本編
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「…え、いまなんて?」
『だから、限定マネージャーやります』
朝、自分の教室へ向かう前に及川の教室へ寄った悠桐は、及川の質問に再度答える。
『白鳥沢との対戦が見たい』
「……」
キリッとした顔で言い切る悠桐に、及川は面白くなさそうな顔をする。ちなみにたまたまいた花巻も面白くなさそうな顔だ。
「へーえ。ふーん」
『なに』
「別にー?白鳥沢に会いたいからマネージャーやるんだと思って」
トゲのある花巻の言葉に、悠桐は首を傾げる。
『なんなの、拗ねてんの?』
「ちがいますー」
『確かに白鳥沢に会いたいのもあるけどさ、純粋に試合が見たいんだって』
「本当に?」
『だってインハイとか春高は平日にやるでしょ。当たっても見られないじゃない』
「まぁ確かに」
一応は納得したらしい二人に、悠桐はホッと息を吐く。
「ていうかとりあえず伏見ちゃんに頼んだけど、マネージャーの仕事とか出来るの?」
及川の言葉に、悠桐は腰に手を当ててふんぞり返った。
『なめんなよ!これでも中学時代、男バレのマネージャーを』
「「してた!?」」
『してた子と、友達だった!』
「なんだよ…」
「なめられて然るべきだよ」
『うるさい。たまに手伝ってたわ』
悠桐にしてみればもう10年以上も前のことだから、ぶっちゃけマネージャーの仕事はうろ覚えだ。
そのため、マネージャーを頼まれた昨日、帰りに本屋に立ち寄って、テーピングのやり方などが書かれた本を買って帰った。マネージャー業に関してはネットで調べ、ある程度思い出したつもりだ。
「まぁいいか。じゃあとりあえず、ゴールデンウィークから練習に参加でーー」
『あ、もし監督とかコーチが大丈夫なら、是非とも今日からお願いします』
「え?」
「なんで?」
『ぶっつけ本番で記憶掘り起こしてマネ業とか出来るほど器用じゃないし。迷惑かけに行くんじゃ意味ないし、やるからにはちゃんとやる』
思い出したつもりだとしても、実践でいきなり動けというのは無理がある。引き受けたからにはきちんとやりたい。
よろしくお願いします、と頭を下げる悠桐に、及川と花巻は嬉しそうに笑った。
「多分大丈夫だと思う。一応昼休みに聞いておくね」
『うん。ありがとう』
タイミングよく予鈴が鳴り、悠桐と花巻は及川と別れて教室を出る。
『で、なんでマッキーはあそこにいたの?』
「古典の教科書を借りに」
『忘れ物か。やる気あんの?』
「忘れ物くらい誰にでもあるだろ」
『あるけどあまりにもーー』
「?」
言いかけて止まる悠桐に、花巻は首を傾げた。
『マッキー』
「ん?」
『世界史の教科書貸してください』
「他に言うことは?」
『すんませんでした』