本編
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「ねえねえ青城のマネちゃん」
『……』
「ねえってばー」
え、待ってこれなんなの?
漫画もアニメも見たから何となく知ってるつもりではいたけど、これなんなの?(2回目)
「なーまーえー。教えてよー」
『貴様に名乗る名など捨てた』
「えっ!カッコイイ!!」
まじかこいつボケ殺しもいいところだろ。
白鳥沢のゲスこと天童覚、ここまで鬱陶しいとは思わなかった。
やめろ私の周りをくるくる回るな。なんかの儀式か。
ゴールデンウィークは早くも最終日を迎えて、現在白鳥沢学園の体育館から出たところにある水道でドリンクを作っている。
この一週間ほどの間にマネ業に慣れ、悠桐は手際よくドリンクが入っているスクイズをカゴに入れた。
先程体育館に入った際に部員全員が挨拶をしてくれた。遠目ではあったが、その時見たセッターの白布賢二郎が想像以上に美しかった。
牛島ラブな彼のセットアップを見られるのかと心を踊らせ、鼻歌まじりで一人作業をしていたのだ。さっきまでは。
「ねえってばーあー」
『うっっっぜえ!!』
これなんなの?(3回目)
答えてくれないからだよーんなんて調子よく続ける天童くんは、あろうことか私の首にすがり付いてだらんと力を抜いている。
首締まって死にそう。
『重い……!!』
「言うわりに進むね!力持ちだネ!」
ずーりずーりと天童くんを引きずる形で少しずつ体育館へ戻ろうとしたけど、やっぱり無理。だってこの人まっつんくらい身長あるじゃん、確か187くらいでしょ。無理じゃん。私いまレギュラー全員分のスクイズ持ってるんだぞ。無理じゃん。
「おーいてんど……何やってんだおまえぇぇ!?」
「あ、えーたくーん!」
天童くんを探しに来たのであろう、体育館から出てきたのは白鳥沢の良心・瀬見さんだった。
『この……子泣きじじいを…引き取ってください……!!』
「子泣きじじいじゃないよー覚ダヨー」
似たようなもんだろ。
「とりあえず離れろよ!青城マネ殺す気か!?」
べりっと天童くんを剥がしてくれた瀬見さんは、私に向かって頭を下げてくれた。なんて良い人。
「ごめんな、迷惑かけて」
『瀬見さんが優しくしてくれたから不問にします』
「英太クンには優しいの納得いかない」
『セクハラで訴えられないだけ助かったと思えよ』
どこまで自由なんだお前は。
「本当に悪かったな。で…何で俺たちの名前知ってるんだ?」
『あー…ほら、対戦相手のことはバッチリ調べてあるからですよ!』
そういうことにしとこうよ!ね!
最初から知ってましたよーんなんて口が裂けても言えない。
納得してくれたらしい瀬見さんは一度頷いてくれた。
「あー、まぁそうか。えっと…名前聞いてもいいか?」
『青城3年の伏見悠桐です』
「名前は捨てたんじゃなかったの!?」
『……瀬見さんも大変ですね、チームにこんなのがいると』
「本当にな」
「英太くんも悠桐チャンも酷い~」
『なに勝手に名前で呼んでんだ』
「いいじゃん減るもんじゃないしぃ」
『減る減る。SAN値減る』
さっさと体育館に戻りたい。