8.
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2日目の昼過ぎ。
昼食のあと、唯月は夕食の準備を進めていた。
今日は夜からバイトがある。
作り終える頃にはここを出る頃合いになるだろう。
他の部員たちはまだ昼休憩中だと言うのにもう体育館へ戻り、清水もそれをサポートするために合宿所にはいない。
静かな台所で、唯月はひとり準備をする。
「八賀さん」
『!』
後ろから掛けられた声に驚き、唯月は肩を跳ねさせた。
『…西谷』
「ウス!」
声を掛けたのは西谷だ。
西谷はエプロンを着けている唯月を見て一瞬固まる。
「(…お嫁さん…)」
『西谷?』
「っあ、何でもないっス!」
唯月は首を傾げ、西谷に言った。
『みんなみたいに体育館行かないの?』
「八賀さんに聞きたいことがあるんで!」
『俺に?』
冷蔵庫から野菜を取り出して洗いながら、唯月は西谷をみる。
「"サエさん"といつ頃付き合ってたんですか!!」
『!?』
西谷の言葉に驚き、唯月は持っていたゴボウを取り落とした。
シンクに落ちたゴボウが、ごとん、と音を立てる。
『それが残ってまで聞きたかったこと…?』
「はい!」
ゴボウを拾い上げ、唯月は眉根を寄せた。
『…他人の恋愛事情にそこまで興味あるもの?』
「あります!」
『そう…』
目を逸らさない西谷から目を逸らして、唯月は野菜を洗う。
『中学の時だよ、付き合ってたの』
「!大阪にいた時っスか」
『そう』
「どのくらい付き合ってたんスか?」
『えーっと…1年くらいかな』
「1年…」
キュ、と蛇口を捻って水を止める。
唯月はそのまま野菜を切り始めた。
『と言っても、俺はずっとバレー漬けだったから。遊びに行ったりとか、あんまりしてなかったけど』
「…八賀さんから言って付き合ったんスか」
『いや、向こうから』