本編
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「天童さん、瀬見さん、アップ始めるそうです」
『!』
体育館から出てきて、天童と瀬見に声を掛けたのは白布だった。
『しっ…しらっ、しらぶくん…!!』
「…ああ、青城の」
どうも、と控え目に頭を下げられて、悠桐は思わずその姿に目を奪われた。
『(間近で見ると破壊力すげぇな…!そのサラツヤヘアーとキラキラした瞳はなんですか?天使か?天使だな?)』
「……おーい、伏見?」
「全然聞こえてないね」
目の前で手を振ってみても、悠桐はポーッと白布を見つめたまま動かない。
「一目惚れというやつかねぇ英太くん」
「俺に聞かれても…」
「あの…」
『は、はいっ!?』
ずい、と悠桐の顔を覗き込んだ白布は、怪訝そうな顔をした。
「大丈夫ですか?その…頭とか」
『大丈夫だけど失礼だな君は』
ようやく正気を取り戻した悠桐は、眉間に皺を寄せて言い返す。
「おかえり悠桐チャン!」
『はいはいただいまー』
適当に返事を返して、悠桐はスクイズが入ったカゴを持ち直した。
「失礼なのは人を凝視してた方だと思います」
『歳下の正論パンチ引くほど痛い』
確かに失礼だったと反省する悠桐を見て、天童が面白そうに口元に笑みを浮かべる。
「賢二郎が女の子に話しかけるって何かレアだね~」
「確かにあんまり見ないな」
『話しかけるっていうか毒吐かれただけなんだけど』
「女じゃなくてゴリラだって聞いたので」
『ちょっと待ってそれどこで聞いたの』
白布の口から出た言葉に、悠桐は食ってかかる勢いで詰め寄った。
「ピンク色の頭の…」
『花巻あの野郎…!』
「ゴリラどこ行ったって探してましたよ」
花巻はあとでシメるとして、とりあえず笑っている天童と瀬見をどうにかせねばと、悠桐は固く心に誓った。