12.
夢小説設定
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『みんな、お疲れ様。おめでとう』
「八賀さん!おれの!おれのスパイク見てくれましたか!?」
「うるせぇ日向ボゲェ!!八賀さん!俺のトスはどうでしたか!?」
ぐいぐいと感想を求めてくる変人コンビを褒めたあと、唯月は西谷のところへ足を運ぶ。
『お疲れ様。二回戦突破おめでとう』
「あざっす!」
『今日いつもより良く見えてた気がする。調子良かった?』
「唯月さんが応援してくれてたんで!」
『……』
ニカッと笑う西谷は嬉しそうだ。
西谷への気持ちを自覚してからその笑顔を近くで見るのは随分心臓に悪く、きゅう、と締め付けられるそれがくすぐったい。
『あと……かっこよかったよ』
「!ありがとうございます!」
聞いたか龍!と隣にいた田中へ自慢するように西谷が声を掛けたところで、菅原が唯月に近づいた。
「唯月、見てたぞー」
『…?なにを』
「元カノ!抱き着かれてただろ!」
『は…、』
「なにイチャイチャしてたんだよ!」
告白でもされたか!と笑いながら唯月に詰め寄る菅原の言葉に、先程の出来事を思い出す。
【リベロくんに譲ってあげる】
【見てたらわかるよ。アホ】
『………』
「……え、唯月どうした…?」
「まさか本当に告白された…?」
告白されたのは事実だが、思い出したのはそのあと。西谷が好きなのだと簡単に見透かされた、あの瞬間。
それを思い出して無言になり、ほんのり頬を染めた唯月に勘違いが加速する菅原と澤村。
『うるさい。なんでもない』
「ちょっと待て詳しく!」
「おい!」
荷物を持ち直してバスへと向かう唯月を追いかける3年生を見送って、西谷は視線を落とした。
「……ノヤっさん、大丈夫か?」
「…おー」
自分だって見ていた。
唯月がサエに抱き着かれて、ギャラリーから一瞬消えたあの時。
何となく察することはできる。間違いなく告白されたのだろうと。
「…大丈夫だ」
茨の道は元より承知の上。それでも進むと決めたのだから。
「(最終的に選ばれなくても、…それでも)」
いまは簡単に諦めることは、まだ出来ない。
「(せめて…インハイの間だけでも、)」
その間だけでも、俺のものでいてくれよ、唯月さん。