文次郎と食満留三郎の喧嘩の内容。
どれも日常的な話だか、彼が楽しく話すため、雅は退屈しなかった。
「まぁ、雅のいない間も学園は平和だったということだ。ついつい私ばかり話してしまったが、雅はどんな実習をしてきたのだ。雅の話も聞きたい」
さぁ次はお前の番だと言わんばかりに目を輝かせ、こちらを見る。
「別に面白い話はないわ。おおむね作戦通りにできたもの」
「その作戦は私は知らん。雅は、そうやってすぐ勿体ぶる」
「勿体ぶっているわけじゃないわよ、ウチらは想定外のことなんて滅多に起こらないし、七松くんたちみたいに波乱万丈な実習じゃないもの」
「波乱万丈かどうかは、聞いてみないとわからないだろう。それに面白くなくともいい。雅から私に話してくれなければ一緒に話していることにならないだろう」
雅が話すことにこだわる七松を見て、雅は観念したのか、実習の内容を掻い摘んで話をしていれば、七松からさきほどまでの笑顔は消えてしまった。
「いつもそんな危ないことをしているのか?」
「いつもって当然じゃない。相手にいかに情報を引き出せるかって、忍にとって大切なことじゃない。今回は城主のお気に入りになって情報を聞き出すだけだし。それに、他のくのいちが手助けもしてくれるから、特別危ないというわけでもないしわよ。」
くのいちを目指す身だというからには、最大限、女であるということを活かす。それは基本的なことであり、雅のモットーでもある。
「戦って相手から情報を聞き出せば、いいだろう?なにもそんな周りくどいことをせずとも。」
「あのね、それは無理なのよ。七松くんじゃないんだから。というか、あの実習の内容なら立花くんや中在家くんだって。戦わずに情報を得る作戦にするわよ。立花くんなら女装も完璧だろうし、同じことするはずだもの。」
七松の同期の名前を出せば、彼が少しムッとした表情になったのが、すぐにわかった。
「雅、私は今、雅のことを話しているのだぞ。長次や仙蔵の話などしていない。それに雅は強いのは私は知っている。文次郎の喧嘩だって買ってでているのではないか。それにお前のその武器は使いこなしているだろう」
七松は雅がもつ鉄扇を指をさせば、雅はひとつため息をつき、自分の武器である鉄扇で、七松の首元ギリギリを狙い打つ。七松は雅の攻撃を避け、鉄扇は七松の後ろにあった木に命中した。
「雅?」
突如自分を攻撃した雅に動揺を隠せずに名前を呼べば、雅は真剣な眼差しで七松を見つめていた。
「私の腕触ってみなさいな。それでも同じことを言えるの?」
七松は雅の腕に触れた。
それは自分の腕と明らかに違ったものだった。
色白で程よい筋肉がついた柔らかく細い腕だ。
「七松くん、男と女じゃ、こんなに違うのよ。これでも真正面からやり合えと?」
真面目な彼女の問いかけに七松は声を出すことができなかった。
「‥なんてね。驚いたかしら」
雅はニコリと微笑み、七松の腕を払い除け、武器である鉄扇を胸元にしまう。
「それじゃあ、お話楽しかったわよ。またね」
雅は七松にそれだけ言い残し、自室へと戻って行くのであった。