2.すれ違い
君の名は
この小説の夢小説設定▽夢小説について
原作、小説、写真集に掲載されてる読切の設定を元にオリジナル(+原作)ストーリーとなっています
逆ハー
▽夢主 (普通の女の子)
英名 Lily = Wammy
ふんわり清楚系女子
ワイミーズ出身者
L、M、Nに愛され懐かれ母のような存在
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Lに「好きです」と言われ、極秘作戦室で
一緒に暮らすようになったけど
毎日、Lに会える、Lと一緒、というのは甘い考えだった。
わたしの部屋はベッドの近くの壁が一面ガラス張りになっている、ロンドンの街を一望出来る高級ホテルのスイートルーム並の豪華な浴室付きの一室。
そして、優雅な彫刻が施されたアンティークな両開き扉を開けるとすぐそこは
白を基調としたキッチンとダイニングテーブルと大型ソファ、テレビ、L専用の最新型パソコンしか置いてない殺風景な広いリビング。
わたしの部屋、リビング、ワイミーさんの寝室
そして少し離れた所にLの部屋がある。
ワイミーズハウスの時と変わらず小さな窓しかなく
パソコンとモニターだらけの部屋。
Lはお気に入りの1人掛けの黒いチェスターフィールドソファに膝を抱えて座り甘いものを食べながらじっと考え事している。
わたしはLの部屋にはあまり入れない。
Lが難しい事を考えてたり、パソコン越しに誰かに指示を出したりしているから、部屋に入った所で、だ。
ワイミーさんのお手伝いとしてLに紅茶や
甘いものを届けに行く事もあるけど
それは年に数えるくらいしかない。
この広すぎる極秘作戦室で同じ空間を共有する時間なんて
1日2~3時間程度。もしくはそれ以下。
Lは調査の為、ワイミーさんと何処か英国を出て何週間、何ヶ月と帰って来ない日もあるので、会えない日々の方が多かった。
やっと会えたと思っても少しの時間雑談したり
ふらふらと部屋から出てきて
わたしの太ももに顔を埋めてそのまま寝てたり……
夜中、わたしのベッドに潜り込んでいる時もある。
朝起きて、何故か枕が増えてたり温もりが残ってたりするからLが寝てたのかなぁ、なんて後から気付くだけ。
……猫かしら。
「Lはわたしの事好きって言ってくれたけど…うーん」
誰も居ない殺風景なリビングで一人呟く。
「付き合って、とは言われてないし……」
フォークでパスタをくるくると巻き付けながら
ふぅ、とため息をついた。
「キスは…たまに、たまに、してくれるけど…」と
パスタを口に運び、暫く咀嚼して気付く。
何思ってるのっ……!
キス以上の事を求めてる自分が恥ずかしくなり
慌てて水を飲みほした。
「Lの彼女でいいのかな……?」
直接、本人に聞いてみたいが恥ずかしい。
何より、世界を背負っているLにそんな事を聞けない。
わたしの不安は誰にも届くことなく宙を舞って消えた。
広すぎるリビングと豪華過ぎる部屋に
今日も1人、ただ独り言を呟くだけだった。
殺風景なリビングが一層寂しく感じてしまう。