8.
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「八賀さん!昨日のカレー!美味かったです!!」
『そ…そう…良かったね…』
合宿2日目の昼前。
唯月は少し遅れて練習に参加している。
元気よく声をかけてきた西谷に驚きつつ、唯月は答えた。
『でも味付けはキーコがしたから、感想はキーコに言ってあげて』
「それはもう言いました!!」
『あ、そう…』
なんでこんなに元気なのだろうか。
こちらは既に疲れてきている。西谷のせいで。
「…あの、」
『?』
「ハート型の人参」
『…ああ、西谷に当たった?』
「…ス」
頷いた西谷に、唯月は聞く。
『どうだった?』
「…嬉しかったです」
『(あれ…キーコ、タネ明かししてないのかな…)』
ほんの少し頬を赤くしながら言う西谷に、唯月は首を傾げた。
『(明かしてないなら、わざわざ言わなくていいか)……良かったね』
「!」
ぽん、と西谷の頭を撫でて、唯月は部員たちのドリンクを作りに行った清水の手伝いに向かう。
「うおおおおやる気出てきたあああああ!!」
「西谷うるさい!!」
体育館に西谷の雄叫びと澤村の怒号が響いた。
『キーコ、手伝う』
「あ…うん、ありがとう」
シャカシャカとスクイズボトルを振る清水に倣って、唯月も同じようにボトルを振る。
『キーコ』
「なに」
『昨日のハート型の人参、俺がやったって言わなかったの?』
西谷嬉しそうだったけど、と続ける唯月に、清水は首を傾げた。
「?言ったけど」
『…え』
「全員に言った」
『全員に言ったんだ…』
振り終わったボトルを唯月から受け取り、まだ出来ていないものを渡して、清水は無言でドリンクを作り続ける。
『(…あれ、じゃあなんで「嬉しかったです」…?)』
知っていたなら何故。
『(…まぁいっか)』