9.
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犬岡と日向が理解できない言葉で会話をしている。
「(なんだあの会話…)」
『(日本語…じゃないな)』
「高校生の会話じゃねえなあ」
「!」
その様子を月島と共に見守っていると、いつの間にか隣に来ていた黒尾が声を掛けてきた。
「でも君らはも少し高校生らしくハシャいでも良いんじゃないの」
「そういうの苦手なんで」
「……ふーん…。…"若者"だねえ」
『ちょっと。あんまりうちの子いじめないでよ』
「!?ちょっと…八賀さん離してください」
「へーえ…ちゃんと先輩やってんだな、いっくん」
去ろうとした月島の服を掴んで黒尾に話し掛ける唯月に、黒尾はにやにやと笑いながら唯月の顔を覗き込む。
「…なんつーか、しばらく会ってなかったけど」
『?』
黒尾は唯月の顔に手を伸ばして、クイッと顎を上に向かせた。
「!?」
「相変わらずキレーな顔してるなーいっくんは」
『…はあ、どうも…?』
近すぎる距離に驚く月島と、不快そうに眉根を寄せる唯月。
にこりと胡散臭い笑顔を貼り付けた黒尾は、顔に添えた手を離す。
そのまま唯月のパーカーのフードを拾って被せた。
『お、』
「あとそれから、」
『!?』
「!?」
ツツツ、と唯月の脇腹から腰にかけて指を這わせた黒尾は、突然のことに総毛立って月島の服を離した唯月と、ドン引きする月島を見て至極楽しそうに笑って言った。
「女の子みたいに細い腰だな」
「『……』」
揶揄うの楽しい、と書かれた顔で、黒尾は一部始終を見て険しい顔をしている研磨のもとへ歩き出す。
『……誰が、』
「えっ」
唯月は持っていたモップを月島に押し付け、逆に月島が持っていたボールを奪い取る。
黒尾に被せられたフードを取り去って、二、三歩下がった。
『女の子みたいだって…?』
高く上にボールを投げ、追い掛けて跳ぶ。
サーブ特有の床を蹴る音が聞こえて、黒尾は振り返った。
「…うそォ」
唯月が打ったボールは真っ直ぐに黒尾に飛んでいき、黒尾は咄嗟にレシーブの姿勢を取る。
「お、わっ!」
正面で捉えたはずのボールはあらぬ方向へ飛んでいき、黒尾は思わず呆然とした。
『この程度のサーブもレシーブ出来ないとか…それでも音駒の主将なの』
馬鹿にしたような唯月の言葉に、黒尾は腕をぶんぶんと振り回して反論する。
「いきなりあんな逆回転取れるわけねーだろ!100%力任せサーブ打つなっつーの!!」
「いまのはクロが悪いでしょ…。それにいっくんバレー用シューズじゃないし、ジャンプの踏み込みも甘かったし、70%くらいしか出てないんじゃない」
「ぐぬぅ…!!」
「レシーブミスしたボールはクロが片付けてね。いっくんに無駄に絡んだ罰」
「ウス…」
研磨の冷静な分析に黒尾は黙り、さらに追い打ちをかける命令に思わず頷く。
唯月は月島に押し付けたモップを取り返して、モップ掛けをしながら歩き出した。
「怖…」
「つーかいっくんってバレー出来たんだ…」
「やっぱり八賀さんかっけええ!!な、影山!!」
「おう…!」