【銀魂】神様と人間と

夜。
4人の男は神社に来ていた。
所謂、肝試しというやつである。

「な、なァ………本当に、幽霊なんか出んのかよ…………」

銀髪の男、坂田銀時は一人怯えながらそう言う。

「なんだ銀時、ビビってんのか?」
「は、はぁ!?ビビってねえしぃ?」

低身長の男、高杉晋助に揶揄され、銀時は歯切れ悪く答える。

「ん?誰かおるぜよ」

サングラスをかけた男、坂本辰馬が、暗闇の向こうに人影を見つけた。

「あれは……女子おなごか?」

艶やかな漆黒の髪を下ろした男、ヅラこと桂小太郎は、目を凝らしながらそう言う。
その人影の主は、絹糸のような金髪を下ろしていて、その長さは腰まである。
背丈から察するに、10歳前後だろう。

「アレが噂の幽霊かァ?」
「は、はぁ?!ゆ、幽霊なんか、いるわけねェだろ!?」

楽しげに言った高杉の言葉を銀時は慌てた様子で否定する。
訝しみながらも、4人は少女に近づいてゆく。
段々と近づくにつれ、少女に向かって跪く4人の男女が浮かび上がった。

「………人間如きが、妾になんの用じゃ?」

ふと、少女が振り向き、銀時達を見る。
少女のスッと整った顔立ち、感情を写さない藍色の冷たい瞳。
華奢で小さな身体からは想像もつかない威厳と脅威を醸し出す彼女……否、彼に、4人は只者ではない何かを感じとった。
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