1.ふたりの日常
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学園内に響く大きな声
それは私がどこで何をしていようが、彼は私を探しに来る。
それは退屈が嫌いな私にとっては心地よい。
素直に応じるか、応じず逃げるかとどちらにしようか決めかねていれば、彼はもう目の前にいた。
「雅みっけ。探したんだぞ」
「あら、見つかっちゃったわね。でもここは少し場所が悪いんじゃない。七松くん。ここは、くのいち教室の長屋で、しかもお風呂の近く。これから5年生がお風呂に入りにくるわよ?」
その発言で、目の前にいる人物は、ハッとしたように辺りを見渡した。
そして一言
「すまん、そんなつもりはなくてだな」
「知ってるわよ、七松くん。あなたがそんな人じゃないくらい。土だらけのあなたを見ればわかるわ」
彼の来た道を示すように、くのいち教室の長屋には塹壕が作られていた。
私を見つけるために、周りのことなど気にせず塹壕を掘り進めてきたのだろうというのは明らかだ。
「それで、ご用件は?お風呂あがりで髪を乾かしてもいないのだから。手身近にお願いするわ」
「うむ、用件はだな。お前が帰ってきたと聞いて会いに来たのだ。」
「それじゃ、もう用件は済んだんじゃない。どこも怪我もしてないしね」
もういっていいかなと歩みを進めれば、待てと制止がかり、腕は七松に掴まれた。
「なあに?私に会えたなら満足でしょ。離して頂戴な」
「会ったら、話したくなった。雅と話すのは楽しい。会うだけじゃだめだ」
真剣な顔をして答える七松に対して、雅はこんなことを考えていた。
女は男に腕力では叶わない。湯上がりのため手元に武器はなし。
さぁ、どうするか。
このまま話せば、湯冷めして風邪をひくのは見え透いている。
そして、私と七松くんが噂になることも。
それは避けたい。
この私の腕を掴んでいる男は、私に対して恋愛感情など微塵ももっていない。
友人としての感情か面白い奴として興味をもっているかどちらかだ。
だからこそ、七松くんと噂になることは避けたい。
そんな噂は彼に対して侮蔑的だ。
「七松くん。今日は駄目。これ以上騒ぐと山本シナ先生に報告するわよ。あの人が怖いの知ってるでしょ」
すると七松は一瞬怯んだ様子をみせ、その隙に自分の腕を開放する。
「明日の昼休みにでもお話しましょ。だから今日はおしまい」
「わかった。その代わり絶対明日は話すからな」
雅の交渉はどうやら交渉は成立したようだ
「塹壕埋めていって頂戴ね。それじゃ、他の人に見つからないように帰るのよ」
「わかった。じゃあ明日な」
「わかったわ、じゃあおやすみなさい。いい夢を。」
彼の塹壕を埋めながら帰る姿を見守りつつも、雅は、部屋に戻るのだった。
それは私がどこで何をしていようが、彼は私を探しに来る。
それは退屈が嫌いな私にとっては心地よい。
素直に応じるか、応じず逃げるかとどちらにしようか決めかねていれば、彼はもう目の前にいた。
「雅みっけ。探したんだぞ」
「あら、見つかっちゃったわね。でもここは少し場所が悪いんじゃない。七松くん。ここは、くのいち教室の長屋で、しかもお風呂の近く。これから5年生がお風呂に入りにくるわよ?」
その発言で、目の前にいる人物は、ハッとしたように辺りを見渡した。
そして一言
「すまん、そんなつもりはなくてだな」
「知ってるわよ、七松くん。あなたがそんな人じゃないくらい。土だらけのあなたを見ればわかるわ」
彼の来た道を示すように、くのいち教室の長屋には塹壕が作られていた。
私を見つけるために、周りのことなど気にせず塹壕を掘り進めてきたのだろうというのは明らかだ。
「それで、ご用件は?お風呂あがりで髪を乾かしてもいないのだから。手身近にお願いするわ」
「うむ、用件はだな。お前が帰ってきたと聞いて会いに来たのだ。」
「それじゃ、もう用件は済んだんじゃない。どこも怪我もしてないしね」
もういっていいかなと歩みを進めれば、待てと制止がかり、腕は七松に掴まれた。
「なあに?私に会えたなら満足でしょ。離して頂戴な」
「会ったら、話したくなった。雅と話すのは楽しい。会うだけじゃだめだ」
真剣な顔をして答える七松に対して、雅はこんなことを考えていた。
女は男に腕力では叶わない。湯上がりのため手元に武器はなし。
さぁ、どうするか。
このまま話せば、湯冷めして風邪をひくのは見え透いている。
そして、私と七松くんが噂になることも。
それは避けたい。
この私の腕を掴んでいる男は、私に対して恋愛感情など微塵ももっていない。
友人としての感情か面白い奴として興味をもっているかどちらかだ。
だからこそ、七松くんと噂になることは避けたい。
そんな噂は彼に対して侮蔑的だ。
「七松くん。今日は駄目。これ以上騒ぐと山本シナ先生に報告するわよ。あの人が怖いの知ってるでしょ」
すると七松は一瞬怯んだ様子をみせ、その隙に自分の腕を開放する。
「明日の昼休みにでもお話しましょ。だから今日はおしまい」
「わかった。その代わり絶対明日は話すからな」
雅の交渉はどうやら交渉は成立したようだ
「塹壕埋めていって頂戴ね。それじゃ、他の人に見つからないように帰るのよ」
「わかった。じゃあ明日な」
「わかったわ、じゃあおやすみなさい。いい夢を。」
彼の塹壕を埋めながら帰る姿を見守りつつも、雅は、部屋に戻るのだった。
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