僕らの性春
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『ねーまっつんのはどれー?』
「俺?俺はねー」
「松川、抵抗って言葉知ってる?」
松川は人妻モノだと勝手に思い込んでいた悠桐は、もうどうしても松川の性癖が知りたかった。
一応花巻が止めるが、松川は特に気にしないのか床にしゃがみ込む悠桐の隣に、同じようにしゃがみ込んだ。
「これ」
『うわ、寝取られ。なに、寝取られ願望あるの?』
「どっちかって言うと寝取るほう」
『やだまっつん性格悪いー。スケベー』
「あざーっす」
『褒めてはねえよ』
「というかこれ、シチュエーションというより女優が可愛い」
『あーこういうタイプが好きなんだ』
「ブリュンヒルデ玲子に似てる」
『(…それってあれだろ、いつかサダ子に出るやつだろ)』
まだ遭遇していない赤髪のモンスターが脳内をチラつく。ちょっと、ややこしいから出てこないで。
『マッキーは?』
「どうでもいいんじゃなかったのかよ」
『いやもうこの際聞いておこうかと』
「何に役立てるつもりだよ」
『いやあ、ははは』
適当に笑って誤魔化す悠桐に、花巻は大きな溜め息をついた。
「ぜってー教えねー」
『えーケチー』
「普通は教えねぇだろ!」
『まっつん普通じゃないって』
「まじかショックー」
大してダメージも受けてなさそうに返答する松川に、花巻はまた溜め息をつく。
「伏見ちゃんさあ」
『ん?』
「例えば彼氏がこういうの観てたらどう思う?」
及川の質問に、悠桐はあっけからんと答えた。
『え、別に。楽しんでるねって思う』
「それはそれでどうなの…」
『何なら元彼がAV観て一人で頑張ってる姿を目撃してしまった時の話でもしようか?』
「「「ゴフッ!」」」
悠桐の思わぬ発言に、着替えを中断して水分補給を行っていた何人かが咳き込んだ。
「覗くなんてサイテーだよ伏見ちゃん!」
『デートの約束してたのに時間になっても来ないから、心配になって家まで行っただけだっつーの』
私は何も悪くない、という顔で悠桐は及川に反論する。
「ゲホッ……で、その元彼の反応は?」
復活した花巻に聞かれ、悠桐は思い出すように首を捻る。なんせ前の世界での話だ。何年前だったか?
『えーっと……とりあえず私が色々面白くなってめっちゃ笑った』
「サイテーだね」
『その時の反応は覚えてないけど、その後フラれたのは覚えてる』
「それは…フラれますね」
『え、私悪いとこあった?』
「一番見られたくないとこ見られて爆笑されて嫌じゃない男はいない」
『えー納得いかない』
そもそもデートをすっぽかして一人で楽しんでいるのがおかしいのだ。怒らなかった事を褒めてほしいくらいなのに。
悠桐は面白くなさそうにむくれて見せた。そんな悠桐を横目に花巻が口を開く。
「で、伏見はいつまでここにいるつもりですか」
『え?』
「ちょっとー。そんなに俺たちのパンツが見たいのー?伏見ちゃんのエッチー」
『は?黙ってろスク水JK』
「俺はスク水JKじゃねーし!!」
及川へ罵声を浴びせたあと、悠桐は部室に置かせてもらっていた自分の荷物を持った。そのままスタスタと歩いて部室の扉のノブを握る。
『あ、そうそう』
「?」
ノブを握ったままくるりと振り返り、悠桐は左手でまだ床に散らばったままのAVを指差す。
『今度それ見つけたら、適当に全員の名前と学年とクラスを油性マジックで書いて職員室の前に並べるからね』
「鬼かよ!!」
「悪事と性癖が一斉に拡散されるとか拷問か…」
「しかも謂れのない性癖」
「どちらにせよ全部アウトですね」
満場一致で全員が家に持ち帰ることになった。
ちなみに、「俺、ネット配信派なんで」と涼しい顔で言ってのけた国見が本日一番の衝撃だったと、後に悠桐は語る。
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