6.
夢小説設定
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「スガさん!?」
田中の驚く声が響く。
「…俺に譲るとかじゃないですよね」
「…」
「菅原さんが退いて俺が繰り上げ…みたいなの、ゴメンですよ」
『……』
1年セッターの言葉に、菅原は足を止めた。
「…俺は…、影山が入って来て…正セッター争いしてやるって思う反面、どっかで…ほっとしてた気がする」
菅原の絞り出すような声に、体育館は静まり返る。
「セッターはチームの攻撃の"軸"だ。一番頑丈でなくちゃいけない。でも俺は、」
「…」
「俺のトスでまた、スパイカーが何度もブロックに捕まるのが恐くて、圧倒的な実力の影山の陰に隠れて、」
ぐっと握りしめた拳が、色を失っていく。
「…安心…してたんだ…!」
『(菅原くん…)』
「…スパイクがブロックに捕まるの瞬間考えると、今も恐い。けど、もう1回、俺にトス上げさせてくれ、旭」
「!ーーー…」
東峰の言葉を待たずに、菅原は背中越しに振り返って1年セッター・影山へ言う。
「…だから俺はこっちに入るよ、影山。負けないからな」
「俺もっス」
「西谷、ナイスレシーブ頼むよ!」
「当然っス」
「……」
菅原に頷き、何かを考え込む東峰を一瞥したあと、西谷はコートに入っていた唯月に走り寄った。
「八賀さん!来てくれたんですね!」
『あー…うん、ちょっと後悔してる…』
そう言って唯月は視線を金髪の男へと向けた。
『なんかあの人見たことあるような気がするんだけど…誰なの?』
「坂ノ下商店の人ですよ。この烏野のOBで、烏養監督の孫らしいです」
『あの烏養監督の…?』
「GW最終日の練習試合までの間、コーチしてくれるそうです」
ふうん、と頷き、唯月は軽くストレッチをする。
その様子を心配そうに見つめる東峰の視線に気が付いて、唯月は口パクで『大丈夫だよ』と伝えた。
「!」
『かましてやろうよ、エースの一本』
相手は1年生と澤村・田中・縁下のチーム。
対してこちらは、烏養が呼んだ烏野町内会チームを含んだ唯月・西谷・菅原・東峰チーム。
「試合始めるぞ!」
烏養の声が響いた。