5.ふたりきり ーDay3ー
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作、小説、写真集に掲載されてる読切の設定を元にオリジナル(+原作)ストーリーとなっています
逆ハー
▽夢主 (普通の女の子)
英名 Lily = Wammy
ふんわり清楚系女子
ワイミーズ出身者
L、M、Nに愛され懐かれ母のような存在
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帰り道、極秘作戦室の近くの公園で
小百合とLはぼんやりと夕陽を眺めていた。
ロンドンの街は明かりが灯り一層煌びやかに
空は淡い赤黄色に染まり、夕陽が反射して所々
雲が金色に光っている。
とても幻想的で美しく壮大な景色が広がっていた。
Lにこの美しい景色を見て欲しくて
小百合はここへ立ち寄った。
寂しがり屋のLも家事が苦手なLも
甘えん坊なLもちょっと意地悪なLも
スイーツを見て目を輝かせる可愛い所も
お会計の時にさりげなく荷物を持ってくれた事…
手を繋いでくれた事…
そして、Lと初めてのデート。
ワイミーズハウスの頃は1時間程度しか
一緒に居れなかったし、部屋にこもりきりのLと
外に出る事なんて一度も無かった。
この3日間、初めての色んなLを見れた。
とても幸せだった。
なんてことない日常の幸せを噛みしめ
小百合はブランコをゆらゆらと揺らした。
「綺麗だねぇ」
「近くの公園で夕陽が見れるとは知りませんでした」
隣に居るLはブランコに座る時も独自のスタイル
座る部分に足を上げ膝を折り曲げ座っている。
手には棒付キャンディを持ってLも夕陽を眺めた。
「ふふふ、実はここ、穴場だよ。建物の明かりと夕陽が混ざって街が黄金色に見えるし、夜になると星も綺麗に見えるよ」
「そうですか……、私は外に出る事は滅多にありません。事件に景色は関係ないので、こうして夕陽を眺める事もありません。なので、今日はとても良い経験になりました。小百合さんのお陰です」
Lの言葉はとても穏やかだった。
難事件を解いたり、パズルをしたり
Lは本当に頭を使う事にしか興味が無い。
景色を見て綺麗だ、と思う事も
何も考えずにぼんやり星を眺める事も
夜の静かな海で波の音だけを聞いたり
風の匂いをかいで、季節の変り目を感じる事も
Lには必要の無いものらしい。
何気なく耳を傾けた雨の音の心地良さを
ふと見上げた空に流れ星や虹を見つけた時の
誰かに教えたくなる感動と喜びを
雪の冷たさを肌で感じて「おかえり」と待つ人が
家に居るという事のあの温もりを
Lはどれ程知っているだろうか。
この世界のささやかでちっぽけでくだらない、でも
とても美しく愛しい、いろいろなものを。
「今日だけじゃないよ。L」
小百合はブランコからぴょんと降りて
Lの前に立ち、折り曲げているLの脚に触れそっと下ろす。
Lは小百合が座るように促しているのだと
察して、ブランコにお尻をつけ普通に座った。
「いつものその座り方をやめて、一緒に綺麗な景色を見よう。行ったことのない場所に行ってワイミーさんとケーキを食べよう。世界は美しいもので溢れてるんだよ」
ワイミーさんが世界と孤高の〝L〟を繋ぐ架け橋ならば
わたしは、Lの手とこの世界を繋ぎ合わせる人になりたい。
いつか、きっと。
ワイミーさんと3人で色んな景色を見ようね。