8.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「15分休憩!」
「ウス!!」
5月だというのに暑い。
扉を開け放っていても体育館の中はむっとした空気で、烏養は少し長めの休憩をとることにした。
「影山!トス上げてくれ!」
「おう」
「休憩だっつってんだろ!!」
元気よくコートへ走り出そうとする日向と影山を捕まえて、烏養は怒鳴った。
「ご、5本だけ!!お願いします!!」
「…本当に5本だな」
「「はい!!」」
烏養はため息をついて、掴んでいた2人の服を離す。
水を得た魚のようにイキイキと練習する2人だったが、日向が打った3本目のスパイクが壁にぶつかって、ボールは外へと弾き飛ばされた。
「日向ボゲェ!」
「うるさい影山!取ってくる!!」
転がったボールを追いかけて外へ出ると、そのボールを拾ってこちらを見ている幼女の姿を認める。
「あ、えっと、ボール取ってくれてありがとう」
日向は幼女に近づいて、目線の高さまでしゃがみ込んだ。
「おれ、日向翔陽!きみは?」
「…こはる」
「こはるちゃん!こんなとこで何してんの?」
「…いっくんさがしてるの」
「?いっくん?」
「あ、小春いたー!」
「!」
誰だ?と首をひねった日向の前に、今度は綺麗な女性が現れる。
「(綺麗なお姉さんだ…!)」
「もー、先に行かないでよー」
「ごめんなさい」
謝る幼女の頭を撫でた女性は、日向を見て笑った。
「(誰かに似てる…気がする…!!)」
「ねえ、バレー部?」
「はっ、はい!!」
「八賀唯月いる?」
「八賀さん…ですか?」
いますけど、と言うと、女性は体育館の中を覗き込んだ。
「あっ、いた!唯月ー!」
「「「!?」」」
『……うわあ』
ぶんぶんと手を振る女性を見て、唯月の顔が歪む。
ぞろぞろと野次馬のように自分の後をついてくるバレー部員を無視しつつ、唯月は女性の前まで歩み寄った。
『何しにきたの』
「差し入れ!」
ガサッと持っていた袋を掲げる。
差し入れに来たのは本当らしい。
誰だ誰だと気にしているバレー部員たちをちらりと見て、女性はにこりと笑う。
「はじめまして、唯月の彼女です」
「「「!?」」」
「(彼女…)」
全員に衝撃が走った。彼女、という言葉に西谷は動けない。
『ちょっと。適当なこと言わないで』
「えーつまんない」
『まったく…』
唯月はため息をついてから、振り返って部員たちを見た。
『姉です』
「どうもー姉です」
「「「姉!?」」」