天下統一恋の乱
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ある晴れた昼下がり。
私は縁側に腰掛けてお茶を堪能していた。
自身で作ったまだ温かい団子と緑茶。目の前に広がる上品に手入れされている中庭を観ながらお茶を啜る一時は幸せ以外の何物でもない。
柔らかい風と共に鳥のさえずりが聞こえ、思わず目を閉じてしまうくらい心地良い。
「むっ?あそこにいるのは※※※じゃないか?」
「あ、本当だ!※※※ー!何してるの?」
声がした方を向けば、佐助君と幸村様と才蔵さんが廊下を歩いていたようで、佐助君が手を振り声を上げながらいの一番に駆けてきた。
「佐助君!あのね、あまりにもいい天気だったから給仕終わりに日向ぼっこしているの」
そう言うと佐助君は「いいなぁ、俺も一緒にする」と言い私の隣にちょこんと腰掛けると、私と目が合い2人でにっこりと笑い合う。
すると少し遅れて来た幸村様が佐助君の隣に腰掛け、才蔵さんは私の隣に腰掛けた。
「お団子も作ったんです。良かったら皆さんも食べてください」
「おお!※※※の団子か!鍛錬の後でちょうど空腹だったんだ。な、才蔵」
「俺は空腹じゃなくても食べるけどね」
そう言いながら才蔵さんは当たり前のように団子を掴み口に運んだ。
「先生にとって団子は水分を摂るみたいな物ですもんね」
「佐助…俺を何だと思ってるの」
「ふふっ…」
佐助君の言葉に才蔵さんは呆れた表情を浮かべ、ふうとため息を吐いた。
そんなやり取りが微笑ましく、私は思わず笑みが溢れた。
「でも実際才蔵は団子ばかり食べているからな。他の物も食べないと鍛錬に負けない強い身体は作れないぞ」
「心配しなくても必要な時に必要な物は摂ってるよ。それに幸村みたいに鍛錬馬鹿じゃないから」
「なんだと!鍛錬を笑う者は鍛錬に泣くんだぞ!」
「はいはい」
「あ、おい!まだ話は終わってないぞ!」
才蔵さんは心底疲れた顔をして再び団子を頬張り始める。
幸村様は才蔵さんにまだ言い足りないのか、つらつらと何かを喋り続けているが、才蔵さんは知らんぷりしてひたすら団子を食べている。
(相変わらず2人は仲が良いなぁ)
2人のやり取りを見ているとお互いに気を許している事が見て取れる。
でも、流石にこれ以上相手にされない幸村様が可哀想に思えてきて、助け舟のつもりで違う話題を振る事にした。
「そういえば、幸村様は鍛錬以外で何か熱中するような物はないんですが?例えば…好きな場所とか、気になるお相手とか」
「なっ…!!」
私の言葉に顔を真っ赤にして固まった幸村様を見て"しまった"と思ったのも束の間、才蔵さんが怯んだ幸村様を見逃すはずもなく意地悪な笑みで反撃を開始した。
「幸村は他人の色恋の話を聞くだけで顔を真っ赤にしちゃうくらい初心だもんね。あ、それともそういうプレイが好きだったりする?」
「なな、な、何を言っているんだ才蔵!!」
「先生、"ぷれい"って…?」
「佐助君、まだお団子あるよ!食べる?」
「わーい!食べるー!」
純粋な佐助君に変な言葉を覚えてほしくない私は、幸村様を助ける事よりも佐助君の純粋な心を守る事に徹すると決めた。
(幸村様、ごめんなさい…!)
