天下統一恋の乱
名前
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「才蔵さん」
欠伸をしながら廊下を歩いているとふと名を呼ばれ、声のした方へ視線を向ける。
そこには少し頬を赤らめ伺うような※※※の姿があった。
「何?」
「あ…えと、任務終わりに申し訳ないんですが、少しお願いしたい事がありまして…お時間大丈夫ですか?」
「いいけど、改まってどうしたのさ」
「実は、城下町で催しが行われるとの事で…それで、あの…よろしければ一緒に…その……」
しどろもどろに段々と尻すぼみになっていく※※※にふっと笑みが漏れ、その頭にぽんと手を置く。
「最近どこにも行けてなかったからね。ちょっと出ようか」
「…!はい!」
俺の返しにぱあっと表情が明るくなり、とびきりの笑顔で頷く※※※が愛おしい。
(ほんと、俺もつくづく甘いね)
心の中で苦笑いしつつ、喜ぶ※※※を見つめながら2人で城を出た。
城下町へ着くと、普段とは違い様々な露店が道に並んでいた。
「へえ。随分賑わっているね」
「ふふ、そうですね。いい匂いもしますし…あ、才蔵さんあっちに甘物屋があります!少し覗いていきませんか?」
「ん」
駆け出そうとする※※※の手を取りそっと握ってやると、案の定※※※は顔を真っ赤にして俺の顔を見てきたがすぐに照れ臭そうに顔を逸らした。
そんな※※※の姿に悪戯心が芽生え、ぐっと距離を詰め無理矢理視線を合わせ覗き込んでみる。
「…っ、才蔵さん、近いです…」
ぐいと繋いでいない方の手で胸を押し返され思わず吹き出してしまった。
「くくっ…相変わらず初心だね」
「もう、からかわないでください」
「お前さんが可愛い反応するから仕方ない」
「そ、そういう事言わないでください!恥ずかしいです…」
変わらず真っ赤な頬を冷やすように手でぱたぱたと扇ぐ※※※にまた笑みをこぼしながらゆっくりと甘物屋へと歩いて行った。
「いらっしゃい」
柔らかな表情で迎えてくれた店主にぺこりと頭を下げて笑みを返し、店前に並んでいる色とりどりの甘味を二人で眺める。
「わぁ、可愛い!才蔵さん、この甘味桜の花びらの形をしていますよ!」
「本当だね」
「あ、あっちには変わった団子が……うーん、あれは何を練り込んであるんだろう……」
ブツブツと呟きながら百面相する※※※の顔が愛しくて口元を緩ませながら眺めていると、ふと※※※がこちらを向いた。
俺は急に目が合った事に少し驚き目を見開くと、※※※はにこりと微笑み店主の方へ顔も戻してこう告げた。
「すみません、この桜の花びらの甘味とお団子をください」
「へい、まいど」
手早く品物を包み手渡す店主と、これまた手早く支払い品物を受け取る※※※。
店主にありがとうございます、と会釈し俺の手を引いて歩き出した。
着いた先は少し街の外れにある小さな丘に咲く桜の木の下だった。
「才蔵さん、こちらに座りましょう」
そう言ってちょこんと腰を下ろし自分の隣をぽんぽんと叩く※※※。それに従うように才蔵はゆっくりと腰を下ろした。
「今日は随分積極的だね」
「久しぶりに才蔵さんと一緒にいられて嬉しいんです」
そう笑顔で言いながら包みを開け「はい」と俺にさっき買った団子を差し出す。
「一緒にお団子、食べましょう」
団子を受け取ると※※※は笑顔のまま団子を美味しそうに頬張った。
追うように俺も団子を一口頬張ると、口一杯に控えめで柔らかな甘い味が広がる。
──あぁ、これは俺が好きな味だ。
続けざまに団子を口に含むと※※※はまた俺を見ながらにこりと微笑み涼し気な風を浴びながら団子を堪能している。
(本当に、敵わないな…)
くすりと苦笑いが溢れ、一緒に甘味を楽しむ。
──静かな丘の下で、心地良い空気の中で。
瞳と瞳、言葉はいらない
(言葉を交わさずとも、)(お互いの事が理解できる)(──それがこんなにも幸福な事だとは)
