10.
夢小説設定
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「もう始まってますよ!」
「早く早く!」
日曜日。
唯月が出るという試合を観に来たのは、菅原、澤村、西谷、日向と影山だ。
あの日唯月に試合とは何なのか問い詰めると、佐見のチームの練習試合があるのだという。
西谷のブロックフォロー練習に付き合った礼として、唯月が召喚されることになったのだ。
大学生や社会人で構成されたチームが6つ。
トーナメント制で行われる試合は、西谷達が観に来る頃には決勝戦になっていた。
順当に勝ち進んだ佐見のチームは、決勝で当たったチームと接戦を繰り広げている。
「お互いワンゲームずつ取ってるんだな」
「21-17か…このままいくと負けるな」
「唯月さん出てないですね」
アップゾーンで声掛けをしている唯月は、どうやらまだ試合には出ていないらしい。
「(唯月さん出ねぇのかな…)」
西谷がぼんやり考えていた時だ。
選手交代の笛が鳴った。
「あ、唯月が出る!」
17番のビブスを着けた唯月がコートへ入る。
頑張れ、と叫ぼうとした時。
「え……唯月くん…?」
「!」
隣からぼそりと呟かれた唯月の名前。
西谷がそちらを向くと、自分と同じくらいの身長の少女が唯月を見つめて口元を押さえている。
「(知り合いか…?)」
それにしては驚いている様子の少女を見て、西谷は何故か嫌な予感がした。
少女から視線を外して唯月を見ると、ちょうどサーブをする所だった。