8.
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『あれ…間に合った?』
「あ、おかえりなさーい」
戻ってきた唯月から小春と手を繋ぐ役目を引き受け、雪子はまた全員に向き直った。
「じゃあ帰ります。みんなありがとう、練習頑張ってね!」
「「「あザース!!」」」
「よーし帰るよ小春ー!」
「はーい!」
『…っあ、姉ちゃん』
背中を向けた雪子を唯月が呼び止める。
「ん?」
『…差し入れ、ありがとう』
「ふふん、どういたしましてー!」
礼を言う弟に笑い返して、もう一度背を向けて、雪子はまた振り返った。
「そーだ、ねぇ唯月」
『?』
唯月は首を傾げる。
雪子はこちらを見ている西谷をちらりと見てから言った。
「サエちゃんとは連絡とってる?」
『は…サエ?取ってるわけないじゃん…』
西谷がピクリと反応する。
雪子はそれを横目で見て、至極楽しそうに笑った。唯月はそれに気付いていない。
『とっくに別れたの知ってるでしょ』
「そうだったっけ?」
『そうだよ…なんでいま聞くの』
「んー、なんとなく」
なんだあの人、という顔をした唯月は、ひらひらと手を振って体育館へ戻った。
色々と衝撃が走ったバレー部員たちは、唯月を目で追っている。
西谷はその場から動けず、ギュッと拳を握り締めていた。
「ねえ、ニシノヤくん」
「!」
近くまで来ていた雪子に驚いて、西谷は顔を上げる。
「ーー唯月って鈍いから、頑張らないと気付いてもらえないよ?」
「!!」
じゃあね、と手を振って帰っていく雪子を呆然と見つめて、西谷は顔を赤くした。
「(気付いて…っ!)」
西谷はぶんぶんと頭を振る。
"サエ"について聞き出そうとしている部員たちを適当にいなす唯月を見つめて、西谷は唇を噛み締めた。
「…上等だ…!」
望みが薄いのは元より承知。
「ぜってぇ振り向かせる…!」