9.
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観覧席から戻ってきた唯月は、音駒がいるコートに向かって歩いていた。
「ちょ、ちょっと唯月!」
『お、』
走ってきた菅原に腕を掴まれ、そのまま唯月はずるずると烏野側のコートへ連れて行かれる。
「来るってこと連絡しろよ!」
「あとなんで音駒と知り合いなんだ!」
「どういう関係ですか、あっちの主将と!特にセッターと!!」
菅原、澤村、西谷の圧が強すぎて、唯月は一歩後ろへ下がった。
『連絡したよ。観に行くって、スガに』
「来てない!」
『えー…』
ポケットに入れていた携帯を取り出して履歴を見ると。
『…ああ、送れてない』
「ほんっとそういう…うっかり!!」
『ごめんて』
「スガ落ち着け…」
うがー!と暴れそうになる菅原を後ろから抑える東峰。
「どういう関係なんですか、向こうの主将とセッターと」
『…』
ずい、と詰め寄る西谷。
その近さに思わず一昨日の夜を思い出しそうになって、唯月はサッと顔を逸らした。
『セッターの研磨が従兄弟です…。クロは研磨の幼馴染だから知ってるだけ』
「いと…従兄弟!?」
「なんで言わない!」
『だって聞かれてない…』
責め立てられる唯月は部員達から目を逸らして、烏養や武田、清水が座っていたベンチに差し入れを置く。
『差し入れ作ってきたから…えっと、』
「「「…」」」
『許して…?』
「「「(許した)」」」
顔の前で小さく手を合わせた唯月を見て、全員が仕方ないと頷いた。
『ちょっと多めに作ってきたので、良かったら先生たちもどうぞ』
「いいんですか?」
「ありがとな」
『いえ』
唯月は少し笑って、音駒用に作ったホール2枚を持って音駒コートへ歩いて行く。
「お!弁解もろもろ終わった?」
『うん』
「紹介するわ」
黒尾の横に並ばされ、唯月は音駒の部員や監督、コーチから視線を受ける。
『……』
すすす、と自分の後ろへ隠れようとする唯月を捕まえて、黒尾は言った。
「いっくんでーす」
「雑だよ!!」
突っ込んだのはリベロの夜久。
注目されたくない、と顔に書いてある唯月の横に研磨が移動して、全員に向き直る。
「おれの従兄弟…」
『…烏野高校3年の八賀唯月です。いつも研磨がお世話になってます』
唯月はぺこりと頭を下げた。
「お世話……なってない」
『なってるでしょ』
「……」
ムスッとした顔をする研磨の頭を撫でて、唯月はそのまま箱に入ったアップルパイを手渡す。
『アップルパイ作ったので、良かったら食べてください』
「イケメンハイスペック男子…!」
「研磨を飼い慣らす懐の深さ…!!」
「何言ってるの、バカなの」
犬岡と山本が呟いて、研磨が面倒くさそうに突っ込んだ。