8.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
合宿3日目の夜。
今日だけは唯月も合宿所に泊まることになっている。
「おーい唯月、いまから3年が風呂入る時間だけど」
澤村の呼びかけに、唯月は台所から顔を出した。
『明日の煮物だけ作っておきたいんだ。あとから入ってもいい?』
「いいけど…他の学年と一緒になるぞ」
『他の子たちが大丈夫ならいい』
「わかった。じゃあ先に入ってるな」
澤村に頷いて、唯月は調理を再開する。
『(いまから煮込んだ方が味がしみて美味しいもんね)』
トントンと規則正しい包丁の音をさせて、手際よく切りそろえられる野菜。
どうせ作るなら、栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。美味しいと言いながら次々なくなっていく皿を見ているのは気持ちがいい。
『(あとは煮込んで…)』
鍋に火をかけて、唯月は食堂の椅子に座る。
さすがに火をかけたまま目を離すわけにもいかないため、入浴はもう少し先になるだろう。
ボーッとしていた唯月だったが、ポケットに入れた携帯が震えて我に返った。
差出人は従兄弟からだ。
【槻木澤高校との練習試合勝ったよ】
『…槻木澤ってどこだろう』
確か今日から宮城に来ると聞いていたから、宮城の高校であることは確かなのだろうが。
あまり聞かない名前に、唯月は首を捻る。
【おめでとう。明後日は烏野と試合だよね】
【うん。ちょっと楽しみ】
【いい試合になるといいね】
返事をしてから、唯月は立ち上がった。
そろそろ鍋がいい具合だろう。