6.手紙
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作、小説、写真集に掲載されてる読切の設定を元にオリジナル(+原作)ストーリーとなっています
逆ハー
▽夢主 (普通の女の子)
英名 Lily = Wammy
ふんわり清楚系女子
ワイミーズ出身者
L、M、Nに愛され懐かれ母のような存在
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「お嬢様…?」
手紙を握りしめ、突然、涙を流す小百合に
ワタリは戸惑い、駆け寄った。
「どうされました?お嬢様…」
手紙を受け取り笑った後、1人思いにふけり
突然、泣き出したもんだから、変に思い驚いているだろう。
小百合は慌てて涙を拭い、笑顔をつくる。
「ごめんなさい、ちょっと思い出しちゃって……」
ワタリは少し首を傾げる。
「…Lにずっと我慢させちゃったから」
「あぁ、」とワタリは頷き、お互いがすれ違っていた事を思い出し、話しているのだとすぐに理解した。
「Lに我慢するようにと言ったの私ですよ。
お嬢様が悲しむ事ではありません」
「ううん、ワイミーさんのせいじゃないの。
わたしが気付いてあげれなかったの。もっと早くLと向き合えば良かったのに…わたしは自分の事ばっかりで…」
ワタリの口元が弧を描き、にっこりと微笑んだ。
「でも、ちゃんと仲直り出来たのでしょう?大丈夫、2人ならきっと何度でもやり直せます。今も、これから先もきっと」
優しい言葉に涙は止まる。
「それに、自分の感情を我慢する事も時には必要だと、Lにとって良い教訓になったのではないでしょうか。………Lは捜査をする時、指示をするだけで表立って直接、人と関わる事は決してありません。しかし、いつかは生身の人間に触れ、共に捜査しなければならない状況が来るでしょう。Lには、相手の立場をしっかりと考え、思いやりを持って接する、という事を学んで欲しかったのですよ」
ワタリはソファで寝ているLを不安げな顔で見詰めた。
「世界一の探偵〝L〟……。内部ではあまり良い印象をもたれてませんから……」
小百合に聞こえないようにワタリは小さく零した。
ワタリの不安げな表情と慈しむような眼差しは
まさに、息子の将来を心配に思う父親の姿だった。
心配されている本人は寝返りを打ち
唇の隙間からヨダレを垂らして幸せそうに寝ている。
「あぁ、いけない、ヨダレが……」と
ワタリはティッシュで口元をそっと拭き取る。
夢の中でもケーキを食べているのかも、と
小百合はクスッと笑った。
「お嬢様に、こんな事をお願いするのも…失礼かもしれませんが……Lにもっと沢山の事を経験させてあげてくれませんか。時には我慢する事、素直になる事、相手を想いやる事、友人との喧嘩、大切な人との仲直りの仕方…、沢山の事をLに教えてやってくれませんか」
ワタリの言葉はとても優しいものだった。
しかし、小百合にはとても寂しく感じた。
ワタリの表情が、Lを見詰めるその瞳が
自分は出来ないからあなたに、と言っているようで。
「ワイミーさんも……、」
いつも傍に居るワイミーさんにしか出来ない事が沢山あるんだよ。
人使い荒いけど、Lはとってもワイミーさんのこと大好きなんだよ。
だって、Lはワイミーさんの好きな紅茶の事
誰よりも1番詳しいもの。
だから……
「ワイミーさんが居なきゃ…出来ないよ。ワイミーさんとじゃないと出来ない」
そんな寂しい事言わないで、ワイミーさん。
小百合は頬を膨らませて子どもじみた我儘を言った。
ワタリは一瞬、目を丸くするがすぐに目を細め
目尻に皺を作り困ったような、でも、どこか嬉しそうに優しく温かく「かしこまりました」と頷いた。
「さぁ、立ち話はこれくらいにして……
お嬢様、もうお休みましょう」
小百合は明るく返事をしてワタリには
おやすみのチークキスを。
寝ているLには直接、頬に触れるキスをした。
「おやすみなさい」