8.6.21
欠伸をしながら廊下を歩いているとふと名を呼ばれ、声のした方へ視線を向ける。
そこには少し頬を赤らめ伺うような※※※の姿があった。
「何?」
「あ…えと、任務終わりに申し訳ないんですが、少しお願いしたい事がありまして…お時間大丈夫ですか?」
「いいけど、改まってどうしたのさ」
「実は、城下町で催しが行われるとの事で…それで、あの…よろしければ一緒に…その……」
しどろもどろに段々と尻すぼみになっていく※※※にふっと笑みが漏れ、その頭にぽんと手を置く。
「最近どこにも行けてなかったからね。ちょっと出ようか」
「…!はい!」
俺の返しにぱあっと表情が明るくなり、とびきりの笑顔で頷く※※※が愛おしい。
(ほんと、俺もつくづく甘いね)
心の中で苦笑いしつつ、喜ぶ※※※を見つめながら2人で城を出た。
城下町へ着くと、普段とは違い様々な露店が道に並んでいた。
「へえ。随分賑わっているね」
「ふふ、そうですね。いい匂いもしますし…あ、才蔵さんあっちに甘物屋があります!少し覗いていきませんか?」
「ん」
駆け出そうとする※※※の手を取りそっと握ってやると、案の定※※※は顔を真っ赤にして俺の顔を見てきたがすぐに照れ臭そうに顔を逸らした。
そんな※※※の姿に悪戯心が芽生え、ぐっと距離を詰め無理矢理視線を合わせ覗き込んでみる。
「…っ、才蔵さん、近いです…」
ぐいと繋いでいない方の手で胸を押し返され思わず吹き出してしまった。
「くくっ…相変わらず初心だね」
「もう、からかわないでください」
「お前さんが可愛い反応するから仕方ない」
「そ、そういう事言わないでください!恥ずかしいです…」
変わらず真っ赤な頬を冷やすように手でぱたぱたと扇ぐ※※※にまた笑みをこぼしながらゆっくりと甘物屋へと歩いて行った。
「いらっしゃい」
柔らかな表情で迎えてくれた店主にぺこりと頭を下げて笑みを返し、店前に並んでいる色とりどりの甘味を二人で眺める。
「わぁ、可愛い!才蔵さん、この甘味桜の花びらの形をしていますよ!」
「本当だね」
「あ、あっちには変わった団子が……うーん、あれは何を練り込んであるんだろう……」
ブツブツと呟きながら百面相する※※※の顔が愛しくて口元を緩ませながら眺めていると、ふと※※※がこちらを向いた。
俺は急に目が合った事に少し驚き目を見開くと、※※※はにこりと微笑み店主の方へ顔も戻してこう告げた。
「すみません、この桜の花びらの甘味とお団子をください」
「へい、まいど」
手早く品物を包み手渡す店主と、これまた手早く支払い品物を受け取る※※※。
店主にありがとうございます、と会釈し俺の手を引いて歩き出した。
着いた先は少し街の外れにある小さな丘に咲く桜の木の下だった。
「才蔵さん、こちらに座りましょう」
そう言ってちょこんと腰を下ろし自分の隣をぽんぽんと叩く※※※。それに従うように才蔵はゆっくりと腰を下ろした。
「今日は随分積極的だね」
「久しぶりに才蔵さんと一緒にいられて嬉しいんです」
そう笑顔で言いながら包みを開け「はい」と俺にさっき買った団子を差し出す。
「一緒にお団子、食べましょう」
団子を受け取ると※※※は笑顔のまま団子を美味しそうに頬張った。
追うように俺も団子を一口頬張ると、口一杯に控えめで柔らかな甘い味が広がる。
──あぁ、これは俺が好きな味だ。
続けざまに団子を口に含むと※※※はまた俺を見ながらにこりと微笑み涼し気な風を浴びながら団子を堪能している。
(本当に、敵わないな…)
くすりと苦笑いが溢れ、一緒に甘味を楽しむ。
──静かな丘の下で、心地良い空気の中で。
瞳と瞳、言葉はいらない
(言葉を交わさずとも、)(お互いの事が理解できる)(──それがこんなにも幸福な事だとは)
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