逃避行
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学園卒業日の前日
沙知は明日の出立に備えて手荷物をまとめていた。
同室のくのたまは、忍たま達と酒を酌み交わしに行ったが、沙知はそんな気にはなれずに、いつも通り布団をひき、横になろうとすれば、外から音がした。
外部の者だろうかと怪しみつつ、気配を探れば、何者かが近くいることはわかった。
しかし敵意は感じない。
沙知は自室の戸を、ゆっくりと開けば矢文に気がついた。
矢文の内容を確認しようと中身を開いた時、沙知の自室から人の気配を感じ、振り向けば、そこには以外な人物がいた。
「立花先輩」
「久しぶりだな。しかし見事。すぐに私の侵入に気づくとは」
彼は愉快げに微笑みながら、沙知を見つめた。
「どうして、こちらに。というかこちらは男子禁制です」
くのいち教室は男子禁制。
それは卒業生である彼なら、よく知っていることだろう。
なのに、なぜここにいるのか。沙知は疑問に思った。
「安心しろ。山本シナ先生には許可は頂いている」
くのいち教室の教師である山本シナが許可をしているのであれば、沙知が咎めることはない。
しかし、なぜ彼はここにいるのか。
沙知は仙蔵に問えば、彼は頷いた。
「お前を嫁にするため、ここに来たのだ」
真剣な表情で話す仙蔵に、沙知はキョトンとしてしまう。
仙蔵と沙知は将来を約束した仲でも、恋人同士でもない。
ただの先輩と後輩だ。
彼が沙知に求婚する理由は、全くもって見当たらない。
「まぁ、そう驚くな。お前は私のことが好きだろう。私もお前のことを好いている。お前が明日卒業し実家に就職すれば、必ず誰かのモノになってしまう。そういう立場なはずだ。だから今日来たのだ」
驚くなという方が無理がある。
それに仙蔵のことを、こっそりと慕っていたことがバレているのが恥ずかしいし、その相手が好きと言ってくれるのは純粋に嬉しい。
色んな感情が混ざり合ってはいるが、沙知はドキドキと心臓の音が速まっている。
「お気持ちは嬉しいのですが、私は実家に就職しなければなりません。先輩は私の実家に就職したわけではないのでしょう。ならば、私を娶るのは難しいでしょう」
沙知の実家はプロの忍だ。
そして将来の夫となる人は、言われてないが決まっている。
仙蔵と共にすることを選べば、実家から追われることは間違いない。
そうすれば、仙蔵にも迷惑がかかることは明白だ。
それだけは避けたいため、彼の申し出を断れば仙蔵は沙知の頬に軽く触れた。
「自分の気持ちより、家業か。お前らしいな」
「家業のために、ここにきましたから」
実家では、くのいちについて学ぶ術がなかった。
だからこの学園に入学をして、くのいちについて学ぶ必要性があった。
だから、彼の手を取ることなど許されない。
すると、彼はフッと口角を上げた。
「だから、お前の実家を訪ね、両親には許諾は得てきた」
彼は書面を広げて、こちらに見せた。
書面は立花仙蔵と千川沙知の婚姻を許可するもので、筆跡は紛れもなく父と母の文字だった。
「だから、沙知。一緒に来い」
何も心配することはない。私に全て任せておけという強い瞳を見て、沙知は彼の手をとれば、仙蔵は沙知をお姫様抱っこをした。
そして静かに戸を閉じ、学園を抜けた。
仙蔵と沙知が新たな生活を始める場所は、まだ遠い。
沙知は仙蔵の瞳を捉えて、微笑めば、仙蔵も優しく微笑んだのだった。
沙知は明日の出立に備えて手荷物をまとめていた。
同室のくのたまは、忍たま達と酒を酌み交わしに行ったが、沙知はそんな気にはなれずに、いつも通り布団をひき、横になろうとすれば、外から音がした。
外部の者だろうかと怪しみつつ、気配を探れば、何者かが近くいることはわかった。
しかし敵意は感じない。
沙知は自室の戸を、ゆっくりと開けば矢文に気がついた。
矢文の内容を確認しようと中身を開いた時、沙知の自室から人の気配を感じ、振り向けば、そこには以外な人物がいた。
「立花先輩」
「久しぶりだな。しかし見事。すぐに私の侵入に気づくとは」
彼は愉快げに微笑みながら、沙知を見つめた。
「どうして、こちらに。というかこちらは男子禁制です」
くのいち教室は男子禁制。
それは卒業生である彼なら、よく知っていることだろう。
なのに、なぜここにいるのか。沙知は疑問に思った。
「安心しろ。山本シナ先生には許可は頂いている」
くのいち教室の教師である山本シナが許可をしているのであれば、沙知が咎めることはない。
しかし、なぜ彼はここにいるのか。
沙知は仙蔵に問えば、彼は頷いた。
「お前を嫁にするため、ここに来たのだ」
真剣な表情で話す仙蔵に、沙知はキョトンとしてしまう。
仙蔵と沙知は将来を約束した仲でも、恋人同士でもない。
ただの先輩と後輩だ。
彼が沙知に求婚する理由は、全くもって見当たらない。
「まぁ、そう驚くな。お前は私のことが好きだろう。私もお前のことを好いている。お前が明日卒業し実家に就職すれば、必ず誰かのモノになってしまう。そういう立場なはずだ。だから今日来たのだ」
驚くなという方が無理がある。
それに仙蔵のことを、こっそりと慕っていたことがバレているのが恥ずかしいし、その相手が好きと言ってくれるのは純粋に嬉しい。
色んな感情が混ざり合ってはいるが、沙知はドキドキと心臓の音が速まっている。
「お気持ちは嬉しいのですが、私は実家に就職しなければなりません。先輩は私の実家に就職したわけではないのでしょう。ならば、私を娶るのは難しいでしょう」
沙知の実家はプロの忍だ。
そして将来の夫となる人は、言われてないが決まっている。
仙蔵と共にすることを選べば、実家から追われることは間違いない。
そうすれば、仙蔵にも迷惑がかかることは明白だ。
それだけは避けたいため、彼の申し出を断れば仙蔵は沙知の頬に軽く触れた。
「自分の気持ちより、家業か。お前らしいな」
「家業のために、ここにきましたから」
実家では、くのいちについて学ぶ術がなかった。
だからこの学園に入学をして、くのいちについて学ぶ必要性があった。
だから、彼の手を取ることなど許されない。
すると、彼はフッと口角を上げた。
「だから、お前の実家を訪ね、両親には許諾は得てきた」
彼は書面を広げて、こちらに見せた。
書面は立花仙蔵と千川沙知の婚姻を許可するもので、筆跡は紛れもなく父と母の文字だった。
「だから、沙知。一緒に来い」
何も心配することはない。私に全て任せておけという強い瞳を見て、沙知は彼の手をとれば、仙蔵は沙知をお姫様抱っこをした。
そして静かに戸を閉じ、学園を抜けた。
仙蔵と沙知が新たな生活を始める場所は、まだ遠い。
沙知は仙蔵の瞳を捉えて、微笑めば、仙蔵も優しく微笑んだのだった。
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