11.
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翌、6月2日。
バレーボール競技、宮城県予選1日目。
「わざわざ見送りに来てくれたのか」
『まぁ、一応部員になったし』
朝。
武田の運転するバスで会場へ向かうために、バレー部は学校に集合していた。
唯月は朝から病院へ行くことになっており、初戦は観ることが出来ない。
だからせめて見送りくらいは、と、学校へ足を運んだのだ。
『ごめんね、初戦に行けないなんて』
「いや、最初から決まってた病院が優先だろ」
「主治医の先生が今日しかいないんだっけ?」
『うん、そう』
唯月の主治医は腕の良い医師らしく、しょっちゅう全国色々なところへ出張へ行くために、限られた日しか戻ってこないのだそうだ。
それがたまたま、インターハイ予選の初戦に当たってしまったのである。
『終わったらすぐ行くよ』
「おう!」
「待ってます!」
「よーし!忘れ物無い!?出発するよー!」
「お願いします!」
「「「しァース!」」」
『じゃ、気をつけてね』
バスへ乗り込む面々を見送り、唯月は手を振る。
段差に足を掛けた西谷がくるりと振り返り、唯月をじっと見つめた。
「唯月さん」
『?』
「初戦、勝って待ってます」
『!…うん』
唯月が頷くと、西谷はにっと笑ってバスへ乗り込む。
発車したバスを見送って、唯月は一旦家へと帰った。