7.Happybirthday!!! 〜祈跡〜
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作、小説、写真集に掲載されてる読切の設定を元にオリジナル(+原作)ストーリーとなっています
逆ハー
▽夢主 (普通の女の子)
英名 Lily = Wammy
ふんわり清楚系女子
ワイミーズ出身者
L、M、Nに愛され懐かれ母のような存在
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殺風景なリビングが煌びやかになっている。
新聞とワタリ専用パソコンしか置かれていないダイニングテーブルには今日はとても豪華で華やかに飾り付けされていた。
中心には数種類の花で飾られたフラワーアレンジメントが置いてあり、その周りをバラの花びらが程よく散りばめられている。
上を見ると星の風船とフラッグ型のガーランドが吊られて、カーテンで閉められている窓ガラスの両側にハート型のバルーンの花束が飾られていた。
他にも沢山飾り付けしてあり、キョロキョロ見ていると「ワイミーさんと飾り付けしたの」小百合さんがにこにこしながら話してくれた。
「今日は沢山食べてね」とテーブルに料理が並ぶ。
温野菜のサラダ、サーモンのマリネ、コンソメスープ、カンパーニュ、ビーフシチュー。
そして、Happybirthday!!! とチョコソースで
書かれたメッセージプレートがのっている
いちごたっぷりのショートケーキ。
赤いバラのようにいちごが広がり
ケーキの半分にはチョコソースがジグザグにかけられ、ふわっとした雪のような白い生クリームがケーキの淵にのっている。
無意識に人差し指を咥えていて目が釘付けになった。
隣で小百合さんとワタリが「Lの瞳が輝いてる」とクスクス笑っていた。
こんな綺麗なケーキは見たことないかもしれない。
小百合さんの手作りだから特別に感じるのかもしれない。
手を伸ばし、花びらを摘むようにいちごを取って食べようとしたら小百合さんにぺちっと手の甲を叩かれた。
「つまみ食いはダメよ。ちょっと待ってて、まだケーキは途中なんだから」
「まだ盛り付けがあるんですか」
何のフルーツが乗るんだろう。
チョコレートかもしれない。
雪のように粉砂糖を降らしてくれるのかも。
期待して待っていたら
小百合さんが持って来たのは
フルーツでもない、チョコでもない、砂糖でもない、〝1〟〝8〟の数字のロウソクだった。
甘いものじゃない……。
「おやおや、不服そうですね。これも大事な盛り付けですよ」とワタリが微笑む。
ワタリがロウソクに火を付けるとリビングが真っ暗になり♪Happy Birthday to You〜 と
小百合さんがリズム良く手を叩き楽しそうに歌い始めた。
ワタリも珍しく小百合さんの声にのせて
歌っている。
♪Happy birthday to you〜
歌い終わった2人は拍手をして楽しそうに
にこにこ笑っていた。
「さぁ。L、ロウソクの火を消してください」
「ふぅー、ふぅー、ってするの」
口を突き出して息を吐いてる小百合さんの
真似をしてロウソクの火をふぅ~と消した。
火が消え、暗闇に包まれたかと思うと
一瞬で目の前がオレンジ色に輝いた。
眩しくて目を細めるが、目の前の光景に
すぐに目を見張った。
カーテンが開かれ、大きな窓ガラスから
射し込む眩い夕日が室内を同じ色に染めていく。
遠くに見える夕日の光が大空いっぱいに広がり
白い雲が黄金色に反射してとても輝かしい景色がそこにあった。
建物が影になり、より一層空の美しさが際立つ。
そして、窓ガラスに大きく貼られた
〝HAPPYBIRTHDAY〟の文字が
床にも綺麗な影が出来ていた。
「わぁ〜っ!すごい綺麗〜!!やったぁ!成功だね、ワイミーさん!」
「ええ。大成功ですね。ナイスタイミングです」
「ねぇ、Lも見て…、」
小百合さんは振り返り
私を見た途端、目を細めて嬉しそうに笑った。
彼女の頬が夕日に輝きとても眩い笑顔だった。
その笑顔の理由は多分、私の表情にあったのだと思う。
目の前の景色に目を奪われ、驚いた顔をしていたのか、もしかしたら小百合さんと同じように自然と笑顔になっていたのかもしれない。
「L、お誕生日おめでとう!」
「18歳ですね、おめでとうございます」
「はい、ありがとうございます」
感謝の気持ちが言葉になった。