8.
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合宿3日目。
昼から合宿に参加した唯月は、各々でレシーブやスパイクを練習する部員たちを見ていた。
「八賀さんって、」
『ん?』
隣で水分補給をしていた月島が、唯月に話しかける。
「レシーブの姿勢、綺麗ですよね」
「「「(月島が褒めた…!?)」」」
『そうかな…ありがとう』
滅多に人を褒めたり、ましてや自分から話しかけるなんてことをあまりしない月島。
バレー部員たちは聞き耳を立てた。
「いつからバレーやってるんですか」
『えっと…5歳くらいかな、確か』
「へえ」
それっきり2人は黙る。
「…いや会話続かないのかよ!!」
思わずつっこんでしまった菅原。
2人は怪訝そうな顔で菅原を見る。
『今ので会話終わったよ』
「続ける必要は特に…」
「なんでお前らそんな冷めてんの?」
なんかもっと…こう…あるだろ!と言う菅原に、2人は顔を見合わせた。
『ある?』
「別に…」
ふるふると首を横に振る月島。
唯月もそうだよなぁと頷く。
「もういい…」
「ま、まぁスガ、落ち込むなって!」
「そういう空気感なんだよこの2人は!」
しょぼん、とする菅原を慰める澤村と東峰に、2人して首を傾げた。
「(…別に、ないけど)」
月島はちらりと視線だけを唯月に向ける。
「(話しやすくは、ある)」
他の先輩たちや同級生のように、必要以上に近付いて来ない。あまり話す人でもないから、ぐいぐいと話題を振られて困ることもない。
隣にいて落ち着くかどうかと言われれば、まあ他の人よりはマシ。
「(だからって、何かあるわけじゃないけど)」
それよりも先程から痛いほどの視線を向けてくる西谷の、その視線の意味に少し気付いてしまったり。
「(面倒な人に好かれたな、この人も)」
こめかみから伝う汗をタオルで拭いながら、月島はため息をついた。