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With lots of love and many thanks.

闇金ウシジマくん

ギャップ


ある日。


「くしゅんっ!」

「……」

「へ……くしゅっ!」

「……どうした?」

「うん?平気、平気っ」

「あ、そ」

ずびっ、と鼻を啜って平静を装う。
馨くん、意外と心配性だからなぁ。


また、ある日。


「それ。どーしたの」

「へ?」

馨くんが顔を覗き込んできた。
何か付いてるのかな?
あ。走って来たから前髪が変だったかな?

とりあえず、前髪を整えていたら
馨くんにマスクを指で弾かれた。

それ、とはマスクの事だったらしい。

「あ。えーと。化粧ノリ悪くて……」

「ふーん」

目を細めじっと見詰めてくる馨くん。
「あっ!そういえば、」と逃げるように話題を変えた。


またまた、ある日。


「おかえりなさい!」

廊下を走って、玄関で靴を脱いでる最中の馨くんにいつものように飛び付いたのが悪かった。

「馨く……、へっ!へっくしょーん!!」

「……おい」

「ずびっ。……くしゅん!ふぇ、くしゅん!」

「おい」

「ふぅ。…馨くん!夕飯出来てるよ」

「夕飯出来てるよ、じゃねェーだろ」

「…今日は馨くんの好きなお肉炒めたよー」

そそくさ、リビングに逃げるも

「無視すンじゃねぇ」と簡単に捕まえられた。

「熱は?」と大きくてしっかりとした馨くんの手がおでこに触れてきた。

「な、ないよ」

ほら。馨くんって優しい。

「おら、こっち向け」

ぎゅっと抱きしめられて
今度は顔を覗き込んでまで確認してくる。

「泣いてンの?どっか痛ェーのか?」

「つーか。鼻声じゃん」

「関節とか、痛くねーか?」

挙句の果てには「病院行くぞ」だって。

優し過ぎるよ。

「平気っ、平気だって!」

「病人は大人しくしとけ」

「ちがうの!あの、あのね!」

「ナニ?」

「あの……花粉症なのっ!!……ふ、ふえ」

「……」

「ぶぇっくしょーーん!!!」

とびきり大きなくしゃみが出た。


そして、数時間後。


「おらよ。鼻たれ女」

ティッシュの箱を渡してくれる馨くん。

「う、うるひゃーい!……くしゅ!」

「鼻たれてンじゃん」

「らって、らって!ひょーがないらもん!」

「何言ってっか分かんねーよ」と鼻で笑われてしまった。

「花粉症は辛いの〜!くしゅ!…くしゅん」

「ふーん」とくしゃみのし過ぎでヘロヘロに疲れきった私を置いてお風呂に向かった馨くん。

目の前のテーブルに置かれているのは
ティッシュの箱と、大量の花粉症の薬と
大量のR-1ヨーグルト。

頼んでもないのに
深夜まで営業してる少し遠い薬局まで行って
花粉症の薬をいっぱい買って来てくれるし。
頼んでもないのに
ついでに、とヨーグルトも買って来てくれたし。

ほらね、馨くんって
怖い顔してるのに、意地悪な事言うのに
実はとっても優しくて心配症。
だから言いたくなかったの!
ギャップが凄いもん!
どんどん好きになっちゃう!



Fin..



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!!Thank you!!

応援ありがとうございます。
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