尾浜勘右衛門に嫉妬される
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木陰で読書を嗜む今日、私の元には1人の1年生が訪れていた。
「千川先輩、よろしければ、こちらを受け取ってください」
顔を少し紅く染めながら、一輪の花を私に傾ける。
その様子に可愛らしいと思い、お礼を述べて受け取れば彼は嬉しそうな顔をして、綺麗な花があったらまた持ってきますと言い残して、その場を去って行った。
「今日もモテモテだね、さすが初恋泥棒」
「尾浜くん、盗み見なんて趣味が悪いですよ」
からかい口調で、こちらに近づいてきたのは同級生で、恋人の尾浜勘右衛門だ。
彼は私の許可をとるまでもなく、ゴロンと私の膝へ頭をのせ、私は彼を膝枕している状態となる。
「盗み見なんてしてないさ。たまたまだよ。沙知」
「そういうことにしておきます」
嘘が真か読めない答えに、私は彼の言い分を尊重し前髪を優しく撫でた。
「そうやって、沙知が自分から触れてくれるのは、彼氏特権だよね。他の奴らに膝を貸すことはあっても、強請らなければ沙知はしないから」
「やっぱり盗み見してたんじゃない」
1人の少年が現れる少し前、綾部くんが私の元を訪れ、許可をとらずに膝に寝転んだ彼は、「先輩、撫でてください」と言ってきた。
そのため、私は彼の頭を撫でていたのだが、その姿を彼は見ていたのだ。
「盗み見なんかじゃないって。綾部が強請るのは今日がはじめてじゃないだろ?それに下級生が沙知に恋心を持つのだって。」
「妬いてるんですか?」
「妬いてないって思ってたの?下級生はまぁ、仕方ないし、沙知の交友関係を咎めるつもりはないから、先輩や兵助達と仲良くするのは大目に見るけどさ。沙知のことをよく知らない野郎と話すのを見るのは嫌かなぁ」
「よく知らない野郎って、どなたのことですか?」
「町にいる男とか?こないだ茶屋で、しつこくナンパされてたでしょ。それに沙知のお尻とか胸とか舐め回すように見てた男もいたし、ドサクサに紛れてお触りしたやつもいるし。沙知のお尻も胸も全部俺のものなのにさ」
この間の実習のことを恐らく言っているのであろう。少々怪しい茶屋で情報を盗むために潜入していたときのことがあったのだが、なぜそれを知っているのだろうか。
「服の上からでもわかる、慎ましやかながら形のいい胸に、安産型のお尻。優しげで温和な雰囲気。それで落ちない男がいないわけないじゃん。」
「くのたまとしては嬉しいお言葉ですが、恋人に力説されると複雑な気持ちです。というか胸は大きさを気にしてるんですから、あまり言わないでください」
「いやいや、大きければいいもんじゃないから。ほらこの掌に収まるくらいの大きさが、いいんだって。形もきれいだし。まぁ、大きい方がいいなら育てるけどさ」
膝枕から起き上がった彼はムニュと私の胸を揉んで語る。
彼が一語りしたあとに、本で一発殴れば彼はすぐに手を離した。
「何も殴ることないじゃん。でも、わかった?けっこうヤキモチ焼きってことは?」
「それはもちろん」
「じゃ、今晩久々にさ‥痛ったぁ」
彼の言葉を最後まで聞くまでもなく、本でもう一発、頭を殴る。
「外に放り出される久々知くんが可哀想なので却下です。私の部屋も同室がいますから。」
「はぁ、仕方ないなぁ。沙知とイチャイチャできるのは、だいぶ先かぁ」
ため息をつきつつ、また彼は私の膝の上に寝転んだ。
「でも、まぁ。久しぶりに、二人で過ごせるんだし。いいか。」
愛おしそうに見つめられる。
彼のその表情が好きで、再び髪を撫でる。
「勘ちゃん。大好きですよ」
「俺も大好きだよ、沙知」
