6.
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「全然ジャンプできてないんじゃないですかっ!?1ヶ月もサボるからっっ」
「うん…スミマセン…」
「キビシーな~西谷」
『抉るなぁ西谷くん…』
ダメ出しをする西谷と、素直に謝る東峰、それを見て声を掛ける菅原や唯月を、ネットを挟んだ向こう側の澤村は嬉しそうに見ている。
「大地さんっ」
それよりも嬉しそうな田中を見て澤村は微笑み、ひとつ頷いた。
「うん。でも…ベテランの町内会組に加えて旭も復活、それに八賀もいるってなると、いよいよ俺達が厳しいぞ」
「「(でも嬉しそうだ…)」」
言いつつも嬉しそうな澤村を見て、田中と縁下は笑う。
「何言ってんスか大地さん!こっちには俺が「おれがいますよっ!!」
「え、何?」
「日向カブってんじゃねーよ!!せっかくの俺のカッコイイ台詞がぐだぐだだよバカヤローッ!」
「!」
かっこよくキメようと思った田中に、無情にも被る日向の主張。澤村に田中の想いは伝わらないまま終わった。
やがて再開した試合。
唯月側からのサーブをレシーブしたのは縁下で、しかし上手くセッター位置に返せずに影山がカバーに入る。
そして無茶な体勢から、もう既に跳んでいる日向の手元へトスを上げた。
「「「!?」」」
『…は?』
「ナーイス日向影山!」
西谷と東峰を除くバレー部員たちは特に驚くわけでもなく普通にしているが、その他の面々はぽかんとしたまま動けない。
「スゲーじゃねぇか翔陽!なんだなんだ!うっかり見入っちゃったぞ!」
「えへへ」
いまは敵同士なのに素直に褒める西谷に、嬉しそうな日向。
烏養は思わず声を荒らげた。
「ウォい!!!」
「!?」
「??」
「今なんでそこに跳んでた!?ちんちくりん!!」
「ちんっ…」
烏養の質問に、日向は動揺しながら答える。
「どっ…どこに居てもトスが来るから…です」
「!!ーー…」
明らかにトスを見ずに跳んでいた日向に、完全に合わせた影山。
とはいえ「トスが来る」というだけで全力でスイング出来る日向に、烏養は混乱が止まらない。
「なんなんだお前ら変人か!!」
「変人…?なんで??」
「知るか」
コントのような会話が行われている間、唯月は日向と影山から視線を逸らさずにいた。
『……』
おもしろい。
おもしろい。
あの速攻を止めたい。
球技大会で西谷が見せたレシーブを見た時のように、唯月の唇が弧を描く。
その時。
『!』
ぽん、と腰の辺りを優しく叩かれ、唯月は慌てて視線を戻す。
叩いたのは東峰だった。
「…あんまり熱くなりすぎるなよ」
『!』
唯月の本能剥き出しの笑みを見て危惧したのであろう彼は、唯月の左脚を気遣ってそう言った。
『……うん、ありがとう』
自分の脚のことなどすっかり頭から抜け落ちていた唯月は素直に礼を言う。
「……」
その仲良さげな姿を見て、西谷は少しだけ顔を顰めた。