9.
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別れ際。
主将同士が笑顔で握手を交わす。
「次は負けません!」
澤村の言葉に、お互い握る手に力が入る。
・
「次も負けません!」
「「恐い恐い、恐いから!」」
『笑顔が胡散臭い』
その様子を見ていた菅原と夜久が声を揃えて言い、唯月は率直な感想を述べた。
その隣ではコーチ同士が握手を交わしている。
「次戦る時は今日みたいに行かねえかんな」
「ああ、そうしてくれないと練習になんないからな」
「こっちもか!」
「大人げない!!」
漂う不穏な空気に、両チームの母代わり達は忙しい。
『…研磨、クロはいいけど夜久くんにあんまり迷惑かけちゃ駄目だよ』
「クロはいいの」
『クロはいいよ』
苦労しているだろう夜久を慮り、せめて身内だけは迷惑をかけないようにと唯月は注意する。
研磨は相変わらず唯月の服を掴みながらゲームをしていて、画面から顔を上げることなく没頭していた。
「…うおっ!研磨何やってんだ!」
「…ゲーム…」
「じゃなくてなんでいっくんの服掴んでんだ…」
近付いてきた夜久が研磨を見て驚き、唯月はこうなるに至った経緯を説明する。
「なるほど…。ほら研磨、俺の服掴んでいいから。そろそろ帰るぞ」
「ん…」
『…なんでもいいけど、音駒はもう"いっくん"固定なの』
そういえばさっき犬岡に"いっくんさん"と呼ばれたのだった。
「研磨と黒尾がそう呼んでるからな!」
夜久はにかっと笑い、唯月の服から研磨の手を取り外す。
「つーかいっくん、バレー出来たんだな!あのサーブ凄かったぜ!」
『ありがとう。部員じゃないけど、たまに練習付き合ってるよ』
「そうなのか…。機会があれば俺にも逆回転サーブ取らせてくれよ!」
楽しそうに笑う夜久に頷いて、唯月は研磨の頭をぽん、と撫でた。
『じゃ、またね研磨』
「うん。バイバイ」
『夜久くんも』
「おう!またな!」