雨の日も悪くない
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二人が辿りついた先は、裏山の洞窟だった。
二人きりになるには、ちょうどいい場所だった。
「‥あいつら、追っかけてこないだろうな」
「大丈夫だよ。三郎や六年生の先輩方じゃないんだから。普通に帰ってるって。」
洞窟から、ひょっこり顔をだして追手が来ないかどうか心配する竹谷に、ゆかりは大丈夫と声をかける。
「それもそうか。あの優等生コンビが、そういうことするはずもないか」
竹谷はそれもそうかと納得したのか、ゆかりの隣に腰を掛けた。
二人の距離は、傘をさしてた時より近くなっていた。
「でも、驚いた。八左ヱ門が私のこと好きだったなんて」
「いや、俺も。ゆかりが俺のこと好きだなんて。夢でも見てるみたいだ。」
そう言った竹谷はギュッとゆかりを抱きしめた。突然のことにゆかりは驚きつつも、竹谷に身を委ねた。
「でも、夢じゃねーんだよな。ゆかりの体温、肌の感触。全部、本物だ」
幸せそうに語る竹谷にゆかりは顔を赤くした。
ゴツゴツとした彼の身体が、自分に伝わり竹谷が男だと再認識したからだ。
「なぁ、今度、どっか二人で出掛けよう。今日はあいにくの雨だけどさ」
「うん、でも、こうして八左ヱ門と一緒にいれるなら、こんな雨の日でも、うれしいよ?」
「おま、そんな可愛いこと言うなよ。でも、そうだな。天気とか関係ないか」
ゆかりの言葉に頬を赤くしつつも、竹谷ははにかんだ。
「なぁ、もう少しこうしてていいか?」
「もちろん。雨が上がるまで。ずっとこうしていようよ」
お互い、ギュッと離さぬように抱きしめ合う。
この時間が愛おしくて、たまらない。
雨なんか上がらなければいいと二人で思いながら、こんなことを思った。
雨の日も悪くないと。
二人きりになるには、ちょうどいい場所だった。
「‥あいつら、追っかけてこないだろうな」
「大丈夫だよ。三郎や六年生の先輩方じゃないんだから。普通に帰ってるって。」
洞窟から、ひょっこり顔をだして追手が来ないかどうか心配する竹谷に、ゆかりは大丈夫と声をかける。
「それもそうか。あの優等生コンビが、そういうことするはずもないか」
竹谷はそれもそうかと納得したのか、ゆかりの隣に腰を掛けた。
二人の距離は、傘をさしてた時より近くなっていた。
「でも、驚いた。八左ヱ門が私のこと好きだったなんて」
「いや、俺も。ゆかりが俺のこと好きだなんて。夢でも見てるみたいだ。」
そう言った竹谷はギュッとゆかりを抱きしめた。突然のことにゆかりは驚きつつも、竹谷に身を委ねた。
「でも、夢じゃねーんだよな。ゆかりの体温、肌の感触。全部、本物だ」
幸せそうに語る竹谷にゆかりは顔を赤くした。
ゴツゴツとした彼の身体が、自分に伝わり竹谷が男だと再認識したからだ。
「なぁ、今度、どっか二人で出掛けよう。今日はあいにくの雨だけどさ」
「うん、でも、こうして八左ヱ門と一緒にいれるなら、こんな雨の日でも、うれしいよ?」
「おま、そんな可愛いこと言うなよ。でも、そうだな。天気とか関係ないか」
ゆかりの言葉に頬を赤くしつつも、竹谷ははにかんだ。
「なぁ、もう少しこうしてていいか?」
「もちろん。雨が上がるまで。ずっとこうしていようよ」
お互い、ギュッと離さぬように抱きしめ合う。
この時間が愛おしくて、たまらない。
雨なんか上がらなければいいと二人で思いながら、こんなことを思った。
雨の日も悪くないと。
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