9.
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「「友よ!また会おう!!!」」
涙を流して固く握手をする田中と山本。
研磨は物珍しそうにそれを見て指を差した。
「アレなに」
「知らん。あんま見るな」
『用具室で生まれた友情だよ』
素朴な疑問をぶつける研磨に、黒尾と唯月が答える。
「研磨!」
日向が研磨を呼び止めて走り寄ってきた。
「あのさ、道で会った時」
『(道…?)』
「特別バレー好きなわけじゃないって言ったよな」
「………あ、うん……」
「今日は??今日勝って、どう…思った?」
「……?」
研磨は少し言いづらそうに、サッと目を逸らす。
「…うーん…。…別に、普通…かなあ」
「……次は…」
「?」
「絶対…必死にさせて、俺達が勝って、そんでーー、"悔しかった"とか"楽しかった"とか、「別に」以外のこと言わせるからな!!!」
『!』
「……」
そう言って叫んだ日向を見て、研磨は目を丸くする。何度か瞬きを繰り返して、頷いた。
「……うん、じゃあ期待しとく」
日向が先を行く部員達を追い掛けて走り出すのをのんびり追いかけながら、唯月と研磨は会話をする。
『道で会ったってなに?』
「3日くらい前に…道に迷った時に会った」
『…どうせゲームしながら歩いてて、クロのこと見失ったんでしょ』
「!」
ふいっと顔を逸らす研磨に、唯月はため息をついた。
『歩いてるときは危ないからゲームしちゃ駄目だよ』
「…でもやりたい」
『じゃあ片手で出来るやつにしなよ。使わない方の手は誰かの服の裾でも掴んでさ』
「……」
研磨は少し考えるように黙り込んで、左手でキュッと唯月の服の裾を掴む。
「わかった」
『(俺の服ってことじゃないけど…まあいいか)』
スマホゲームをやり出した研磨を横目で見て、唯月は少し遠くなったバレー部員達を追いかけた。