日が暮れるまで、この木陰で二人で過ごすのだった。
「千川先輩、よろしければ、こちらを受け取ってください」
顔を少し紅く染めながら、一輪の花を私に傾ける。
その様子に可愛らしいと思い、お礼を述べて受け取れば彼は嬉しそうな顔をして、綺麗な花があったらまた持ってきますと言い残して、その場を去って行った。
「今日もモテモテだね、さすが初恋泥棒」
「尾浜くん、盗み見なんて趣味が悪いですよ」
からかい口調で、こちらに近づいてきたのは同級生で、恋人の尾浜勘右衛門だ。
彼は私の許可をとるまでもなく、ゴロンと私の膝へ頭をのせ、私は彼を膝枕している状態となる。
「盗み見なんてしてないさ。たまたまだよ。沙知」
「そういうことにしておきます」
嘘が真か読めない答えに、私は彼の言い分を尊重し前髪を優しく撫でた。
「そうやって、沙知が自分から触れてくれるのは、彼氏特権だよね。他の奴らに膝を貸すことはあっても、強請らなければ沙知はしないから」
「やっぱり盗み見してたんじゃない」
1人の少年が現れる少し前、綾部くんが私の元を訪れ、許可をとらずに膝に寝転んだ彼は、「先輩、撫でてください」と言ってきた。
そのため、私は彼の頭を撫でていたのだが、その姿を彼は見ていたのだ。
「盗み見なんかじゃないって。綾部が強請るのは今日がはじめてじゃないだろ?それに下級生が沙知に恋心を持つのだって。」
「妬いてるんですか?」
「妬いてないって思ってたの?下級生はまぁ、仕方ないし、沙知の交友関係を咎めるつもりはないから、先輩や兵助達と仲良くするのは大目に見るけどさ。沙知のことをよく知らない野郎と話すのを見るのは嫌かなぁ」
「よく知らない野郎って、どなたのことですか?」
「町にいる男とか?こないだ茶屋で、しつこくナンパされてたでしょ。それに沙知のお尻とか胸とか舐め回すように見てた男もいたし、ドサクサに紛れてお触りしたやつもいるし。沙知のお尻も胸も全部俺のものなのにさ」
この間の実習のことを恐らく言っているのであろう。少々怪しい茶屋で情報を盗むために潜入していたときのことがあったのだが、なぜそれを知っているのだろうか。
「服の上からでもわかる、慎ましやかながら形のいい胸に、安産型のお尻。優しげで温和な雰囲気。それで落ちない男がいないわけないじゃん。」
「くのたまとしては嬉しいお言葉ですが、恋人に力説されると複雑な気持ちです。というか胸は大きさを気にしてるんですから、あまり言わないでください」
「いやいや、大きければいいもんじゃないから。ほらこの掌に収まるくらいの大きさが、いいんだって。形もきれいだし。まぁ、大きい方がいいなら育てるけどさ」
膝枕から起き上がった彼はムニュと私の胸を揉んで語る。
彼が一語りしたあとに、本で一発殴れば彼はすぐに手を離した。
「何も殴ることないじゃん。でも、わかった?けっこうヤキモチ焼きってことは?」
「それはもちろん」
「じゃ、今晩久々にさ‥痛ったぁ」
彼の言葉を最後まで聞くまでもなく、本でもう一発、頭を殴る。
「外に放り出される久々知くんが可哀想なので却下です。私の部屋も同室がいますから。」
「はぁ、仕方ないなぁ。沙知とイチャイチャできるのは、だいぶ先かぁ」
ため息をつきつつ、また彼は私の膝の上に寝転んだ。
「でも、まぁ。久しぶりに、二人で過ごせるんだし。いいか。」
愛おしそうに見つめられる。
彼のその表情が好きで、再び髪を撫でる。
「勘ちゃん。大好きですよ」
「俺も大好きだよ、沙知」
日が暮れるまで、この木陰で二人で過ごすのだった。
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