4.
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「なあなあ、八賀ってバイトでキッチン入ってるって言ってたよな?」
昼休み。
昼食はのんびり1人で食べることが多かったのだが、球技大会からこっちは1人で食べることはなくなっていた。
それは今声を掛けてきた菅原と、彼と同じバレー部の澤村が、気付けば集まってきているからである。
『うん、そうだけど』
弁当を広げながら答える唯月に、菅原はコンビニで買ってきたらしいパンを頬張りながら言う。
「家でもご飯とか作んの?」
『たまに…』
「へえ。得意料理は?」
澤村が尋ねると、唯月は小さく首を傾げた。
『うーん…なんだろう…。特別何が得意ってわけでもないと思う』
「料理出来るのかっこいいよなー」
『2人は料理しないの?』
「しないしない!」
「俺もしないな」
ふうん、と呟いて、だし巻きを口へ運ぶ。
『……』
もぐもぐと咀嚼しながら一瞬顔をしかめた唯月を見て、菅原が尋ねた。
「どーしたべ?」
『いや…ちょっと味濃かったなと思って』
「その弁当、自分で作ってるのか?」
『うん。昨日作ったおかずが余ったから』
「もらったあ!」
『あっ…!』
「こらスガ!」
唯月が自分で弁当を作っていると分かった瞬間、菅原が唯月の弁当からだし巻きを掻っ攫った。
「!美味い!」
『あー…そう…』
「まず謝りなさい、スガ」
「すんませんっした」
『あ、はい…』
澤村が咎めて、菅原が素直に頭を下げる。
それでも菅原は満足そうに笑っている。
「あー八賀すごいな。大地も食べてみ!」
「いやお前…」
『いいよ』
唯月の弁当を指差しながら言う菅原に、澤村が呆れたようにため息をついた。
唯月はそんな澤村に向かって、自分の弁当を少しだけ押す。
「…いいのか?」
『良ければどうぞ』
「……いただきます」
誘惑に負けたのか、澤村も唯月の弁当からだし巻きをつまみ上げて口に放り込んだ。
「…おお、美味い」
「だべ!?」
にしし、と笑う菅原に頷き、澤村は唯月に向き直る。
「美味かった!ありがとう」
『どういたしまして』
盛り上がる2人と、2人を見つつ静かに弁当を食べ進める唯月。
「ーーー…八賀くん…」
それを見つめる、1人のクラスメイトがいた。