本編
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『……なんか3年のみんなピリピリしてるね?』
「…そッスね」
3年生たちからある程度の事情は聞いている国見は、その根源とも言える悠桐の発言に曖昧に頷いた。
3年生たち曰く、今日の練習試合の相手を「完膚無きまでに叩き潰す」のだそうだ。
割と理性的だと思っていた花巻や松川も「遠慮しなくていい」なんて言うものだから、国見はとりあえず頷くしかなかった。
『とりあえずこれ、練習してた時の相手チームのクセとか攻撃パターンね』
「ありがとう伏見ちゃん」
渡されたノートに目を通してチームメイトに指示を出していく及川を見届けて、悠桐はビブスの準備に取り掛かった。
人数分を揃えて、大学生の分も用意する。
談笑している大学生たちに近付いて、悠桐はビブスを差し出した。
『どうぞ』
「あ、ありがとねー」
「どこにデート行きたいか考えといてね?」
ビブスを受け取ったのとは逆の手で、大学生はさりげなく悠桐の手を握ろうとする。それをやんわりと避けて、悠桐は口元に笑みを乗せた。
『そちらこそ、今のうちに差し入れを買うお金の捻出でもしていた方がいいのでは?』
「あ、俺気が強い女の子超タイプ」
『(話が通じねぇなぁ)』
ははは、と愛想笑いをしつつそんなことを考えていると、グイッと後ろから肩を掴まれて何歩か後ずさることになった。
「すみません、そろそろ返してもらいますね」
『マッキー?』
にこり、と笑いながら大学生に言ってのけたのは花巻で、そのまま手首を掴まれて青城コートへ連れて行かれる。
「ビブス渡すだけで何ナンパされてるのさ!」
『されてないわ!』
「デート誘われてたじゃねーか」
「あの大学生たち、女の子漁りに来てるの?」
「うんこ野郎だな」
『ついでに話も通じないバカ共だよ』
「オッケーオッケー、それじゃあ」
及川は笑顔でパンパンと手を叩き、チームメイトたちへその手を広げてみせた。
「コテンパンにやっちゃおうね」