私が佐助君の気を引いている間にも、才蔵さんの追撃は続く。
「そういえばこの間、躓いて倒れかけた女中を受け止めたまではいいけど想像以上の近い距離にびびってへっぴり腰のまま脱兎の如く逃げて行ったっけ?」
「!!お、お前見ていたのか…?!」
「あと落とし物を女中へ渡そうとしてその手に拾った物を置こうとした時に…」
「も、もういい!やめてくれ才蔵」
あまりにも恥ずかしい幸村様の過去を包み隠さず暴露しようとする才蔵さんに耳まで真っ赤に染めた幸村様が必死に制止する。
「俺の事ばかり言っているが、才蔵はどうなんだ!」
「俺?」
「そうだ!才蔵も女性は得意な方ではないだろう?!」
「幸村よりは色んな事経験してるからそうでもないよ。──例えば、」
「っ!」
そう言って才蔵さんは私の太腿にふわりと頭を預け、優しい眼差しを私に向けた。
「なっ…!なっ……!!」
そんな才蔵さんを見て幸村様は更に頬を赤く染め、鯉の様に口をぱくぱくとさせ身体を震わせている。
隣にいる佐助君も幸村様程ではないが、顔を染めてふるふると首を振っている。
「おま、お前は何を…!!」
「何って、膝枕?」
「そそそ、そうだが何故今…!!」
「俺はそれ以上の事も今出来るけど、見て勉強でもしてく?」
「いやいやいやいや、いい!!!佐助、行くぞ!!」
そう言うと幸村様は佐助君の腕を掴んで強引に立たせ、足早にその場から去っていった。
縁側には私と才蔵さんの2人が残され暫く呆然としていたが、下から才蔵さんの堪えるような笑い声が聞こえ我に返った。
「くくっ…」
「…才蔵さんは幸村様をからかい過ぎです」
「お前さんもわざとじゃないにしろ、幸村へ意地悪な質問したでしょ?同罪」
そう言ってさらりと私の髪を耳に掛け、そのまま私の頬へと手を移動させる。
「…っ!さ、才蔵さん…!」
「……"それ以上の事"、やってみる?」
「っ!!」
不敵な笑みで呟かれ、私の身体はかちんと固まってしまう。
そんな姿に才蔵さんは吹き出し、破顔したまま言った。
馬鹿だね、意識しすぎ
(だだだって才蔵さんが…!!)(俺が、何?)(わかってるくせに…!!)
7.10.19
私は縁側に腰掛けてお茶を堪能していた。
自身で作ったまだ温かい団子と緑茶。目の前に広がる上品に手入れされている中庭を観ながらお茶を啜る一時は幸せ以外の何物でもない。
柔らかい風と共に鳥のさえずりが聞こえ、思わず目を閉じてしまうくらい心地良い。
「むっ?あそこにいるのは※※※じゃないか?」
「あ、本当だ!※※※ー!何してるの?」
声がした方を向けば、佐助君と幸村様と才蔵さんが廊下を歩いていたようで、佐助君が手を振り声を上げながらいの一番に駆けてきた。
「佐助君!あのね、あまりにもいい天気だったから給仕終わりに日向ぼっこしているの」
そう言うと佐助君は「いいなぁ、俺も一緒にする」と言い私の隣にちょこんと腰掛けると、私と目が合い2人でにっこりと笑い合う。
すると少し遅れて来た幸村様が佐助君の隣に腰掛け、才蔵さんは私の隣に腰掛けた。
「お団子も作ったんです。良かったら皆さんも食べてください」
「おお!※※※の団子か!鍛錬の後でちょうど空腹だったんだ。な、才蔵」
「俺は空腹じゃなくても食べるけどね」
そう言いながら才蔵さんは当たり前のように団子を掴み口に運んだ。
「先生にとって団子は水分を摂るみたいな物ですもんね」
「佐助…俺を何だと思ってるの」
「ふふっ…」
佐助君の言葉に才蔵さんは呆れた表情を浮かべ、ふうとため息を吐いた。
そんなやり取りが微笑ましく、私は思わず笑みが溢れた。
「でも実際才蔵は団子ばかり食べているからな。他の物も食べないと鍛錬に負けない強い身体は作れないぞ」
