本編
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『(国見くんが惜しんでる…?いや、惜しんでるわけではない…?でもなんだその反応可愛いぞ…?)』
「…これ、国見ちゃんで押せばいけるんじゃない?」
「かもな」
ヒソヒソと会話する及川と岩泉の声は悠桐には聞こえていない。絆されかけている自分を自覚して、悠桐は小さく首を振った。
『…というか、休憩中なんだから休憩しなよ。私はもう帰る』
「えー」
『いやほんと、そろそろファンの方々の視線が痛いから帰らせて』
見てる超見てる。仲良すぎじゃない?とかヒソヒソしてるの全部聞こえてる。
「ゴールデンウィークも俺らのかっこいい所が見られるじゃん」
『マッキーのその自信はどこから来るの?』
そしてそれは普通にマネージャーじゃなくても見られる。
「朝から晩まで俺たちと一緒にいられるよ?」
『胃もたれするわ』
ステーキを食べたあとに焼肉を食べに行くようなものだ。25歳にそれはキツい。身体は17歳だとしても。
「バレーしてる俺らはかっこよくない?」
『かっ…こいい、けど』
軽く首を傾げる松川に、悠桐はぐっと言葉を詰まらせる。
「ま、お前が嫌なら無理にとは言わねぇけど。やってもらえたら助かるのは事実だな」
最終日は練習試合もあるし。と、岩泉が続ける。
『練習試合?』
「そ。白鳥沢とね」
『え』
悠桐は固まる。
白鳥沢と?ゴールデンウィークに練習試合?
そんなもん原作にはなかった。描かれていないだけであったのかもしれないけど。
つい最近あったらしい烏野との試合をうっかりして観戦し忘れていて、それはそれはショックを受けたことは記憶に新しい。
ハイキューキャラとの対戦。ちょっと気になる。いや、だいぶ気になる。
元々ハイキューは箱推し。白鳥沢だって大好きだ。特に白布賢二郎なんかは永遠に見ていられると思っている。
『…い、いや、普通の観客として来ても見られるから』
「どこで練習試合するかは絶対教えないけど」
『ぐっ…!』
白鳥沢、見たい。でもバレー部に深く関わりたくはない。しかしこの機会を逃せば、対白鳥沢戦は見られないかもしれない。
インターハイは平日だ。バレー部でなければ見に行くなんて出来ない。
悠桐はぐぬぬと腕を組んだ。
『………ちょっと、考える』
「え!?」
「おま、俺が誘っても頷かないのに白鳥沢と試合って分かった途端!?」
「白鳥沢に知り合いでもいんの?」
「聞いたことねぇな」
『あーもーうるさいうるさい』
両手でぴったりと耳を塞いで、悠桐はてくてくと歩いて外へ向かう。
『じゃ、また明日ね』
ひらひらと手を振って帰って行く悠桐の後ろ姿を見送って、青城バレー部員たちは少し面白くなさそうな顔をした。