9.
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「いっくん!」
『研磨、久しぶり』
「「「(あの研磨(さん)が懐いている…!?)」」」
下へ降りてきた唯月の元に研磨が駆け寄る。
唯月はそんな研磨に微笑みかけて、自分より少し低い研磨の頭を撫でた。
無気力、ヤル気なし男と命名される研磨がどこか嬉しそうに駆け寄る様を見て、音駒の面々は衝撃を受ける。
『なんか…身長伸びた?』
「まあ…前に会ったときより2センチくらいは」
『追い抜かれちゃうかな』
「それは…無理だと思う」
烏野と音駒の面々からの刺さるような視線。
それを感じながらも、唯月はひとまず研磨と話す。
「久しぶりだな、いっくん」
『久しぶり、クロ』
近寄ってきた黒尾と挨拶を交わした辺りで、研磨がふと唯月の匂いを嗅いだ。
「なんかいっくん…甘い匂いがする」
「「「!?」」」
2人が従兄弟とは知らない烏野と音駒の面々は、その近すぎる距離に戸惑いを隠せない。
『ああ、差し入れ…アップルパイ焼いて来たんだ』
「!アップルパイ…」
研磨の目が光る。
「(おお、わくわく顔…)」
黒尾が研磨の表情を見てにやりと笑った。
『研磨好きでしょ』
「うん」
「で、そのアップルパイは?」
『上に置いてきた』
「なんでだよ!」
『クロが早く降りて来いって言うからでしょ』
「休憩挟んでまた試合するから、腹減ったし食いたいんだけど」
『……』
唯月は小さくため息をついて、くるりと踵を返す。
『取ってくる』
「俺もいく」
『いいよ。休んでて』
研磨に笑いかけて、唯月はそのまま観覧席へと戻った。
「……え、結局どういう関係…?」
菅原の呟きが、体育館に吸い込まれた。