「心配しなくても必要な時に必要な物は摂ってるよ。それに幸村みたいに鍛錬馬鹿じゃないから」
「なんだと!鍛錬を笑う者は鍛錬に泣くんだぞ!」
「はいはい」
「あ、おい!まだ話は終わってないぞ!」
才蔵さんは心底疲れた顔をして再び団子を頬張り始める。
幸村様は才蔵さんにまだ言い足りないのか、つらつらと何かを喋り続けているが、才蔵さんは知らんぷりしてひたすら団子を食べている。
(相変わらず2人は仲が良いなぁ)
2人のやり取りを見ているとお互いに気を許している事が見て取れる。
でも、流石にこれ以上相手にされない幸村様が可哀想に思えてきて、助け舟のつもりで違う話題を振る事にした。
「そういえば、幸村様は鍛錬以外で何か熱中するような物はないんですが?例えば…好きな場所とか、気になるお相手とか」
「なっ…!!」
私の言葉に顔を真っ赤にして固まった幸村様を見て"しまった"と思ったのも束の間、才蔵さんが怯んだ幸村様を見逃すはずもなく意地悪な笑みで反撃を開始した。
「幸村は他人の色恋の話を聞くだけで顔を真っ赤にしちゃうくらい初心だもんね。あ、それともそういうプレイが好きだったりする?」
「なな、な、何を言っているんだ才蔵!!」
「先生、"ぷれい"って…?」
「佐助君、まだお団子あるよ!食べる?」
「わーい!食べるー!」
純粋な佐助君に変な言葉を覚えてほしくない私は、幸村様を助ける事よりも佐助君の純粋な心を守る事に徹すると決めた。
(幸村様、ごめんなさい…!)
私が佐助君の気を引いている間にも、才蔵さんの追撃は続く。
「そういえばこの間、躓いて倒れかけた女中を受け止めたまではいいけど想像以上の近い距離にびびってへっぴり腰のまま脱兎の如く逃げて行ったっけ?」
「!!お、お前見ていたのか…?!」
「あと落とし物を女中へ渡そうとしてその手に拾った物を置こうとした時に…」
「も、もういい!やめてくれ才蔵」
あまりにも恥ずかしい幸村様の過去を包み隠さず暴露しようとする才蔵さんに耳まで真っ赤に染めた幸村様が必死に制止する。
「俺の事ばかり言っているが、才蔵はどうなんだ!」
「俺?」
「そうだ!才蔵も女性は得意な方ではないだろう?!」
「幸村よりは色んな事経験してるからそうでもないよ。──例えば、」
「っ!」
そう言って才蔵さんは私の太腿にふわりと頭を預け、優しい眼差しを私に向けた。
「なっ…!なっ……!!」
そんな才蔵さんを見て幸村様は更に頬を赤く染め、鯉の様に口をぱくぱくとさせ身体を震わせている。
隣にいる佐助君も幸村様程ではないが、顔を染めてふるふると首を振っている。
「おま、お前は何を…!!」
「何って、膝枕?」
「そそそ、そうだが何故今…!!」
「俺はそれ以上の事も今出来るけど、見て勉強でもしてく?」
「いやいやいやいや、いい!!!佐助、行くぞ!!」
そう言うと幸村様は佐助君の腕を掴んで強引に立たせ、足早にその場から去っていった。
縁側には私と才蔵さんの2人が残され暫く呆然としていたが、下から才蔵さんの堪えるような笑い声が聞こえ我に返った。
「くくっ…」
「…才蔵さんは幸村様をからかい過ぎです」
「お前さんもわざとじゃないにしろ、幸村へ意地悪な質問したでしょ?同罪」
そう言ってさらりと私の髪を耳に掛け、そのまま私の頬へと手を移動させる。
「…っ!さ、才蔵さん…!」
「……"それ以上の事"、やってみる?」
「っ!!」
不敵な笑みで呟かれ、私の身体はかちんと固まってしまう。
そんな姿に才蔵さんは吹き出し、破顔したまま言った。
馬鹿だね、意識しすぎ
(だだだって才蔵さんが…!!)(俺が、何?)(わかってるくせに…!!)
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