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2セット目。
セッターは菅原のまま、滑り出しは順調だ。
サーブレシーブを二人体制へと切り替え、及川のサーブを確実に取りに行く作戦だった。
及川のサーブを澤村がレシーブし、自分で流れを戻した田中へとトスが繋がる。
ブロックに跳んだ国見の手に上手く当たったストレートは、及川のサーブを1本で切ったことを証明した。
『ナイスキー!』
思わず身を乗り出し、唯月はコートへ拍手を送る。
声が聞こえたのか、田中はニッと笑ってガッツポーズをつくった。
「八賀ってクールに見えて結構アツい男だよなぁ」
「あぁ、それ俺も思ったわ」
選手へと声援を送る唯月を見て、嶋田と滝ノ上は言う。
「ああいう感じだからモテるのか?」
「だとしたらお前はモテないな」
「んだとコラァ!」
嶋田の残念そうな発言に、滝ノ上が食ってかかった。
やいのやいのと2人が言い合う間に、セッター菅原と影山が交代する。東峰の強烈なスパイクが叩き込まれた後のことだった。
コートに戻った影山はチームメイトを見て、にっ…と不器用に口角を上げた。笑っているつもりらしい。
『(怖…)』
大変失礼な話だが、唯月は思わず心の中で呟いた。
チームメイトはもちろん、影山の中学時代を良く知るメンバーが多い青葉城西の選手たちも、影山の表情をみてギョッとした顔をした。
ただ一人澤村だけは影山の成長と思えるそれにいたく感動を覚えたらしい。
その澤村の「茶化すな」という一喝と、一度コートから出て気持ちを整えた影山のサーブで、烏野にまた点が入る。
試合は、取って取られてを繰り返す。
途中で月島のフェイントと強打により連続点を取り、烏野のセットポイント。
ここで及川のサーブになり、烏野側の空気がピリついた。
及川のサーブは強烈で、リベロの西谷もってしても直接青城のコートへ戻っていく。
『この場面でなんて強烈なサーブ…!』
唯月が唇を噛む。
ボールはきれいに及川によってセットされた。
スパイクを打つのは岩泉だ。
『!』
岩泉がスパイクを打つと分かっていたかのように、影山が月島の服の裾を引っ張ってブロックする。
痛々しい音が響いて、ボールは青城側のコートへ突き刺さった。
第2セットを制したのは烏野だ。
『いける…頑張れ…!』
ギャラリーの手すりを握り締める指が白くなる。
唯月は祈るような気持ちでコートを見つめた。