プロポーズしてみた
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「あ、伏見さん」
『ん?』
シャーペンの芯を切らせてしまって、昼休みに購買へ来た。
ついでにチョコレートでも買って行こうかとお菓子コーナーで吟味していた時、声を掛けてきたのは国見だった。
『国見くんだー』
「お疲れ様です」
『おいっすー』
「国見、決まったか……あれ、えっと、伏見さん…でしたっけ」
『!』
国見を探しに来たのであろう、彼と同じ学年のMB、金田一勇太郎。
どうも、と頭を下げる金田一に、悠桐は嬉しそうに近づいた。
『金田一!くん!』
「え、あ、はい…金田一っス」
『ちゃんと話すのは初めましてだねー』
「ですね」
『ちょっとその頭撫でさせてください』
「えっ」
わきわき、と両手の指を曲げたり伸ばしたりしてみると、戸惑いながらも金田一は頭を下げてくれた。
『わーい!』
ツンツンしている。可愛い。
素直に頭を下げてくれるなんて、なんて良い子なんだろう。可愛い。(2回目)
「……あの、それ以上は金田一が困惑するんで」
『え、ああごめん』
国見から制止され、わしゃわしゃと撫で回していた手を止めて、悠桐はありがとね、と礼を述べる。
「いえ、こちらこそありがとうございます」
『…国見くん聞いた?撫でくり回されたのにありがとうって言ってくれた』
「そうですね」
『めっちゃ良い子だ。可愛い。好き。結婚したい』
「えっ!?け、結婚ですか!?」
『うん。私と結婚しない?』
「金田一、聞き流していいよ」
『おい、人のプロポーズだぞ』
悠桐からのラブコールに頬を染めた金田一だったが、悠桐が本気ではない事と、国見に言われて聞き流す方向に持っていく。
「伏見さん、お菓子買ってください」
「お、おい国見…」
『えー国見くん意地悪だからやだぁ』
「頭撫でてもいいですよ」
『しょーがないなぁ1個だけだぞ!』
「いいんだ…」
線が細いくせにしっかりと身長は高い国見の頭を撫でるとすれば、金田一のようにしゃがんでもらうか、自分が台の上に立たなくてはならない。そもそも彼は基本的に人との接触を良しとしていない。
それがお菓子を1つ買うだけで撫でさせてくれると言う。そんな滅多にないような誘いが舞い込んできたのだ。乗らない手はない。
だってあのサラツヤ髪に指を通してみたい。
『ほら、金田一くんも選んで』
「え…俺もいいんですか?」
『いいよ!ここまで来たら1個も2個も一緒じゃん』
へらっと悠桐が笑う。
その発言を聞いた国見は、両手に1個ずつお菓子を持った。
「じゃあ俺2個でお願いします」
『そういう意味じゃないんだなぁ』
結局それぞれ1個ずつお菓子を買い、購買を出て2人に手渡す。
『国見くん』
「……はい、どうぞ」
『やったぜ』
ちゃんと発言に責任を持った国見の頭を、悠桐はわしゃわしゃと撫で回した。
『キューティクル…!サラッサラやんけ…!!』
「……もういいですか」
『まだ』
「…金田一」
「お前がやるって言ったんだぞ」
「チッ」
助けを求める国見を一刀両断し、金田一は悠桐に買ってもらったお菓子を嬉しそうに眺める。
「はい、もう終わりです」
『はー…満足した…』
手がしあわせ…、と呟く悠桐を見て金田一はくすりと笑った。
『でもまぁとりあえず』
「「?」」
『条件付きで撫でさせてくれる国見くんより、無条件の金田一くんのが優しいことがよくわかった』
「は?」
『ヒッ…!』
「国見!」
ぎろりと睨まれた悠桐は咄嗟に金田一の後ろに隠れ、金田一は国見を咎める。
『国見くんこっわ…!』
「あー…すみません伏見さん」
『金田一くんは悪くない』
「悪いのは伏見さんですもんね」
『なんだと』
悠桐に買ってもらった塩キャラメルの袋をペリペリと開けながら、国見は特に悪びれる様子もない。
『まぁいいけど。……あ、』
「?どうしました?」
『自分のお菓子買うの忘れてた』
すっかり忘れてしまっていたことに落胆した悠桐だったが、目の前に差し出されたポッキーを見て目を丸くした。
差し出していたのは金田一だった。
「どうぞ。…って言っても、買ってもらったものですけど」
『いいの?』
「もちろんです!」
からりと笑ってみせる金田一に、悠桐は目を瞬かせる。
『…やっぱり結婚するなら金田一くんだわ』
「!?やっ、やめてください伏見さん!」
『恥ずかしいー?』
「恥ずかしいっス…」
『やだ、めっちゃ可愛い…』
「伏見さん…!」
「ヘンタイ…」
顔が赤い。
金田一は可愛い。